日々診療を行う中で
私たちは特に気に留めないようなことでも
患者さんは意外と見ているポイント
というのがあります。

また、頻度は極めて少ないけれど
稀に起こるミスというのもありますよね。

今回は、どんなクレーム・トラブルが
起こりやすいのかと
対策のポイントについてお伝えします。

スタッフによる診療内容の差

例えば、定期検診で通っている患者さん。

ある日、受付でお会計をするときに
「担当するスタッフの方によって、
内容や施術後の状態に差があるのですけど…」
と言われた。

そんな経験はありませんか?

担当制の医院であれば、
患者さんの引継ぎがある時以外は
そういうことは少ないかもしれませんが、
担当制でない医院であれば特に要注意です。

対策その① 内容を統一する

新人かベテランかで、経験の差が出るのは
仕方がない部分もあるかもしれません。
しかし、どういう流れで、
何を使って診療をするのか、
スタッフ間で内容を統一することはできます。

いつもと同じ流れ、
いつもと同じものを使っている。

それだけでも、患者さんは安心するものです。

対策その② 情報共有

また、患者さんによって、
+αでやっていることや
気を付けることがあれば、
必ずカルテに記載することで
イレギュラーな対応も可能になります。

  • 必ず顔にタオルを被せてほしい
  • 静かに過ごしたいから必ず個室にしてほしい
  • ユニットを動かす時は必ず声をかけてほしい

些細な事でも、メモをして、
誰が見てもわかるようにしておくことで
クオリティをある程度揃えることができます。

「この医院は誰が担当でも安心して通える」と
患者さんの満足度UPにつなげましょう。

家族間での配布資料の差

明細書や領収書の内容。

全然気にしない患者さんもいれば
しっかり見て、疑問点があれば
「家族で同じ日にかかっていて
同じ定期期診なのに、
どうして明細書の内容や費用が違うの?」
等と質問をされる患者さんもいます。

実際に実施した内容が
それぞれ個々で違うのであれば
その旨をしっかりと説明することで
納得してもらうことができます。

ただ、全く同じ診療内容なのに
領収書や明細書に差があるのだとすると、
どうしてそういうことになったのか
原因を把握する必要があります。

点数入力で漏れがあった。

入力する人によって、内容に差ができてしまった。

等々色んなケースがあるかと思いますので
その都度、医院で情報共有をして
トラブルが起こらないようにしたいですね。

また、「家族2人レントゲン写真を撮って、
印刷したものを主人はもらっているけど
どうして私にはないの?」
という風に、配布物の有無の差に
疑問を感じる患者さんがいらっしゃいます。

誰が、どのタイミングで、
何を渡すのかを予め決めて、
漏れなくスムーズに診療を行いましょう。

言っていることが人によって違う

患者さんだけでなく
スタッフ間でも起こりうることですが
誰に対して何を言ったか・言っていないのか。

時と場合によっては、これが
トラブルやクレームの原因になることもあります。

例えば、治療が終わって
先生と患者さんの話が長引きそうな時。

アシストについていたスタッフは
ひとまず、カルテの次回予定の欄に
3か月後定期検診と記入して、
その場を離れて次の患者さんのところへ。

しかし、先生からは
「次回は経過を見たいので
1カ月後にきてくださいね」と
患者さんにお話していた。

カルテには、
3か月後定期検診とだけ記入している状態。

予約を取る受付スタッフは、患者さんに
「次回は3か月後の定期検診ですね」と
お話をして、
先生が言っていた来月の予約がとれていなかった。

連携不足・確認不足により情報が漏れていた。

そんな事情は患者さんには伝わりません。

「先生とスタッフで言っていることが違うけど、
どういうこと?」
と不信感や不安につながってしまう
可能性があります。

どんなに忙しくても、
カルテを受付に持っていくまで
患者さんの傍を離れない。
患者さんに伝えたことは必ず記入する。

ちょっと習慣を見直すだけで
改善できることもありますので、
クレームやトラブル、ヒヤリハットなど
気になったことは
院内でこまめに共有して、
対策を考えておきましょう。

まとめ

クレームやトラブルは
大きなミスから生まれるだけでなく
小さなミスがきっかけとなることもあります。

どういう時に、
どういうミスやクレームが起きやすいのか
ある程度傾向があるものです。

情報共有をして、まとめて、
必要であればマニュアル化する。

塵も積もれば山となるというように、
少しずつ積み重ねて、患者さんもスタッフも
安心して診療が行える
医院づくりにつなげてください。