近年働き方改革や女性の育児休業からの復帰による
時短勤務の普及よって、夜遅くまで診療している
歯科医院はより雇用が難しくなりつつあります。
そこで今、診療時間を短くしている歯科医院が
少しずつ増えています。
しかし院長先生からすると、診療時間が短くなれば
その分、売上とともに利益が減る、患者さんが
減ってしまうという不安があると思います。
そこで今回は、診療時間を短くすることで、
歯科医院にメリットはあるのか、そもそも利益を
減らさずに、診療時間を短くすることは
可能なのか?について詳しく解説していきます。
診療時間を短くするメリット
診療時間を短くすることで、どのような
メリットがあるのか1つずつご紹介します。
スタッフの労働環境の改善
どうしても診療時間が遅い時間帯になると、
スタッフの仕事効率が明らかに低下します。
しかも夜遅くまで診療している歯科医院ほど、
遅い時間帯にはメインテナンス患者さんではなく、
治療が必要な方の受診が多くなります。
そのため、診療が長引くと
残業が発生しやすくなります。
加えて治療による身体的疲労が
スタッフだけでなく、歯科医師にもかかります。
診療時間を短くすることで、身体的な負担を減らす
ことができ、労働時間は飛躍的に改善できます。
雇用・定着の増加
診療時間を短くすることによる
メリット2つ目は、雇用、定着率の増加です。
歯科医院にとって圧倒的なメリットになります。
歯科医院のスタッフの9割は女性です。
独身だけのスタッフは少なく、
最近では子育て中のスタッフが増えてきています。
そのため、子育て中の世代は診療時間が遅い
歯科医院では長く働くことが難しくなります。
一方、診療時間が短い歯科医院であれば、
子育て中のスタッフの新規雇用機会も増え、
スタッフの定着率も上がります。
生産効率のアップ
労働時間が長くなればなるほど、
生産効率は低下します。
同じメインテナンス業務でも労働時間が
長くなると、集中力が低下し、患者さんが
満足できるメインテナンスを提供できなくなる
可能性が高くなります。
患者さん満足度を上げるためにも、
診療時間短縮はメリットがあります。
さらに、身体的疲労が軽減されるので、
診療後の片付け、次の日の準備なども効率的に
動きやすくなります。
診療時間を短くしても効率化で利益は維持できる
では、院長先生がもっとも不安に感じていること
『診療時間を短くしても利益は維持できるのか?』
ということです。
実際、診療時間が夜8時までで売上1億の
歯科医院もあれば、診療時間夜6時までで
1億5千万の歯科医院もあります。
診療時間が短いのに利益のみならず
売上を伸ばしている理由は何なのか?
主に以下の3つの理由があります。
固定費が削減できる
まず目に見えるのが、固定費の削減です。
・光熱費
・人件費
診療時間が2時間長いだけで、光熱費はもちろん、
人件費もかかってきます。
人件費に見合った売上を上げることができれば
いいですが、かえって残業代を支払う分、
コストがかかり、利益は下がってしまいます。
そのため診療時間を短くすれば、まず固定費を
削減できることが大きなメリットになります。
患者さんのキャンセル率を減少させることができる
診療時間が短いほど、キャンセル率は
下げることができます。
実は短い診療時間枠の方が、患者さんにとって
予定を立てやすくなります。
長時間の診療枠だと、その間に他の予定が入る
可能性が高くなるため、キャンセルのリスクが
増加します。
さらに、診療時間が短いと、スタッフも効率的な
運営を心がけるようになります。
これにより、予約管理がより厳密になり、
キャンセルを減らす取り組みが強化されます。
短い診療時間枠では、患者さんも時間を守ろう
という意識が高まります。
これにより、無断キャンセルや遅刻が減少する
傾向があります。
予約枠の改善で患者数を維持する
30分枠で予約をとっている歯科医院も多いかも
しれませんが、予約枠の改善で患者数は
維持できます。
一般的に午前中の10〜11時、午後4時頃は
比較的空きなどが発生しやすくなります。
そのため、9:15、9:45などの15分、45分枠
などを1枠増やすだけで診療時間1時間分の
患者数を維持することができます。
しかもスタッフは診療開始間近の時間なので、
仕事効率も高い状態で、効率的に患者さんを
診療することができます。
予約枠を見直すことで1日に診療できる
患者数を維持することは十分できるのです。
このように診療時間を短くしても歯科医院全体の
売上、利益に対しプラスにすることは可能です。
いきなり実施するのが難しい歯科医院も多いため、
土曜日など週1回から取り組み、
売上、利益を比較してみてください。
その後、他の診療日も診療時間を短くするのか
考えてみてはいかがでしょうか。
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