予防歯科を積極的に提供したいのに、
患者さんの反応がいまひとつ…。

治療目的の来院が多く、
予防歯科を目的に来院する人が極少数…。

このようなお悩みを抱えている医院も
多いのではないでしょうか。

今回は、一般の方が「予防歯科」を
どのようにイメージしているかを整理し、
患者さんの気持ちに寄り添った伝え方や、
具体的なアピール方法をご紹介します。

予防歯科の認知度と一般的な意識

まず、予防歯科に対する意識の違いを
確認してみましょう。

【予防歯科と聞いてイメージするもの】

一般の方

・歯磨きをきちんとする
・定期健診や歯石取り
・歯磨き指導(特に子供向け)
・フッ素入り歯磨き粉を使う

歯科医療従事者

・3ヵ月に1回の定期健診
・PMTCやスケーリング
・唾液検査などによるリスクチェック
・フロス、歯間ブラシ、洗口剤を使った日常的ケア

「予防歯科」という言葉を知らない方や、
一部の健康意識が高い人が行う特別なもの
という印象を持つ方もいます。

また、「自費診療で何をするかわからない」
「費用が高そう」といった、マイナスイメージを
持つ方も少なくありません。

このような意識のズレが、患者さんと医療側双方の
気持ちのすれ違いを生んでいるのです。

予防歯科の大切さをどのように伝えるか

内容や重要性を十分に理解していない相手に対し、
「予防歯科は大切です」「受けましょう」と
一方的に訴えてもなかなか響きません。

ポイントは、患者さんの理解度に合わせて説明し、
不安や疑問・関心に丁寧に応えることです。

まず、予防歯科とは具体的にどのような
取り組みなのかを伝え、そのうえで患者さん側が
知りたい内容を説明します。

近年では、コスパ(費用対効果)や
タイパ(時間効率)を重要視する人も多いため、
予防歯科に時間とお金をかける方が長い目で見て
効率的という方向性でアピールすることで、
納得感が得られるケースもあるでしょう。

また、お金と時間をかけたくない、
痛みがないのに通いたくない…と心理にも配慮し、
短時間で受けられるメニューや柔軟な予約枠の
提案も有効です。

押しつけがましい印象にならないよう、
言葉のチョイスには気を使いながら
会話を進めることを意識しましょう。

今日からできる予防歯科のアピール方法

予防歯科を目的とした来院につなげるために、
今日からできるアピール方法を3つご紹介します。

院内掲示

写真や図などを使ったポスターを作成し、待合室や
ユニットから見える位置に掲示しましょう。

業者が提供しているポスターの活用も有効です。

視覚情報があることで理解も深まり、
口頭説明の際にも活用できます。

ホームページ、SNS

コラムやブログ、SNSなどでの発信も効果的です。

たとえば「定期健診とむし歯治療、コスパが
良いのはどっち?」などキャッチーなタイトルを
工夫してみましょう。

会計時にチラシ配布

B5程度のシンプルなチラシを作って、
会計時に患者さんにお渡しする方法です。

Q&A形式や医院で提供している予防メニュー・
目安となる金額等を簡潔に記載し、帰宅後や
空いた時間に目を通してもらえるようにします。

まとめ

患者さんの「予防歯科」イメージはさまざまで、
医療従事者との間に認識のズレが多いのが
現状です。

まずは相手の立場に立って誤解や不安を取り除き、
コスパや時間効率といった実利的な価値を示す
ことが、予防への理解と受け入れを高める
近道となるでしょう。

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