スタッフの成長は院長やスタッフのリーダーにとって、
とても重要なことですよね。

特に予防歯科を中心とする医院経営を目指すなら、
スタッフの成長はかかせません。

スタッフが成長すると、
患者との信頼関係の構築に大きく貢献します。

これが患者満足度にもつながりますし、
予防の大切さを素直に聞いてくれる状態にもなるわけです。

でも、
スタッフが成長する前に辞めてしまうことってありませんか?
その原因っていったいどこにあるのでしょうか。
実は意外なところにも原因は潜んでいるのです。

忙しそうだから言いにくいなぁ・・・

例えば、こんな事って起きていないでしょうか。

ある日、口腔内撮影ミラーに傷を付けてしまったAさん。
器具に不具合が生じたらすぐに報告すること…。
それがAさんの医院のきまりです。

その原則と「なぜ報告しなければならないのか」は
理解していても、チーフになかなか報告できません。

何故なのでしょうか??

チーフはいつも忙しそうです。
朝は誰よりも早く出勤してメールチェック。

院長とミーティングをしながら
お昼を取っていたり…。

加えて、
他のスタッフより早く帰るのを見たことがありません。

「あんなに忙しそうなのに、
こんな面倒なことを持ち掛けたら、
ものすごく怒られそう…。」
「今日は資料撮りの予約は入っていないから、
明日にしよう」。

そしてAさんは「言わなきゃ、言わなきゃ…」と思いながら
報告できないまま幾日かを過ごします。

そしてある日。
初診の患者様がカウンセリングの結果、
オールセラミック治療を選択しました。

患者様のご都合により、
その日のうちに資料撮りをすることに。

資料撮りのアシスタントにつくことになったスタッフが
器具の準備をしていると…。

「えっ!この傷、何?」

予備のミラーで事なきを得て、
新しいミラーを発注することになりました。

この件の直後のミーティングでは
「犯人捜しをしても意味がないから」と、
スタッフ全員が院長からお小言。
チーフはさらに「監督不行届」と院長から注意を受けました。

これは、半分ホント、半分はつくり話ですが…。
良く似た事例はあなたの医院でも起きていませんか??

なぜAさんは「報告できなかった」のだと思いますか?

原因は院長や役職者のあなたかも!

役職がない一般のスタッフにとって、
院長やチーフは「話しかけづらい人」です。

なぜか?

そもそも、あまり話す機会がない。
だから、どんな人なのよくはわからない。

たまに患者様と言い合いになっていたり…。
(スタッフって、こういう時だけ見ているもんですよね…。)
話しかけるタイミングが読めないんですね。

「役職者は話しかけづらいぐらいが丁度いい。
何でもかんでも言ってこられても困る。」

でも、大事な報告がないのはもっと困りますよね。
どうすればこの状況を打開できるでしょうか??

じゃあ、こうしてみませんか?
挨拶をするんです。しかも、自分から。

「自分は院長なんだから、
スタッフのほうから挨拶するのが普通だろう」?
「挨拶は後輩から。自分から…なんて、シメシがつかない」?

そうした考えを持っていると、
スタッフはついてこれなくなってしまいます。

離職率を下げる取組みの第一歩は「挨拶」

実は、この例え話には続きがあります。
Aさんは、事件後程なくして退職してしまいます。

退職して1週間ほどが経った後、
制服を返却しに来た彼女は言います。

「あのミラー…。傷を付けたのは私なんです。
すみませんでした。」

そして、ミラーの代金相当額が入った封筒を差し出しました。

ミラー購入代金は回収できたものの、
Aさんに投資した時間と給与は、さらに大きい。

「チーフも院長もいつも忙しそうで…。
挨拶しても返事がないことが多かったし…。怖くて。」

もしも、院長やチーフが「自分から」挨拶をしていたら。
Aさんはすぐに報告ができたかもしれません。

そして、不注意を怒られながらも、
不注意については反省して、
今もまだ働いていたかもしれません。

もちろん、この件は、挨拶する・しない…だけが
問題なのではありません。
しかし、コミュニケーション・ロスによる風通しの悪さ
原因の一端であるとは言えると思います。

新しい取組を成功に導こうとするときには、
必ず課題・問題が発生します。

そんな時に院内の風通しが悪いと、
芋づる式に課題・問題が発生します。

導入した機器や、大枚をはたいて、
疲れた身体に鞭打って参加したセミナーも
結局無駄になってしまうかもしれません。

挨拶は、
「あなたとコミュニケーションを取りますよ」
…というサイン。

きっと、コミュニケーション・ロスを予防してくれます。

学生時代に、先生から「おはよう」って声をかけてもらえたら、
何となく、良い気分になりませんでしたか?

「挨拶ぐらいしても減るモンじゃなし!」
とか言いますよね。
ぜひやってみてください。

頭ではわかっていても以外に出来ていないものです。

 

ヘルスケアチーム コーディネーターmyより