• 頼んでいた仕事ができていなかった
  • スタッフが仕事で失敗をした
  • 患者さんからクレームがきた

といったことで、怒りを
スタッフや患者さんに
ぶつけたくなったことはありませんか?

怒りは上から下に伝染していくという言葉を
聞いたことがあります。

例えば、
院長が3年目スタッフに怒る
→3年目スタッフが新人スタッフに怒る
というように、

怒りは、上の立場の人から
下の立場の人に伝染して、
医院の雰囲気が重くなっていってしまう
傾向があるようです。

院長が怒りやすいと
スタッフ同士の関係性も悪くなって
スタッフの入れ替わりが
激しくなる可能性もあります。

また、患者さんにも医院の雰囲気が伝わり
来院が途絶える原因になったり
するかもしれません。

そこで今回は、
怒りをコントロールする方法、
アンガーマネジメントについて
お話ししていきます。

近年、アンガーマネジメントは企業や病院でも
着目され取り組まれつつあるようです。

アンガーマネジメントの習得は、
医院経営にもプラスに働くのではないでしょうか。

怒りの生まれ方

そもそも怒りが生まれるには、
次の2つの理由があるといわれています。

①「べき」という概念
② 防衛反応

この2つの理由について、
詳細な内容をご案内します。

①「べき」という概念

世間の常識当然当たり前
普通などに囚われやすい人が多いかと思います。

一昔前は、急に仕事を休む時には、
電話をするのが一般的でした。

しかし今の時代は、メールやチャットで
連絡するのが多くなっています。

「文章で連絡してくるのは失礼だ!」と
怒るのは、【自分のこうあるべき姿】が
原因だと言われています。

人は【自分のこうあるべき姿】と
違う行動をされると、
怒りが生まれやすい傾向がある、
というように言われています。

②防衛反応

怒りは、自分を守る行為でもあります。

例えば、患者さんに
「治療が痛かった!」
「前の歯医者ではこんなことなかった!」

と言われた時には、怒りの前に
悲しみや悔しいという気持ちが先にきて、
その後の二次感情として
怒りがくるといわれています。

  • 自分のプライドを傷つけられた
  • 言われたことが悲しい

という自分を傷つけた言葉から
守るように怒りが生まれてくるのです。

すぐにできる3つの対処法

怒りをコントロールするのは
簡単ではありません。

しかし、改善できる方法はあります。

怒りが湧いたら理性を取り戻すまでに
6秒かかると言われてます。

人間の怒りのピークが長くても
6秒だと言われているからです。

理性がくるまでの6秒の間に
できる対処法を3つ紹介していきます。

①数値化

今の怒りに0~10までの点数を
付けるとしたら何点ですか?

例えば、スタッフに頼んでいた仕事が
できていなかった場合には、

「○○さんも忙しかったのかな?」
「すぐに必要なことでもないな。」
「この怒りは2点だな。」

などと、怒りに点数を付けてみては
いかがでしょうか。

自分の怒りを冷静に評価することで
心に余裕ができてくるかもしれません。

②合言葉

怒りの感情がでた時の
合言葉を決めておくと良いでしょう。

特に、反射的に言えるような言葉だと効果的です。

「なんとかなる!」
「大丈夫!」

などの言葉を
怒りがでたときに、実際に口に出すことで
自分に言い聞かせる効果があり、
落ち着いて、気持ちの切り替えも
早くできるようになります。

③深呼吸

深呼吸は、
副交感神経の働きが高まり、
リラックスする効果があると言われています。

6秒の間に深く呼吸をするだけでも、
冷静になれて、イライラが治まりやすくなります。

長期的な改善法

ここで紹介する3つの手法を
習慣的に行っていくと、
さらに怒りをコントロールできるようになります。

①記録(アンガーログ)
②分類(ストレスログ)
③自己需要(サクセスログ)

それぞれについて
詳しく解説していきます。

①記録(アンガーログ)

アンガーログとは、
怒りの記録のことで、
怒りがでたら忘れないうちに
記録をしてみましょう。

この時のポイントは、
冷静に記録することです。

怒りの感情のままではなく、冷静に淡々と
日付・場所・怒った理由・怒りの点数などを
記録することが重要です。

一度冷静になってみると、

「自分が何に対して怒っているのか?」

明確になると同時に、
【自分の中のそうあるべき姿】にも
気づけるのです。

記録する物は、
メモ帳やスマートフォンなど、
自分のやりやすい方法で大丈夫です。

大事なことは、忘れないうちに
記録をすることです。

②分類(ストレスログ)

ストレスログとは、
ストレスを感じた現象を
次の4つの中に分類していく方法です。

  • 変えられる/変えられない
  • 重要/重要ではない

例えば、患者さんから
「治療が痛かった!」
「前の歯医者さんでは痛くなかった!」
と言われた場合には、

患者さんが痛みを感じた時は
どんな治療をしているタイミングだろうか?

器具の入れ方の工夫や
麻酔をすれば解決するのならば、
変えられるし、他の患者さんにも
応用できる場合があるので重要だ。

一方で、
前の歯医者さんでは痛くなったことは、
自分には全く関係ないことで
変えられないし、重要ではない。

と分類することで、
変えられない部分はどうしようもない
と諦めがつき、
重要な部分を見落とさないようになります。

③自己需要(サクセスログ)

サクセスログとは、
自分の褒めてあげたいことを
記録していく方法です。

自信のない人ほど、
防衛反応が働いてキレやすくなります。

そのため、日頃から
自分の褒めてあげたい部分の記録を
付けていると良いでしょう。

落ち込んだ日にその記録を見ると、
「こんなに頑張っているじゃないか!」
「自分は頑張っていてすごい!」と
自信になります。

記録すればするほど、
自分の自信になっていくので、
どうでもいい言葉には、傷つきにくくなり
結果として、怒りも湧きにくくなります。

また、メンタル以外にも
体が健康でないと、
イライラしやすい体質になります。

  • 十分な睡眠が取れているか
  • 食事に偏りがないか
  • 運動不足になっていないか

などを、一度見直してみましょう。

まとめ

怒りは自分でコントロール
することができます。
すぐに実行できるのが次の3つです。

  • 怒りの数値化
  • 合言葉を口に出す
  • 深呼吸をする

また長期的に改善したい場合には
次の3つも行ってみてください。

  • 忘れないうちに怒りを記録する
  • 怒りを分類する
  • 自己受容を高める

自分の怒りをコントロールして、
明るく楽しい、
働きやすい職場にしていきましょう。