スタッフや患者さんと仲良くなろうと
なんとなくの会話をしていませんか?

なんとなく会話をしても
相手と仲良くなることはなく、
むしろマイナスなイメージを
持たれる可能性があります。

例えば、
スタッフ同士が話している時に、
院長が「今、何の話をしていたの?」と
聞いたとします。

スタッフから「いや…特に…」といった
曖昧な返事がきたことが
ある方もいるのではないでしょうか。

スタッフは、突然声をかけられて
びっくりしたかもしれませんし、
院長から聞かれるとは思ってもいなかったので、
思わず内容を伝えなかったのかもしれません。

一度こういったやりとりがあると、
次に声をかけるハードルが高くなってしまい
信頼関係を築くのが難しくなってしまう
恐れがあります。

そこで今回は、
患者・スタッフと楽しく会話をするための
「2つの話術」について紹介していきます。

二者択一話法

二者択一話法では、
相手に2つの選択肢を提示して、
スムーズに会話をできるようにする話法です。

例えば、
冒頭での院長とスタッフの会話を、
二者択一話法を活用すると次のようになります。

院長
「今、話してたのは、プライベートな話?
それとも仕事の話?」

スタッフ
「プライベートのことです。」

院長
「プライベートな内容なんだね。
そういえば、〇〇さんは休日、
家で過ごすことが多い?出かけることが多い?」

スタッフ
「そうですね。
最近は、映画やドラマを見ることが好きなので
家で過ごすことが多いですね。」

というように、
冒頭よりスムーズに
会話ができていると思いませんか。

答えやすい質問は答えるだけでなく、
つい自分のことを話したくなるので、
相手を知りやすくなる傾向があるようです。

他にも患者さんとの会話で、
「天気が良いですね」は会話が広がりにくいです。

ざっくりとした質問は、
どこまで答えていいのか返答に困りやすく、
「そうですね。」で会話が終わる可能性が
高いでしょう。

そこで、次のように会話を変えてみたら
どうでしょうか。

院長
「〇〇さんは、肉料理と魚料理では
どちらが好きですか?」

患者さん
「どちらかといえば、肉料理ですね。」

院長
「お肉は美味しいですよね。
ハンバーグとステーキなら
どちらが好きですか?」

患者さん
「ステーキの方が好きですね。
好きなステーキ屋さんがあって、
月に2、3回は通うくらい好きです。」

このように、イメージがしやすい質問だと
患者さんも答えやすく話がしやすいと思います。

また、この何気ない会話が、
治療説明の時にも役に立つことがあります。

例えば、
インプラントや入れ歯などの説明をする時には
次のように伝えることができます。

「〇〇さんは、ステーキが好きですよね。
インプラントは、
自身の歯のように噛むことができるので、
ステーキをしっかりと噛めて、
食事が楽しめますよ。
入れ歯の場合は、噛む際に力が入りにくく、
ステーキを噛み切ることが難しい方も
いるようです。

ブリッジは、しっかりと噛むことができますが、
時間が経つにつれて、
歯茎と被せ物の間に隙間ができて
食べ物が詰まりやすくなるのが心配ですね。

つまり、〇〇さんの生活を考えると
インプラントがおすすめです!」

というように、
患者さんの生活に一歩踏み込んだ提案や
自費の治療に上手く誘導しやすくなるでしょう。

肯定暗示話法

人は、周りに流されやすい生き物です。

特に、日本人は
流されやすい性質が強いという特徴が
あるようなので
肯定暗示話法が効果的と言われています。

肯定暗示話法は、
曖昧でネガティブな発言は一切排除して
全てを「イエス」で言い切る会話術です。

つまり、語尾に「?」がつく表現をしないで
「!」で力強く断言していきます。

例えば、
スタッフと一緒にセミナーに参加したい場合、
次のように話しかけていませんか。

院長
「今度の日曜日に
面白そうなセミナーがあるんだけど
〇〇さんも行かない?」

ここで、肯定暗示話法を活用すると
次のようになります。

院長
「今度の日曜日に、
〇〇さんにぴったりのセミナーがあるから
一緒に行こうよ!
きっと良い刺激になるよ!」

後者の方が、楽しそうで
行ってみたいと思うように感じませんか?

人は、
ポジティブな言葉を向けられると、
つい無意識のうちに
ポジティブな返しをしてしまう性質があり、
後者のような伝え方だと
スタッフも快くセミナーに参加するかと思います。

他にも、
患者さんに清掃道具を勧める時には、

「歯間ブラシやフロスがオススメです。」

と伝えるより

「今日から歯間ブラシをやってみましょう!」

前向きに明るく伝えるだけで、
患者さんがやる気になりやすい効果があります。

まとめ

会話は相手のいろんな部分を
知ることが出来るきっかけになります。

ただ、闇雲に質問するのは、

「何が聞きたいのだろう…」

と、相手に不信感を持たれて、
距離が開いてしまう可能性があります。

そのため、
相手が答えやすいような質問をして、
気持ちの良いリアクションを
するように心がけましょう。

患者さんやスタッフと楽しい会話で
コミュニケーションをとって良好な関係性を
作っていきましょう!