歯科医院では、医療職であるものの、
接客業と同様の対応を求められます。

歯科医療の場合、治療後の痛みに関するトラブルが
起きることが多く、受付がクレーム対応を
しなければならないことも多くあります。

ですが、クレーム対応は事前に防ぐことが
できます。

今回はクレーム対応が起きる前に
未然に防げる受付の声かけとアクション
についてご紹介していきます。

クレームが出る原因は?

歯科医院でよく起こるクレームとその原因
についてご紹介していきます。

治療したのに痛みが治まらない

感染根管治療や、親知らずの腫脹治療後に、
治療したのに痛みが治まらない!
といったクレームを訴える患者さんがいます。

歯科医師であれば、炎症症状が強い場合は、
いったん消炎して治療を行うのが基本で、
すぐに症状が改善しないことはわかります。

ですが、患者さんからすれば、歯科医院に
行ったのになぜ痛みが改善されないのか?
行けば痛みはすぐに治まるのが当たり前
と考えている方もいます。

予約したのに待たされた

多くの歯科医院が予約制を導入していますが、
どうしても前後の予約や処置の都合で、
メインテナンス患者さんが予約時間ぴったりに
診療室に案内できないことはあります。

予約優先ではあるものの、
痛みを強く訴える患者さんや外傷の患者さんは、
症状的に予約患者さんよりも優先される
ことがあることを伝えておく必要があります。

スタッフの対応が悪い

先生の態度が冷たかった、説明がなかった、
受付の電話対応がよくなかったなど、
スタッフの態度にクレームをつける方は多いです。

対応に関してはもちろん改善していくべきでは
ありますが、歯科医師の場合は治療後に
「先生は治療がうまかった!」
といった印象で改善させることができます。

しかし、受付の場合は、受付でしか接しないため、
一旦抱いた印象はマイナスのまま
改善しないことが多いです。

受付スタッフだけではなくスタッフ全員に
いえることですが、始めと終わりの印象が
どうしても残ってしまうので、接遇に関して
歯科医師以上に気を付けなければいけません。

受付スタッフの声かけのポイント

クレームが他の業種よりも起こりやすい
歯科医院だからこそ、クレームを起こさないために
事前の声かけが重要です。

よくあるクレームを防ぐポイントは3つです。

痛みに対して

歯科医師が鎮痛剤を処方する以上、
痛みがでることが想定されます。

鎮痛薬を渡すだけでなく
「痛みがでたら我慢せずに服用してください」
と伝えることで、患者さんは治療後に痛みがでると
事前にわかり、痛みに関するクレームを
減らすことができます。

待ち時間が長い

予約したのに、予約をすぎてしまうと、
クレームにつながりがちです。

予約時間をオーバーしそうなほど混雑している
場合は、受付された時点で
「本日は大変混雑して待ち時間がでており、
ご迷惑おかけします。診療スタッフの方にも
なるべく早くするように伝えます。」
と最初から待ち時間があること、誠意の言葉を
伝え、なおかつ配慮の言葉をかけましょう。

また混雑していないのに、抜歯などの治療で
待ち時間がでてしまっている場合は、
急患の患者さんの治療がおしていることを伝え、
誠意の言葉を伝えましょう。

態度に関して

うつむき加減での声かけですと、
冷たい印象を持たれてしまいがちです。

診察券や保険証などを出してもらう際は、
「お預かりします、少々お待ちください」
と明るく声かけをしましょう。

受付スタッフのアクションの具体例

クレームが起きないために
受付スタッフができることがあります。

患者さんが来院されていたらすぐに声をかける

患者さんが来院されたら、すぐに「こんにちは」
とあいさつをしましょう。

あいさつを積極的にするだけで、
患者さんの印象が変わります。

受け身の姿勢は不信感にもつながるので、
必ず患者さんが来たらあいさつをしましょう。

診療スタッフへの声かけ

受付システムが整っている歯科医院も多いですが、
患者さんが来院されたら、
診療スタッフにも声かけをしましょう。

特に新規患者さんは、保険証の入力に時間が
かかるので、先に診療スタッフが問診と歯式を
記録するだけで待ち時間を減らすことができます。

患者さんも早く診察してもらえます。

会計後も配慮する

会計をしたら、終わりではありません。

薬が処方されているのであれば、痛みが出たら薬を
服用してもらうこと、抗菌薬であれば服用回数を
しっかりと守ることを説明しましょう。

また、最後に
「何かあればすぐにお電話くださいね」
と伝えるだけでも、患者さんの不安からくる
クレームを減らすことができます。

最後まで患者さんへの配慮を
忘れないようにしましょう。


どうしても防げないクレームはあります。

ですが、未然に防げるクレームもあります。

受付の声かけ、アクションで
歯科医院の雰囲気も変わります。

ぜひ明日から積極的に取り組んで、
患者さんも、そして、受付スタッフも
快く歯科医院で過ごせるようにしましょう。