スタッフ定着のための院長の行動

新卒採用をしても、
1年もしないで辞めてしまう、
結婚や出産を機に辞めてしまって困っている
といった悩みをもつ先生は多いです。

スタッフが一斉に退職してしまった
といった歯科医院も決して珍しくはありません。

そこで今回は、
スタッフが定着するために
院長先生は何をすべきなのか、
またやってはいけないNG行動について
ご紹介します。

院長がやってしまいがちな3つのNG行動

わかっているつもりでも、つい、
やってしまいがちなNG行動があります。

特にやってはいけないNG行動を3つ紹介します。

気分に左右される

院長先生の気分によって
スタッフを注意したり、
しなかったりすることは、
実はとても多いです。

歯科医自身も、研修時代に、
指導医の機嫌が悪いときに
レポートを持っていって怒られた、
といった経験は
誰もが経験しているのではないでしょうか?

気分によって左右されるのが当たり前
といった環境で働いてきてしまっているため、
スタッフに対しても同じように
接してしまいがちです。

しかし、
パワーハラスメント防止法が義務化されるため、
このような気分によって
スタッフを注意することは、
パワーハラスメントになる可能性もあります。

気分ではなく、正しい基準で指導しましょう。

患者さんの前で怒る

スタッフが患者さんに
危害を及ぼしかねない行為をした場合は、
適切な指導が必要です。

しかし、
患者さんの目の前で
怒鳴り散らすことは決してしてはいけません。

患者さんも不安になりますが、
人前で怒られることは、精神的な苦痛を伴います。

注意はもちろん必要であり、
緊急の際は患者さんの前で、
怒ってしまうことも、
場合によってはあるかもしれませんが、
基本的には、バックヤードなどで指導しましょう。

医療の場合は、
ヒアリハット事例の報告も必要となりますので、
そういったケースではきちんと報告書を書かせる
といった対応をとり、
患者さんの前で辱めるようなことはやめましょう。

スタッフ本人をけなす

スタッフの問題行動ではなく、
スタッフの人格を否定するような怒り方は
絶対にNGです。

そんな注意の仕方をしていないつもりでも、
感情的になると、
学歴や家族のことについても、
否定してしまうことがあります。

スタッフをけなせば、
職場としては非常に働きにくくなります。

あくまでも注意するのは、
仕事における問題行動であり、
人格を否定してはいけません。

注意するときに問題行動だけを注意しているか、
振り返ってみましょう。

スタッフ定着のための行動

では院長先生のNG行動を知った上で
スタッフ定着のために、
院長先生は何をすべきなのか、
主に以下の3つの行動をしましょう。

基準に沿った正しい行動を評価する

当たり前のことですが、
遅刻せずに1ヶ月きちんと皆勤したときや、
患者さんへの丁寧な説明をしたときなど、
歯科医院にとってプラスとなる行動をとったときは
その都度、院長先生が評価してください。

特に入社したばかりのころは、
業務に関して覚えることも多く、
評価されることもほとんどありません。

だからこそ、小さなことでも、
できたことを評価することで、
スタッフが仕事にやりがいを感じ、
プラスの行動を起こしやすくなります。

注意するときは根拠を伝える

スタッフに注意するときは、
なぜ注意されるのか、
根拠も一緒に伝えましょう。

患者さんへの声掛けであれば、
患者さんに不安を与えてしまうような声掛けは、
治療に対する不信感を与えてしまう、
といった理由を説明しましょう。

根拠があるからこそ、注意し、
問題行動を改善することで、
よりよい診療ができることを伝えましょう。

そして、スタッフがより定着するためにも、
以前できていなかったことができたのであれば、
できたときにはきちんと評価しましょう。

合間に声かけをする

診療で忙しい院長先生ではあると思いますが、
新人スタッフはもちろん、
他のスタッフにも声掛けをするようにしましょう。

新人スタッフであれば、
毎日、スケーリングの練習を頑張っていたり、
仕事の課題を頑張っているのであれば
「頑張ってるね」
と声掛けをするだけでも
スタッフのモチベーションは変わります。

もちろん、新人スタッフでなくても、
院長からの直接の声掛けは
モチベーションに大きな影響を与えます。

ですから、
院長先生はスタッフが笑顔で
患者さんに対応しているのに気づいたのであれば、
ちょっとしたときに、
褒める声掛けをしてください。

スタッフがなかなか定着しない歯科医院ほど、
定着するために必要な行動が
できていない可能性があります。

正しい行動を評価し、
声掛けをすることは明日からもできます。

ぜひ明日からでもやってみてください。