歯科医師の世代は20代から70代くらいまで、
幅広い年齢層の先生が診療を行っています。

そんな中で、昨今のデジタル化の波は
かつてないほどに大きな影響を与えています。

歯科医院の年間倒産件数は、
2024年に過去最多となりました。

もちろん、高齢歯科医師の増加や材料費や人件費の
高騰などさまざまな原因があげられますが、
マイナ保険証導入といったデジタル化の影響も
見逃せません。

そこで今回は、歯科医院のデジタル化は本当に
メリットがあるのかどうか、新たなチャンスとして
とらえてもらえるような解説をしていきます。

デジタル化とは?

「デジタル化」と聞いても、歯科医院において
実際どんな取り組みがあるのか、
イメージしにくい方も多いかと思います。

そこで、具体的な事例をいくつかご紹介します。

CAD/CAMシステムの活用

導入を検討している先生も多いかと思いますが、
CAD /CAMは口腔内スキャナーで取得した
データを用いて、補綴物を設計・製作しますので
代表的なデジタル化の取り組みとなります。

デジタルレントゲンの導入

新規開業する場合はデジタルレントゲンが
一般的になる一方で、従来のアナログレントゲンを
使っている歯科医院もあります。

デジタル化することで、長期的に画像保存ができ、
患者さんの経過が可視化できます。

電子カルテシステムの導入

オンライン請求の普及に伴い、多くの歯科医院で
電子カルテシステムを導入していますが、
依然として紙カルテを使用している
歯科医院もあります。

オンライン予約システムの実装

オンライン予約システムについては、まだ
導入していない歯科医院も多く見受けられます。

患者さんがインターネット上で予約や変更を
行えるようにすることで、受付業務の負担軽減と
患者さんの利便性向上につながります。

デジタル化のメリット

歯科医院がデジタル化を進めることで、
例えば以下のようなメリットがあります。

患者さんサイドのメリット

患者さんにとっては、受付から会計までの
手続きがスムーズになり、待ち時間の短縮につながります。

また電話をしなくてもインターネットから
簡単に予約できる点も大きなメリットです。

歯科医院側のメリット

歯科医院側のメリットは、患者さんへの説明が
簡単になり、受付業務が減り、歯科医師の
診療請求の事務手続きなどの効率化できます。

さらにデータ分析が可能となるので事業戦略が
立てやすくなります。

実施可能なデジタル化対策

全部をいきなり導入するのが難しいという
歯科医院もあると思います。

そこで優先的に導入すべきデジタルコンテンツを
ご紹介します。

インターネット予約

「インプラント手術や治療時間がかかる治療の
インターネット予約が難しいのではないか?」
といった不安がある歯科医師の先生も多いかと
思いますが、手術予約はいきなり決まるわけでは
ないので、治療時間がかかるケースは必ず受付で
予約をとるようにしましょう。

カリエス治療や定期検診のみインターネット予約を
受付するなど工夫することで、
効率化を図ることができます。

デジタルレントゲン

導入費用はかかりますが、デジタル化の助成金や
補助金を利用することで、
購入ハードルが下がります。

また現像液や現像にかかる時間なども
削減することが可能です。

導入における注意点

デジタル化の大きな課題は、
スタッフの参入ハードルです。

新しい技術に抵抗を感じる人もいますが、
院長先生が主導して研修や補習を行い、
業務定着の必要性をしっかり説明しましょう。

多くは半年ほどで慣れていきますが、
それでも不満がある場合は、能力給への影響も
事前に伝えておくと定着がスムーズです。

まとめ

このように、デジタル化は歯科医院に多くの
メリットをもたらしますが、導入コストが
高額な場合もあります。

一度にすべてを切り替えるのは現実的ではない
ため、5年程度の事業計画を立て、
段階的に導入していくのがおすすめです。

特に、受付業務を効率化できる予約システムは、
導入費用も比較的低くスタッフも慣れやすいため、
まずはここから始めると良いでしょう。

デジタル化を進めることで、スタッフだけでなく
院長先生ご自身の業務効率も向上します。

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