歯科医院ではコミュニケーションが大切です。

コミュニケーションをとっていくことで
信頼関係を築くことができ、何気ない会話から
患者さんの病歴を知るきっかけになったり、
患者さん自身の状況を確認することもできます。

コミュニケーションをとるには、
声かけをしてきっかけを作ることも大切です。

では実際にどのように声かけをしていったら
良いのでしょうか?

【患者さんの様子は待合いから】

最初に患者さんをお呼びする、
待合いからユニットまでの間

あまり気にかける時間で無いように思いますが…。

普段と違う場合は、いくつかチェックすることで
声かけするきっかけが隠れていることがあります。

お名前を呼んだ時の返事の声のトーンや
立ち上がり方、そして歩く姿など。

いずれも何気ない動作ですが、いつもと違うと、
体調が良くなかったり、忙しくしていて
口腔内のお手入れが行き届いていなかったり、
様々な原因にも繋がる場合もあります。

そんな時には、ユニットに座っていただいてから、
『最近体調はいかがですか?』
『最近お忙しいですか?』
などの声かけをすることによって
状況を確認していきます。

特に治療から予防に力を入れて
定期メインテナンスを中心にしていく場合には
聞く力も大切ですが、見る力も大切です。

生活環境の変化や年齢を重ねていくことでの
健康環境の変化は口腔内に影響を与えることも
あるからです。

【会話のキッカケ3つの基本形】

待合いからの様子も特に変化が無い場合には
会話のスタートのきっかけが必要になってきます。

①調子はいかがですか?

と、まずはお口がどの様な状態になっているか
確認していきます。

状況を把握した後は治療の内容に入っていく
こともありますが、準備が必要な場合や、
会話のきっかけを作りたい場合には、

②天候で会話のきっかけ

を作っていきます。

暑い場合や寒い場合で
『最近暑いですが、体調いかがですか?』
とお話していくことで患者さんの日常を
お話でしてもらえる場合もあります。

③前回話した会話の続き

前回話したお子さんの話やイベントの話、
ブラッシング指導をした内容を実践して
いただいたかなどをお聞きすることで
会話をスタートさせていきます。

【臨機応変な声かけ3つの注意点】

『少々お待ちください』になっていませんか?

『患者さんに声かけをしましょう』と
ミーティングで話したものの、実践しようとすると、
どの様に声かけをしたら良いか分からなく、
すべて「少々お待ちください」になりがちです。

これに理由を付け加えることで
患者さんもなぜ待っているかを把握して
待ち時間に対するストレスが軽減する
言われています。

例えば。
ユニットに患者さんをお通ししてエプロンをして
『少々お待ちください』と
器具を準備しますので少々お待ちください』

先生が来るまでお待ちいただく際にも
『少々お待ちください』では無く
今先生が来ますので少々お待ちください』

と普段から理由をお話してから声かけをすることで
声かけのバリエーションも増えてきます。

声かけのバリエーションを増やすには
診療中の全体的な流れや、今どの様な状況なのかを
しっかりと把握しておくことが大切です。

把握することによって理由も付け加えた声かけを
することができます。

患者さんは、当たり前で些細なことであっても
理由を説明されると納得度が上がります。

これは心理学的に証明されています。

前向きな声かけになっていますか?

声かけでも与える印象が変わってくると
言われています。

『痛いですか?』と聞く
今痛い状態なのか?と思ってしまい
痛みがある様な気になってしまいます。

『大丈夫ですか?』と聞くことによって、
痛みがある場合には痛いと言ってもらえますし、
痛いことをされている状態なのか?と考えないので
マイナスな印象になることを避けることができます。

ちょっと声かけを工夫することで
患者さんに与える印象も変わってきます。

柔らかい印象のクッション言葉

言葉の前置きにつけることで
柔らかい印象になると言われている
クッション言葉を使っていますか?

コミュニケーションをする上で直接的な言葉も
丁寧な印象になると言われています。

『書いてください』と伝えることは簡単ですが
恐れ入りますが、ご記入いただけますか?』
と言われた方が、指示されたという印象より、
頼まれたという柔らかい印象になります。

ひざ掛けをかける際にも、患者さんによっては
必要無いと思う人もいるので、

『ひざ掛けをかけますね』より
よろしければひざ掛けをおかけしましょうか?』

と変えていくことで、丁寧で、
患者さんに選択をしてもらう様に
お話することもできます。

丁寧な印象になる言葉は
お手数をおかけしますが…か?』
申し訳ございませんが…か?』

などもあるので、状況によって変えていくことで
患者さんに与える印象も変わってきます。

【まとめ】

メインテナンスが中心になっていけばいくほど、
患者さんとのコミュニケーションは大切です。

そのきっかけになる声かけは、
日頃から実践していくことで
自然と出てくる様になってきます。

患者さんが気持ちよく来院することができる様に
声かけを改めて考えてみませんか?