どんなに気をつけていても
患者さんからクレームを言われることが
あるかと思います。

患者さんは、院長やスタッフの対応によって
通院が途絶える可能性があります。

とはいえ、クレームにどんな対応をすれば
患者さんが納得してくれるのか
又は、穏便にことを運べるのか
悩んでしまう時もあると思います。

そこで今回は、
クレーム対応を上手にかわす
4つの戦術について解説していきます。

クレーム対応のマニュアルは必要

患者さんからの批判や
怒りをぶつけられるのは、
ストレスになってしまいますよね。

最初は、穏やかに聞いていても、
感情が抑えられず強めに言い返してしまうと、
相手はさらに怒りが増してしまうでしょう。

また患者さんの怒りを、その場で解決しないと
周りに歯科医院の評判を
悪く言ってしまう可能性があります。

クレーム対応の仕方によっては、
患者集客を減らしてしまう原因になる
可能性があるのです。

そのため、クレームがあった時に
その都度対応を考えるやり方では、
場面にそぐわない対応をする可能性が
高くなります。

また患者さんやスタッフのストレスが
溜まってしまうことになるでしょう。

事前に、
クレームに対してのマニュアルを
作製しておくことで、
トラブルが起きても冷静な状態で
対応がしやすくなります。

クレームをかわす「4つの戦術」

クレーム対応は、
ゆっくり穏やかに話すことが基本のようです。

人は、無意識の内に
相手のペースにのまれてしまうので、
落ち着いた態度を貫けば、
患者さんの気持ちも落ち着きやすくなります。

さて、クレームをかわすには
次の4つの戦術が有効だといわれています。

①反射の戦術
②分散の戦術
③質問の戦術
④延期の戦術

それぞれについて詳しく解説していきます。

① 反射の戦術

反射の戦術は、
相手の言葉を要約して返すことです。

例えば、患者さんが予約時間になっても
診てもらえないことに怒っている場合には、

「○○さんは、予約していた△時に、
すぐ診てもらえなかったことに
怒っていらっしゃるのですね。」

といったように、
相手の話を受け入れているメッセージを送って
相手の怒りがこれ以上増幅しないように
したほうが良いでしょう。

逆に曖昧な返事をすると、
話しを聞いていないと思われてしまい、
怒りがヒートアップしてしまう可能性があるため、

「相手が何に対して怒っているのか?」

的確に把握するのが大切です。

②分散の戦術

分散の戦術は、
相手の主張を部分的に認めることです。

「治療開始時間が過ぎてしまったのは、
申し訳ありません。ですが、」

と一部分だけを認めると、
相手の怒りも少しはゆるみます。

相手の怒りの内容や要望がよくわからないまま、
全面的に認めて謝るのは、
得策ではない場合があります。

相手によっては、クレームを言えば
確実に対応してくれると思い、
要求が過剰になることもあるからです。

こちら側の非は、しっかりと認めながら
主張できるところがあれば
主張したほうがいいかもしれませんね。

③質問の戦術

クレームには質問をして、
話しを掘り下げてみましょう。

例えば、
患者さんが何度も壊れる入れ歯について
クレームを言ってきた場合には、

「入れ歯が壊れた原因について、
詳しく調べたいので、
詳細な情報を教えていただけませんか?」

と質問することで、
問題の解決の糸口が見つかる可
能性があります。

  • 硬い物を食べてしまった。
  • 力が入るような動作をしてしまった

など、入れ歯が壊れた原因を
相手に確認することで、
怒りを鎮めることが出来るかもしれません。

④延期の戦術

相手の勢いにのまれそうな時は、
即断を避けて考える時間を
もらってもいいでしょう。

「お話しはわかりました。医院で少し
検討させていただけないでしょうか?」

と伝えて、
相手の主張や要求を
冷静に考えることが大切です。

まとめ

クレーム対応に正解はないでしょう。

ただ、怒りに対して怒りをぶつけても
何も解決せずに、関係だけが悪くなって
終わってしまいますよね。

今回紹介した4つの戦術は、
患者さんの怒りをコントロールして、
なるべく冷静に話し合う余裕を
作ってくれます。

また、クレームだけに目を向けるのではなく
患者さんと向き合うことも
忘れないようにできたらいいですね。