パワハラ、セクハラ、モラハラなど、
ハラスメントに対して配慮が必要な時代です。

スタッフとの何気ない会話や指示の出し方にも、
十分気を使って話さなければなりません。

日常に潜む、様々なハラスメントや
気を付けるポイントについて解説します。

ハラスメントにならない上手なコミュニケーション

昭和や平成の時代には特別問題にならなかった
声掛けでも、近年ではハラスメントとして
捉えられてしまうことも多々あります。

特に、年代の違うスタッフとの会話では
より一層注意した言葉選びが求められるでしょう。

とはいえ、気を使いすぎて良好な関係作りが
できないのも大きな問題。

気を使いながらも、程よい距離感で上手に
コミュニケーションを取っていきたいものです。

「ハラスメント」という言葉は、
“相手の嫌がることをして不快感を与える行為・言動”
と定義されています。

意識的ないじめ・いやがらせはもちろん、
良かれと思った発言や無意識のうちに言ったこと
なども、相手が不快に感じればハラスメント
となってしまうのです。

厚生労働省では、“職場におけるハラスメント防止の
ために事業主が雇用管理上講ずべき措置等”として、
ハラスメント対策パンフレットを公表しています。

院内の研修で取り入れるなどして、全員で意識的に
取り組んでいくことが求められるでしょう。

日常会話で気を付けたいハラスメント

日常会話の中で気を付けたい3つのハラスメント
について解説します。

セクシャルハラスメント:
性的に不快だと感じる言動や嫌がらせ

マタニティーハラスメント:妊娠、出産、育児に
関することで不快な思いをさせられること

マリッジハラスメント:
結婚にまつわる詮索や嫌がらせ

普段からスタッフ同士でプライベートな会話をする
アットホームな職場で起こりやすいものです。

「(妊娠したスタッフに対して)若いって良いわね~」
「(異性に対して)今日の服も似合っているね」
「(未婚のスタッフに対して)可愛いからすぐに
     結婚できそうだよね。」
など、相手をけなすつもりは更々なく、むしろ褒めた
つもりで言った発言でも、受け取り手の捉え方に
よってはハラスメントに抵触する可能性があります。

職場で見ている姿がスタッフの全てではありません。

悩みや病気など、公にしていない事情を
抱えていることもあるでしょう。

必要以上に踏み込んだ発言は、控えるよう
心掛けてください。

業務指示で気を付けたいハラスメント

業務指示で気を付けたい2つのハラスメント
について解説します。

モラルハラスメント:
倫理や道徳的に反する嫌がらせや言動

パワーハラスメント:優越的な関係に基づいて
行われる身体的・精神的な嫌がらせ行為

モラハラ・パワハラと略されるこれらのハラスメント
の違いは、被害者と加害者の関係性にあります。

モラハラは、無視や人格を否定するような発言で
相手を精神的に追い詰める行為で肉体的な暴力行為
などは含みません。

同僚など上下関係のない間柄でも起こり得る
トラブルです。

一方のパワハラは、雇用主とスタッフ、
先輩スタッフと後輩スタッフなど、立場が上で
あることを利用して行われるハラスメントです。

精神的な攻撃に加え、残業の強要・休みを
取らせない・暴力行為など、肉体的な攻撃も
パワハラに含まれます。

業務指示や指導との線引きが難しく、必要な指導だと
思って指摘したはずが、口調や言葉選びがキツい
という理由で、ハラスメントだと捉えられてしまう
ケースも少なくありません。

感情的にならず、具体的な行動や改善方法を
簡潔に伝えることを心がけましょう。

普通に話しているつもりでも、「冷たい…」
「怖い…」と思われやすい人もいるでしょう。

そのような場合には、人当たりの良いスタッフに
代わりに伝えてもらう、文章にして渡すなど
アプローチの仕方を工夫してみるのもおすすめです。

まとめ

“○○ハラスメント”という言葉が浸透していない
頃から働いていた世代からすると、「何をいっても
ハラスメントと言われてしまうじゃないか」と
初めは戸惑う人も多いでしょう。

ハラスメント対策の基本は、相手を思いやる
気持ちです。

スタッフ全員が気分よく勤務できるよう、
今一度考えてみてはいかがでしょうか。