多くの歯科医院は院長先生が診療も行い、
経営もされています。
ですが、診療も経営も両方行っていくことは日々の
診療をこなす院長先生にとって負担が大きいです。
ましてや分院展開など、もっと歯科医院運営を
拡大していくのであれば、院長先生の力だけでは
限界があります。
そこで、必要となってくるのが事務長です。
今回は院長先生の強いサポートとなる事務長を
採用すべきか、事務長採用のメリットや
注意点について解説していきます。
事務長がいることで得られるメリット
事務長を採用することで、
以下の3つのメリットが得られます。
院長先生が診療に専念できる
事務長を採用することで、院長先生は、経営管理、
事務作業など任せ、本来の仕事である診療に
集中できるようになります。
診療に専念できることで院長先生の身体的、精神的な
負担を軽減できるので、診療の質も向上します。
結果、患者さんの治療満足度にもつながります。
歯科医院のチーム力の向上
事務長は歯科医院という組織、チームの力を
向上させます。
歯科医院では主に診療スタッフ、受付スタッフと
分かれて仕事を行いますが、どうしても診療スタッフ
と受付スタッフで確執が生まれてしまいがちです。
うまく連携を取れれば、業務が効率化し、
一人でも多くの患者さんを診察することができます。
院長先生は主に診療サイドにいるため、
どうしても受付側との連携を図ろうとしても、
うまくいかないことがあります。
しかし、事務長であれば診療サイド、受付サイド、
両方の視点からどうすればより連携が
とりやくなるか、取り計らうことができます。
経営面でのサポート
事務長は歯科医院のスタッフ評価、コスト管理などを
院長先生が診療している間に行ってくれます。
特に院長先生自身は診療が忙しいと、効率的に
働いているスタッフとそうでないスタッフの
評価ができません。
ですが、事務長がいることで適切な人事評価を
行うことができ、歯科医院経営にマイナスになる
スタッフには適切な評価を、歯科医院の売上にとって
プラスに働くスタッフには評価に応じた賃金を
支払うことができます。
加えて、物品などの毎月一定数かかるコストを
管理することで、固定費削減に貢献してくれます。
事務長を雇う上で絶対に守るべきこと
事務長を採用するメリットを解説しましたが、
事務長を雇う上で以下のような注意点があります。
立場は院長先生が上
事務長はあくまでもスタッフです。
人事の最終決定、経営方針の最終決定は
院長先生が行います。
まれに中には人事評価の権限を得ることにより、
院長先生よりも力を持っていると勘違いしてしまう
方がいます。
確かに院長先生の右腕であることには間違いない
ですが、あくまでも事務長もスタッフの1人です。
決して院長先生より立場は上になることは
ありません。
事務長がそういった勘違いをしないためにも、
日々コミュニケーションをとって、
立場を理解してもらうことが重要です。
教育コストがかかる
事務長はいきなり院長先生の右腕になるわけでは
ありません。
一定の教育期間と経験が必要です。
すでに事務長を採用しているところでは、引き継ぎが
できますが、事務長を新規採用する場合は、
院長自ら教育に携わってもらう必要があります。
最初の一定期間は、院長先生の時間的コストがかかる
ことが事務長を雇う上でのデメリットになります。
事務長を採用する基準は?
事務長を雇うメリットはありますが、
デメリットもあります。
メリットデメリットをふまえた上で事務長を
採用するか、以下の基準で考えてみましょう。
・スタッフが10名以上で毎月の給与計算などの
事務に時間がかかる
・休診日も事務作業をしてセミナーへの参加できない
・スタッフのチーム力を一人では向上できない、
まとめられない
こういったことに悩んでいるのであれば、
事務長を採用することで、院長先生の負担を減らし、
事務長に給与を支払う価値があります。
とはいえ正社員を1人採用するのは、
人材コストがかかってしまいます。
そのため最初は歯科助手兼、受付も行ってもらい、
歯科医院全体の業務や全体像を把握してから、
人事評価やコスト管理に携わってもらい、
最終的に事務長として昇格させる形がおすすめです。
院長先生は診療に日々忙しいからこそ、
事務長を雇うことでより歯科医師にしかできない
診療に専念できます。
人材コストや教育コストはかかりますが、
経営拡大には事務長はかかせません。
事務長が必要かどうか悩んでいるのであれば、
ぜひ基準を参考にしてみてください。