歯科医師になってから、毎月必ずセミナーに
参加して、技術力を磨いてきた。

大学院も卒業し、認定医として知識も蓄えきた。

そんな先生もおられると思います。

ですが、残念ながら患者さんは、
技術力だけで歯科医院を選ぶわけではありません。

今回は患者さんがどういう観点から
歯科医院を選ぶのか、知っておくべきポイント
について解説していきます。

歯科医院選びで重要視することを把握する

技術力は歯科医師であれば、
それぞれに研鑽を積んでおられると思います。

ですが、先生方が患者さんの立場になり、
歯科医院を選ぶ基準については、
なかなか知る機会はありません。

それは、
・先生自体が患者さんになった経験が少ない
・歯科医師としてすでに知識があるため、
患者さんとの共通認識が異なる
・他の歯科医院を知らない
といったことが理由にあげられます。

院長先生自身が患者さんとしての経験が少ないので、
どのような不満を持ち、不安を感じるのかを
体験として捉えていない場合があります。

ですので、何を改善すればいいのか、
改善点を考えるきっかけ自体が少ない状況です。

さらに、「自分ならこの治療を受ける」と
当たり前に考えていても、患者さんはその治療の
利点を知りません。

また他の歯科医師の診療を目にする機会は研修以降、
減ってしまうため、他の歯科医院がどのような診療を
しているのかわからない、というのもあります。

こういったことから、そもそも患者さんはどうして
自分の歯科医院に来てくれているのかも
よくわからない院長先生もいます。

だからこそ、患者さんがどういう理由で歯科医院を
選ぶのか知っておくことは大事なことです。

患者さんが重視する3つのポイント

では患者さんは歯科医院選びでどういったことを
重要視しているのでしょうか?

3つに絞って一つずつ解説していきましょう。

専門性と経験

開業セミナーでは、技術力だけでは開業は難しい、
ということを耳にすることもありますが、それでも
やはり患者さんは専門性や経験を重視します。

・インプラント
・矯正
・専門医の有無
といったより専門性のある治療や、専門医などの
経歴から歯科医院を選ぶ患者さんも大勢います。

いかに自分の得意分野をアピールするかが、
選ばれるポイントの1つになります。

アクセスの利便性

これは開業時の立地を考えるときに
重要となってきます。

やはり駅中であれば、アクセスがいいため、
集患の意味で大きく貢献します。

アクセスが悪いと、どれだけ技術力が高い
歯科医院でも通院が難しくなります。

患者さんが通院しやすい環境は、
歯科医院を選ぶポイントになります。 

すでに開業している先生も、都市開発によって
患者さんが増えたという方も入れば、
少子高齢化で小児患者が減ったという
経験がある先生もいるはずです。

もし、アクセスが悪く患者数が減ってきて
いるのなら、対策を講じることが必要です。

経営コンサルタントなどの専門家の意見を
聞くことも良いかもしれません。

コミュニケーションと患者さんへの配慮

患者さんは、歯科医師とのコミュニケーションを
重要視しています。

患者さんは、歯の痛みや不具合という大きな
不安を抱えている中で、
・医学的にベストな治療は何か
・経済的な配慮をしてくれるか
・痛みに対して不安を考慮してくれるか
といったことに対してしっかりと説明してくれる
歯科医師を選びます。

さらに自分の話を聴いてくれるか?
も非常に大切です。

専門性、アクセス以上に、コミュニケーションを
患者さんは重要視します。

患者さんの個別の要望や不安に対しても
真摯に向き合い、配慮することが求められます。

患者さんにとって、歯の治療はわからないこと
ばかりで、不安が募ります。

だからこそ、患者さんの不安に寄り添い、そのために
高い技術を提供してくれる歯科医院を選びます。

もちろん、通院のしやすさも重要ですが、それ
以上に、自分に配慮してくれる歯科医院を選びます。

立地は変えられなくても、技術力とカウンセリング
力はいつからでも高めることができます。

ぜひ自院やご自身の強みを知り、患者さんへの
配慮も考え、選ばれるポイントを意識しましょう。