「スタッフに何か頼み事をしたくても、
やんわり断られてしまう…」。
スタッフに頼んだ時に断られてしまったり、
嫌な顔をされるのは、
頼み方に原因がある可能性が高いです。

なぜなら、頼み方が悪いと
相手の心理状態が、
心理的リアクタンスになる可能性が高いからです。

心理的リアクタンスとは、
自分の自由が制限されると
言われたこととは、
反対の行動をとって自由の回復をしようとする
プロセスのことです。

心理的リアクタンスの状態では、
何を言っても聞き入れてもらえないことが
多いようです。

さらに、頼みごとをするたびに
スタッフが心理的リアクタンスの状態になると、
コミュニケーションも上手くとれないので
関係性が悪くなる一方です。

そこで今回は、
スタッフに断られない頼み方ついて
紹介していきます。

また、心理的リアクタンスを
詳しく知ることで

  • どのくらいのお願いなら
    相手が聞き入れてくれるのか
  • 相手にとってどの環境が不自由と感じるのか

といった相手の心理を知り、
信頼関係が円滑に
進められるようになります。

スタッフとの信頼関係を深めるためにも
是非、一読して頂けると幸いです。

心理的リアクタンスにさせる「頼み方」

相手を心理的リアクタンスに
させてしまう原因は「頼み方」です。

次のような頼み方をしている方は
いませんか?

  • 指示後が多すぎて、
    どの要件を示しているのかわからない
  • どのような状態にすれば良い結果がでるのか
    わからないし、さらに方法もわからない
  • 目の前にないものに関して
    話しをしているため確認が取れない
  • 条件を後からつけてどんどん、
    縛っていくため仕事が進まない
  • 頼み方が他人向けじゃない
    (雑な頼み方をしている)

例えば、スタッフに仕事を頼む時に

「○○さん、新人スタッフの教育の資料を
一週間で完成させといて~」

といった頼み方では、
院長に頼まれたからといっても
断ろうとする心理状態に
なってしまう事があります。

また、仕事を任せた後になって、
自分が思いついたことを
取り入れるように指示するのも
作業を進めている側からすると、
コロコロと指示が変わって
仕事がやりづらいと感じて

「次に頼まれた時は受けないで断ろう」

と、考える可能性が高いです。

心理的リアクタンスを起こさない頼み方

相手にお願いしたいことを
聞き入れてもらうには、
頼む時に次の3つのこと
意識してみると良いと思います。

  • 結果を要求する
  • 方法を与える
  • 時間を設定する

それぞれについて
詳しく見ていきましょう。

結果を要求する

まずは、頼んだ仕事をすることで、
どのような結果になるのか
伝えましょう。

例えば、

「○○さんが資料を作ってくれると、
とても助かる」

「資料があれば、
新人スタッフの教育がしやすくなるから、
スタッフの負担も減るね」

というように、
結果として起きる事実が判明することで、
相手が引き受ける確率が上がると思いませんか?

さらに

「頼みごとが自分にはできない」

ということをハッキリと伝えることで、

「自分にしかできないこと」

と、相手が自覚して断る理由が無くなってきます。

特に人は、
自分の必要性を感じると
断りにくい性質があるので、
「助かる!」「君に任せたい!」と
ハッキリと伝えると良いでしょう。

方法を与える

頼まれた仕事に対して、
どんな方法で解決すれば良いのかわからない
といった経験はありませんか?

それは頼んだ側が結果だけを言って、
後は全て任せていることが原因です。

また、勤務年数が浅いスタッフは、
経験も少なく間違った方法を行い、
時間がかかる可能性があります。

そうなると、
本人のやる気がなくなってしまったり、
次の頼みごとが
聞き入れてもらえなかったりします。

頼んだ仕事をスムーズに進めるためにも、
一例として解決方法を1つ紹介しましょう。

その方が、
頼まれた仕事を把握しやすくなったり、
完成までのイメージが
つきやすくなったりしやすいです。

時間を設定する

この場合の時間設定とは、
いつまでにやれば良いという
期限のことではありません。

およそどのくらいの時間を使えば
作業が終わるかという
見通しを設定することです。

10分程度で終わる
パソコンに入力するだけの簡単な作業は、
大抵の人は引き受けてくれると思います。

しかし、何日もかかるような作業だと
引き受けてもらえない可能性が高いです。

そこで、時間のかかる作業の場合には、
1つ1つのステップにわけて
細かく提示していくのがオススメです。

例えば、

①「お願いする資料は
      1時間くらいでできる内容だよ。」

②「お願いする資料は一日10分の作業を
      6日すればできる内容だよ」

①と②の伝え方では後者の伝え方の方が、
簡単そうに聞こえませんか?

同じ1時間でも10分単位で考えると、
「いけそうだな!」と感じて
引き受けてもらえる可能性が上がります。

まとめ

相手が心理的リアクタンスになると、
物事がスムーズに進まなくなるだけではなく、
信頼関係の構築も難しくなります。

そのため、
相手が心理的リアクタンスにならないように、
慎重に頼みごとをすることが大切です。

また、
頼まれた仕事を受ける流れは、
信頼関係を築くためにも
欠かせないプロセスで、
より良い信頼関係を
築くきっかけにもなります。

スタッフに頼み事をする時には、
今回紹介した3つのことを
意識して伝えてみましょう。