歯科医院は、歯科医師を中心に
歯科衛生士、歯科助手、受付といった
スタッフ構成になっているところが
多いかと思います。

また、歯科医院によっては
クリーンスタッフといった人材も
雇用されているところがあるようです。

歯科衛生士求人は地域に関係なく、
高い倍率を維持し続けており、
雇用がなかなか難しい状況が続いているようです。

歯科衛生士の雇用が難しいからこそ、
歯科医院の診療が円滑に行われるためには
歯科助手の存在は欠かせません。

しかし、歯科助手といっても
受付専任から歯科医師のアシスタント専任、
受付アシスタント兼任まで働き方は様々です。

そんな多様な働き方が求められる歯科助手ですが、
受付専任として雇用するのは非常にもったいない
という意見を耳にすることがあります。

そこで今回は
円滑な診療業務を行うための
歯科助手のあり方についてご紹介していきます。

受付専任は少なくしたほうが良い理由

受付しかしない受付専任で募集する
歯科医院もありますが、
受付だけでなく、
アシスタント業務まで行う歯科助手として
雇用したほうがよいでしょう。

ではどうして受付専任で雇用するのを
少なくするべきなのでしょうか?
それは人材確保の問題と大きく関わってきます。

歯科衛生士を新卒でせっかく採用できても、
残念ながら、2〜3年のうちに退職してしまうことが
多いのが現状です。

中には、3ヶ月も働かないうちに
辞めてしまうという事例もあるみたいですが、
歯科衛生士の離職率は高く、
半数以上が3年以内に退職することが
統計的にわかっています。

また、20代前半で採用するため、
女性のライフステージとして、
結婚、出産のタイミングと重なってしまうのも
離職率が高い原因の1つと言われています。

退職しなかったとしても、
子育ての関係で時短勤務になってしまう
可能性が高いです。

そうなったときに人材は必ず不足します。
そこで重要な鍵を握るのが歯科助手です。

受付業務はもちろん、
アシスタント業務もしっかりと
行えるようにしておくことで、
歯科衛生士が不足しても、
歯科医師の治療のアシスタントを
歯科助手に任せることが出来ます。

また、残りの歯科衛生士にメンテナンス業務を
任せられる環境にすることで、
診察できる患者さんの数が増えてきます。

しかし、もし受付だけしかできない場合、
業務内容が全く異なるため、
いきなりアシスタント業務を任せることは
難しく思われるでしょう。

受付専任は人材不足になったときへの
対応力が大幅に下がります。

だからこそ、歯科助手を採用するのであれば、
受付専任ではなく、アシスタント業務もできる
兼任スタッフを募集すべきなのです。

歯科助手業務に集中させるべき理由

兼任させる歯科助手を採用し、
仕事についてもらう際に悩むのが
アシスタント業務から行ってもらうのか、
それとも受付業務からしてもらうのか
という点です。

おすすめは、
先にアシスタント業務から行ってもらうことです。

受付業務が決して楽とは言いませんが、
受付業務から覚えてしまった場合、必要なときに

「アシスタント業務に
 可能であればつきたくない」

といった考えを持ってしまう可能性が
あるからです。

ですから、受付業務の前に
アシスタント業務を行ってもらったほうが
良いかと思います。
受付が退職してしまい、
どうしても受付が必要なのであれば、
午前中はアシスタント業務、
午後は受付と時間を区切って
ルールを決めておくとよいでしょう。

仕事を覚える時点から、
診療室が忙しいときはアシスタント業務、
受付が忙しいときは受付業務、
というようにしてしまうと、
受付ばかりにいるようになって、
アシスタント業務の仕事がうまくできないといった
状況になることがあります。

したがって、歯科助手を採用した場合は、
積極的にアシスタント業務を任せたほうが
良いでしょう。

歯科医院における歯科助手のあり方

歯科医院によって歯科助手のあり方は
異なると思います。

もちろん、
歯科衛生士の人数を確保し、
メンテナンス業務に専念、
治療は全て歯科助手がアシスタントを行い、
受付専任スタッフがいる、
というのが理想かもしれません。

ですが、経営を行う以上、
人材不足になるときがあります。

だからこそ、歯科助手は
どういった仕事のスタイルであるべきなのか、
改めて検討し、
採用する際に院長先生の考えを
採用スタッフに共有すると良いでしょう。

そうすることで円滑な診療業務ができ、
人材が不足したときでも対応できる
歯科医院へと変わっていくと思いませんか?

ぜひ歯科助手を新規に採用するときは
改めて検討してみてください。