
安定した集患のためには、
「患者さんと信頼関係を築くことが大切」といった
内容を目にしたことがある人も多いだろう。
具体的に信頼関係を築くために、
どのような声掛け・行動が効果的なのか
“具体例”を交えて解説します。
病院と患者さんの信頼関係とは
“患者さんとの信頼関係を築く”という言い回しは、
頻繁に見かけます。
信頼関係というのは、一般的に長期的な
関係性の中で少しずつ積み重ねていくものです。
虫歯の痛みに悩まされていた人が、
「また食事を楽しめるようになった」
「治療で嚙み合わせが改善され、好きなものが
食べられるようになった」
など、治療が完了し困りごとが解決した
タイミングは、医院を信頼してもらえる
大きなきっかけとなります。
一方で予防歯科のように“具体的な困りごとは
発生しておらず、予防を目的とした処置”では、
患者さん側はなかなか効果を実感しにくく、
信頼関係を築きにくいという側面もあります。
人間関係の基本
治療以外の部分で、患者さんと良好な関係を
維持するためには、人と人との付き合い方の基本を
徹底する必要があります。
・約束を守る
・相手に敬意をはらった言動
・清潔感
特に上記の3つは、医師・スタッフ全員が
心がけていきたい部分です。
ダブルブッキングや予約台帳の記入漏れのないよう
徹底し、たとえ数分でも予約時間を過ぎてからの
ユニット誘導となった場合には、一言謝罪の
気持ちを伝えることが大切です。
受付での挨拶・エプロンの付け方・レントゲン室
への誘導など、1つ1つの声掛け・接し方にも、
相手に対する敬意・個人の尊厳を意識して
真心のある対応をしましょう。
また、医療現場ということを意識し、スタッフの
身だしなみや院内環境など清潔保持も忘れずに。
効果的な声掛け例
患者さんとの会話は、上手に活用することで
信頼関係を築く近道となります。
まずは、「前回話した内容を覚えておく」
「自然に相手の名前を呼びかける」といった
基本的な技術から取り入れてみましょう。
カルテのファイルにメモ用紙を入れておき、
雑談で得た情報をメモしておくのもおすすめです。
ご実家が東北という情報を知っていた場合、
「○○さん、こんにちは。
すっかり寒くなりましたね。
ご実家の方はもう雪が降っている頃ですか?」
のように、名前の呼びかけと組み合わせた
挨拶をするのも良いでしょう。
「私の話に興味をもってくれたんだ」
「前に話したことを覚えていてくれたんだ」と、
患者さんは嬉しい気持ちになるはずです。
また、時には市販の歯磨剤の選び方など
患者さんの実生活にメリットとなる話をするのも
おすすめです。
「虫歯予防に、フッ素入りの歯磨き粉を使って
ください。」と言われると、受付横で販売している
歯科専売品の歯磨き粉の話をしているんだ…
と思われてしまいます。
患者さんによっては、買えって言っているのか?
と不快に感じる人もいるでしょう。
「虫歯予防には、フッ素入りの歯磨き粉がおすすめ
です。こんな風に、パッケージに○○ppmって
書いてあり、これは専売品なので高濃度なの
ですが、ドラックストアなんかでも1500ppmの
もの売っていますので!お買い物に行ったら
ぜひ気にして見てみてください。」
このような言い方にすれば、患者さんは
「有益な情報を教えてくれた」と感じるはずです。
まとめ
信頼関係は一朝一夕で築けるものではありません。
しかし一度信頼関係を築けば、口コミや友人・家族
の紹介など、連鎖的に効果的な集患が見込めます。
朝礼や定例会議を活用し、院内全体で意識を
共有して患者さんから信頼される医院づくりを
心がけてください。
- 投稿タグ
- 信頼, 声掛け, 患者コミュニケーション, 挨拶