患者さんへの接遇は大切です。

しかし、どれだけ素晴らしい対応をしていても、
モンスターペイシェントと
呼ばれる患者さんだけは、
対応しきれない場合があります。

そして、モンスターペイシェントは、
どんな歯科医院でも
ほぼ100%経験していることだと思います。

歯科医師法では、応召義務があり、
診療を断ることは基本的にはできません。

モンスターペイシェントは、
院長先生はもちろん、
スタッフ全員を疲弊させます。

そこで今回はそもそも、
モンスターペイシェントとは
どういった患者さんなのか?

そして、対応法について詳しく解説していきます。

モンスターペイシェントとは?

モンスターペイシェントとは、
医療スタッフに対して、
理不尽な対応を求める患者さんです。

患者さん本人だけでなく、
そのご家族もモンスターペイシェントと
されることもあります。

理不尽な要求とは、例えば、
明らかに歯科医師の診断とは違う
根拠のない治療を歯科医師に要求したり、
スタッフに対して、
歯科医師の治療への不満を繰り返し行い、
何度も謝罪を求めるといった行為です。

ときには、苦情だけでなく、
暴力行為をする場合もあります。

歯科医院側に明らかな過失があれば、
患者さんのクレームも仕方がない場合もあります。

しかし、モンスターペイシェントの場合は、
歯科医院側に明らかな過失がないにも関わらず、
理不尽な要求をしてくることが特徴です。

そういった患者さんに
クレームがでないようにするためにも、
毎日の診療時から適切に
対応しておくことが大切です。

モンスターペイシェントの対応法とは?

モンスターペイシェントから
クレームがこないようにするためにも、
普段から、スタッフだけでなく、
歯科医師も日頃から
対策をしておかねばなりません。

モンスターペイシェントから
クレームがでないために、
普段からできる対策は、
主に以下の方法があります。

患者さんの話を聞く

患者さんがどんなことに困っているのか、
しっかりと患者さんの話を聞くことが
患者さんからのクレームを減らす一番の方法です。

聞いてもらえるだけでも、
患者さんの不満を解消することができます。

コミュニケーションを積極的にとる

メンテナンスに通っている患者さんほど、
クレームを言うことは少ないです。

それは、普段から
メンテナンスの重要性を伝えて、
スタッフが積極的にコミュニケーションを
とっているからです。

一方、初診の患者さんほど、
コミュニケーションがとりにくいため、
診療への理解が不十分で、
トラブルにつながりやすいです。

ですから、どんな患者さんでもそうですが、
特に初診の患者さんほど
積極的にコミュニケーションをとりましょう。

コミュニケーションを積極的にとることで、
その後のクレームなどがおきにくくなります。

スタッフ全員で情報を共有する

気難しい患者さんなどは、朝礼のときなどに、
スタッフ全員で患者さんの
特徴を把握しておきましょう。

受付対応から、診療対応まで、
どういった点に注意しておくべきか
事前にスタッフ全員が確認しておくことで、
患者さんとの齟齬がおきにくくなります。

それでも対応しきれない場合

それでも理不尽な要求を繰り返す場合、
院長先生が知っておくことがあります。

それは
「正当な理由がない限り
診療を断ることはできない」
ということです。

つまり、正当な理由がある場合にのみ、
モンスター患者さんを断ることができる
ということです。

例えば、歯科医師の診断のもと、
診療の必要性、メリット、デメリットを
再三、説明しているのにも関わらず、
患者さんに理解してもらえない場合、
これは、歯科医師と患者さんとの
信頼関係が著しく損なわれているため、
断ることができる可能性があります。

できるだけ円滑なコミュニケーションを図り、
それでも納得できない場合は
別の歯科医院受診を促すことが望ましい対応です。

それでも、対応できない場合は、
再三の説明後に
信頼関係が損なわれていることを伝えましょう。

それでも、理不尽な要求をしてくる場合は、
弁護士などの専門家を頼ることも必要です。

モンスターペイシェントの数は
非常に少ないですが、
遭遇することは珍しいことではありません。

そして、想像を超える行動に移す
リスクがあります。

普段から適切な対応を意識し、
それでも対応ができない場合の時のために、
速やかに専門家に依頼できる準備を
整えることを一考してください。