歯科では不特定多数の口腔内に触れるため、
医療従業者が感染症に罹患するリスクが高い
と言われています。

新型コロナウイルスだけでなく、
インフルエンザや風邪などの
季節性感染症に罹患しないために、
今一度院内の感染予防対策を見直してみましょう。

治療と感染リスク

感染症の多くは、咳やくしゃみによって
体内から病原体が排出されることで
周囲へと広がっていきます。

歯科医院では、唾液や血液といった
人間の体液と非常に近い距離で
診療を行う必要があります。

患者さんがマスクを外さなければ
治療できないため、
万が一何かしらの感染症を患っている方や
病原体を保有している方が来院した場合、
治療する側は非常に高い感染リスクを伴います。

おすすめの感染対策2選

院内での感染予防に効果的な対策法を
2つご紹介します。

すぐに取り入れられるものもあるので、
ぜひ検討してみてください。

フェイスガードやアイシールドの導入

治療中は、タービンの回転により
唾液や血液が周囲に飛散します。

鼻や口からこれらの飛沫を吸い込むことを
防ぐために、マスクをしている方が大半でしょう。

ウイルスは、目・鼻・口といった
粘膜部分から体内に侵入して感染します。

マスクで鼻や口を覆っていたとしても、
目の周りなど露出している部分に
飛沫が付着する恐れがあります。

その状態で目や顔を擦ることで、
顔に付着していたウイルスを
体内に侵入させてしまうことも。

問診時はマスクのみでもOKですが、
治療を行う際には顔全体がカバーできるよう
フェイスガードやアイシールドを
導入するのがおすすめです。

口腔外バキュームの導入

治療中には、
水しぶき・削りかす・唾液・血液などが
空気中に飛散します。

その大半は目に見えず、
エアロゾル化したものなども含めると
マスクやフェイスガードをしていても、
防ぎきれないこともあるでしょう。

口腔外バキュームは、
口腔内バキュームでは取りきれない飛散物を
効率的に吸引します。

作動音が大きい点はネックですが、
院内の感染予防の強い味方となってくれます。

基本的な予防対策を徹底しよう

院内で働くスタッフの健康を守るために、
まずは基本的な予防対策を
徹底することが大切です。

・手洗いの仕方
・手指消毒の方法
・正しいマスクの付け方
・グローブ、マスクの外し方

正しい手の洗い方や手指消毒の仕方などは、
医療現場に慣れている人でも
おろそかになりがちなポイントです。

また、せっかくマスクやグローブをつけていても
付け方・外し方次第では
結果的に感染リスクを高めることも・・・

これらの基本的な項目を改めて見直すだけでも、
高い予防効果を発揮するでしょう。

まとめ

院内で感染症が蔓延し、
やむなく休診となると
多くのデメリットが発生します。

予約の患者さんにキャンセル依頼の電話をかけ、
予約の取り直しを依頼するのも一苦労です。

万が一、
感染症を患った患者さんが来院したとしても、
正しい予防対策をとっていれば
罹患リスクは格段に抑えることが可能です。

自身や従業員が安心して働ける環境を整え、
安定した医院運営につなげていきましょう。