患者さんは、”歯周病”という言葉は知っていても、
その恐ろしさや正しいケアで予防できる
ということを知らない人が大半です。

予防のために定期的な来院をしてもらうためにも、
患者さんに歯周病とはどのようなものかを
知ってもらいましょう。

歯周病に対する一般的な意識

テレビCMやニュースなどの影響もあり、
「歯周病」という言葉自体は現在多くの人に
認識されるようになりました。

それでも具体的にどのような病気で、歯周病に
なるとどのような症状が出るのかという細かい部分
については「分からない」人も多いのが現状です。

歯周病についての意識

・歯茎の病気
・口臭の原因になりそう
・きちんと磨けていないとなる
・歳をとるとなる病気

中には正しい情報も含まれていますが、
「歯周病にならないようにしなくては」
と危機感を覚えるほどの情報が浸透している
とも思えないのが現状です。

この状態で「歯周病予防のために定期的な通院を」
とアピールしても、患者さんの心にはなかなか
響きにくいでしょう。

歯周病について伝えるポイント

まずは、歯周病が非常に身近な問題である
という認識を持ってもらうことが大切です。

2001年には「世界で最も蔓延している感染症」
としてギネスブックに記載されたこともあるなど、
誰にとっても“自分ごと”としてとらえるべき
問題であることを伝えましょう。

・歯周病の原因
・症状(軽症~悪化まで)
・予防方法

歯周病が誰でも進行するリスクのある病気だ
ということを伝えた上で、具体的にどのような
病気なのか・進行しないためにはどうすれば
よいのかを伝えるステップへ移っていきましょう。

ホームケアだけでは限界があること、早期発見と
治療が歯を守るために大切であることを理解して
もらうことで、定期的な通院へとつなげられます。

少し変わった視点からのアプローチとして、歯周病
治療にかかる期間・通院回数・費用の例を挙げて、
「発症するとこんなに大変なんだ」
と理解してもらう方法もあります。

場合によっては、大学病院等の大型の施設にて
外科治療が必要になることや歯周病が原因で
別の身体的不調を発症するケースがある点なども、
予防意識を高めるために効果的な情報でしょう。

伝え方の工夫

「現在発症している病気の説明」は真剣に聞いて
くれるものの、「まだ発症していない病気の説明」
はどこか他人事のように感じてしまい
あまり本腰を入れて聞いてくれないものです。

患者さんによっては、治療が終わったら
さっさと帰りたい・通院の勧誘のような
トークは聞きたくないと感じる人もいるでしょう。

おすすめの伝え方

・口頭での説明は簡単に済ませ、
 リーフレット等で情報を伝える
・待合室に歯周病についてまとめた掲示物を貼る
・患者さんの口腔内の状態を書いた紙と一緒に、
 リーフレットを渡す
・医院のホームページにてコラムのような形で
 情報発信をする

症例写真などを交えて、医師や歯科衛生士から
直接説明するのが最も手っ取り早い方法です。

それでも、相手の表情や雰囲気などから
「あまり興味がなさそうだな」と感じたら、
上記のような方法にシフトするのがおすすめです。

日本臨床歯周病学会や市区町村の保健課などでは、
無料でダウンロードできる歯周病のリーフレットを
公開していますので、活用してみるのも
よいでしょう。

まとめ

「痛みや不調がないと歯科医院に行かない」
という人に、歯周病に対する正しい知識と
定期的な通院の効果を理解してもらうことで、
リコール率アップや患者数の増加など更なる
集患につなげていきましょう。