歯科医院ではスタッフの連携がとても大切です。
アシスト業務はもちろんですが、1人1人が自分の役割を
しっかりと行うことによって、先生の負担はもちろん
スタッフの仕事の配分も軽減されます。
予防歯科でメインテナンスをしっかりと行っていく場合、
チーム医療が欠かせないのですが、
なかなかうまくいかない場合があります。
チーム医療をうまく機能させるためには
どのようなことを考えていったら良いのでしょうか?
【チーム医療のメリット】
・専門性を深める
歯科医院のスタッフ皆がチームという意識を持って
情報を共有したり、色々なケースにおいて話合うことで
専門性を深めることができます。
そのためには、
治療計画を立てた後そのまま治療して
メインテナンスという流れでは無く、
ケースカンファレンスを入れて
チェックし合うことが大切です。
歯科医院である程度働いていると
だんだん自分流になっていってしまうことも
少なくありません。
自分の判断が合っているかどうか気になりながらも
経験がどんどん増えていってしまうと
改めて聞きにくくなってしまうことがあります。
話し合いの時間を作ることで
気になったことは聞くことができますし、
解決していく時間にもなります。
・患者さんとのコミュニケーションの向上
チームで情報を共有することで
患者さんの背景をより深く知ることができます。
その歯科医院によってばらつきはあるかもしれませんが、
患者さんは幅広い年代の方が来院します。
自分と同年代の人やかなり下の人や上の人、
そんな様々な年代の方とコミュニケーションをとるには、
患者さんをしっかりと知るサブカルテを作って
コミュニケーションを取りやすくしていきましょう。
患者さんの家族のこと。
長期休暇の過ごし方や趣味のこと。
カルテには記載しなくても、サブカルテという形で
患者さんの現状を把握するツールを作っておくと
コミュニケーションの時に役立ちます。
患者さんとの信頼関係を作っていく上で、
サブカルテは皆で患者さんのことを
しっかりと知るきっかけ作りになります。
【チーム医療の課題】
・スタッフの人数や仕事量
専門性を深めたり、コミュニケーションの充実を
図るためには時間が必要になってきます。
しかし、現在のアポイントメント状況で、
院内はすでに精一杯になっていませんか?
さらにその上、
ケースカンファレンスやスタッフ教育と言っても
なかなかスタッフに受け入れられないことが多いです。
『教えながら仕事をするより自分でやった方が楽』
という風になってしまうとスタッフは育たないですし、
いつまでたってもチーム医療がうまくいきません。
スタッフ教育をする余裕がありますか?
教育は、普通に仕事をするよりも
時間がかかってしまいます。
余裕が無いと、
しっかりと教えてあげることができなかったり、
強く当たってしまったりしてしまい、
うまくいきません。
また、ギリギリのスタッフで仕事をしていると、
休みを取らせてあげることができなかったり、
残業を増やすことにも繋がっていきます。
仕事をする時にはしっかりとして、
プライベートが充実するように、
有給も順番にしっかりと取れる。
このような歯科医院は、スタッフの定着率も良く、
歯科衛生士の中でも人気です。
チーム医療を充実させたり、
メインテナンスを重視していくには
スタッフの充実も大切になってきます。
・伝える、教えることの難しさ
教育することは、歯科医院やスタッフ1人1人の
レベルを上げることでとても重要なことです。
ただ、伝え方や教えることは、
相手にとって喜ばしくない指摘のこともあります。
強い口調で言っても相手には受け入れられにくく、
今後の関係性にも良くはありません。
先輩衛生士と新人という形の場合には、
その歯科医院のやり方をすんなり受け入れられることが
多いです。
しかし、ある程度中堅になってくると、
以前働いていた時のやり方や自分のやり方を
否定されているような気になってしまい、
関係がうまくいかなくなってしまうことがあります。
ただ、歯科医院によってやり方考え方は違うので、
しっかりとその歯科医院のやり方を共有する
ことは大切です。
スタッフ教育をする際にも患者さんと同じように、
しっかりとクッション言葉や前置きを使って
伝えていきましょう。
また、相手が受け入れられる状況かも
しっかり把握して伝えていきましょう。
忙しい時に無理に伝えようとしても
なかなか伝わらないことがあります。
【まとめ】
スタッフ教育には時間と十分なスタッフが必要です。
教えるということは自分を振り返る機会になるので、
自分の力にもなります。
また、コミュニケーション能力は患者さんの対応にも
活かされていきます。
チーム医療にはメリットもたくさんありますが、
課題もあります。
その歯科医院によって規模やスタッフ人数も違うので、
無理が無いのはどの程度なのか、目標とするやり方を
実現するにはスタッフを増やす必要があるかを検討し、
スタッフを増やす場合も今いるスタッフの意見を聞いて
進めていくと責任感も出てきます。
様々な課題をクリアして、
チーム医療を円滑に行っていきましょう。
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