問診をして治療をするための情報を得ることは
どの歯科医院でも行っていると思います。

メインテナンスを中心で行っていく場合には、
病気を診断するための問診では
足りない部分も出てきました。

治療をして終わりという考え方から
メインテナンスや予防をしていくことで
長い期間患者さんとお付き合いをしていく上で
お口の中だけではなく患者さんを知るということも
求められるようになってきました。

患者さんを知る医療面接をしっかりと行うには
どのようにしてどのようなことを注意したら
良いのでしょうか?

【日常会話からスタートする医療面接】

まず、目的は患者さんを理解するということです。

同じような疾患であっても、
患者さんの年齢や家族、社会的な立場によって、
その患者さんに対するアプローチが変わってきます。

日常会話からこういった情報を引き出せるかによって、
治療計画や治療結果も変わってきます。

家族の中で介護が必要な人がいる場合、
自分に多く時間をかけることが難しい場合、
負担にならない程度の予約状況かを確認する。

また、小さな子供がいて預けることが難しい場合は、
自宅でケアをする方法をしっかりとお伝えします。

メインテナンス中心の場合には、
患者さんの気持ちや状況に寄り添って
その患者さんに無理の無い計画を立てていくことが
とても大切です。

【患者さんを知る3つの目的】

ポイント① 情報収集

以前どのような治療をしていたか、
その治療に対してどのような感情を持っていたかを
確認していきます。
この時のポイントとしては言葉以外のメッセージも
確認していくことです。

声の大きさや速さ、口調なども確認していくことが
大切です。

不満を持っていた場合、口調が強くなったり、
少し声が大きくなったりします。
このような時は、不満を話したいという
欲求が強くなっているので、しっかりと耳を傾け、
患者さんの話を聞いてあげることで、
満足度が高くなります。

また表情やしぐさ、視線も含めてみて、
どのように考えているのか
確認していく必要があります。

ポイント② 信頼関係の確立

信頼関係を確立していくには共感が大切です。
患者さんの話をしっかりと良く聞いて相槌をしたり、
感情に対応していきます。

しっかりと患者さんの話を聞いて
分かったことを伝えていくことで、
患者さんはしっかりと聞いてもらっているという
満足度から信頼関係が深まっていきます。

この時にプライバシーもあるので、
最初から興味本位で質問をしないことです。

患者さんが思っていることがどのようなことなのか
患者さんの声に耳を傾けるということが大切です。

ポイント③ 動機づけ

情報収集や信頼関係が確立されていくと
今度はこちらから治療の提案をしていったり
自宅でのケアの方法やメインテナンスに向けて
動機づけをしていきます。

動機づけをしっかりとできるかどうかで
メインテナンスの重要度や定期的に通院する意味を
理解してもらえるかが変わってくるので、
今後、定期通院してもらえるかに影響してきます。

慎重にしっかりと行うことが大切です。

【患者さんを知る担当制】

歯科衛生士が担当制になっていると
とてもメリットがあります。

まずは歯科衛生士も任されている責任感が出ます。
期待されているということは仕事のやりがいに
繋がっていきます。

この時に先生から衛生士を紹介すると
より任されているという認識が出ます。

新人の場合には
『経験は浅いですが、しっかりと勉強していますので
気になったことがあった場合には言ってください。』

中堅の歯科衛生士の場合には
『しっかりと仕事が任せられるようになってきたので
宜しくお願いします。』
などと伝えてあげることによって、
どのくらい経験があるのかを患者さんも把握でき、
歯科衛生士もやる気が出てきます。

ただ、担当制にすることでそのまま衛生士だけに
任せっきりになってしまうのでは無く、
途中でケースカンファレンスを入れることも大切です。
新人はもちろん、経験を積んだ衛生士も
『このままでいいのか?』という疑問を抱く
ことはあると思います。

積極的に話し合いをする機会を作ることで
皆で情報を共有することもできますし、
最善の方法を話し合って考えることもできます。

【まとめ】

お口の中をしっかりと診るとことはもちろんですが、
メインテナンスを含めた長いお付き合いをしていくには
患者さん自身を見る力が必要になってきます。

そして患者さんと信頼関係を築くことによって
やりがいとなってマンネリ化していた仕事への認識も
変わってきます。

患者さんを見る力は経験によって少しずつ
ついていくものですが、担当制にしたり、
ケースカンファレンスをするなどの環境作りも
大切になっていきます。

そしてスタッフのやる気を引き出す
『期待をする』『任せる』ということも
行うことができます。

メインテンスに力を入れるために、メリットが沢山の
医療面接に力を入れていきませんか?