スタッフには
できるだけ長く働いてほしいですよね。

それが、仕事にも一生懸命で
患者さんからの評価も高いスタッフだと
なおさらです。

長く働いてほしいからこそ、

「スタッフが間違いや失敗をした時に
注意ができない」

なんて思う方もいるかもしれません。

しかし、
注意しないことが
スタッフのためになるのでしょうか?

スタッフの成長を望むなら、
叱ることも必要な成長過程の1つだと
私は思います。

そうはいっても、
叱ったのが理由で辞められては
元も子もありませんし
一緒に働くスタッフには
嫌われたくないですよね。

そこで今回は

「心に響きやすい叱り方」

について
歯科医師や先輩に
注意を受けてきたスタッフの観点から
解説していきます。

具体的には

  1. 「怒る」と「叱る」は違う
  2. 叱り方のマナー
    ①すぐに叱る

    ②短く叱る

    ③みんなの前で叱らない

    ④同じ目線で叱る

    ⑤プラスの言葉を取り入れる
  3. 「かりてきたネコ」の法則を使う
  4. 叱ることは相手と自分の成長

といった項目で、
明日からすぐに実践できる
簡単な内容になっています。

スタッフ教育にお悩みの方は
是非、参考にして下さいね。

「怒る」と「叱る」は別物

怒ると叱るは全く違います。

まず、
怒るとは

「自分の感情を相手にぶちまけること」

です。

自分の感じたままを相手に投げつけるので
相手は

「何を自分に伝えたいのかわからない状態」

になってしまい
理不尽に感じてしまいます。

また、
感情まかせにして怒ると、
あなたの伝えたいことが
ほとんど伝わりません。

なぜなら、
相手はあなたに対して

「感情で物事を言う人」
「理不尽なことを言う人」

といったイメージが
強く印象に残るからです。

だから、
感情に任せて怒っても何の効果もありません。

逆に
叱る

「相手のことを思って注意すること」

です。

それは、

「相手が素直に反省してもらえるように
促していく」

ことでもあります。

叱るのは、怒ると違って
感情的ではなく、
相手を思い注意するので
相手も前向きにあなたの
言葉を受け止めることができる
のです。

そんな、
相手が素直に反省するような叱り方をするには
叱り方のマナーを身につける必要があります。

次は、
叱るのに必要なマナーについて
解説していきます。

叱り方のマナー

叱るにもマナーがあります。

もちろん何でも言って良いわけではなく
相手を思っての
言葉選びが大切な叱り方のマナーは、
次の4つです。

① すぐに叱る
② 短く叱る
③ みんなの前で叱らない
④ 同じ目線で叱る

この4つのマナーについて詳しく
見ていきましょう。

すぐに叱る

スタッフがミスや失敗をしたら
すぐに叱りましょう。

叱責の効果は、
時間が経てば経つほど薄れてしまうからです。

時間がなくてすぐに叱らずに、
しばらく時間が経ってから叱ると
相手には

「何でいまさらそんなこと」

という気持ちが生まれてしまいます。

そうなると、
相手は素直に聞く耳をもってくれずに
叱かったことで、
あなたとの関係性が
悪くなる可能性があります。

また、ミスを指摘されるのは
誰でも嫌で恥ずかしいですよね。

ミスをした本人が反省しきった後に、
叱られると羞恥心がさらに強くなります。

そのため、ミスや失敗が発覚した時には
間をおかず、すぐに叱りましょう。

短く叱る

叱るときは短く簡潔に!が有効です。

叱る時間が長くなってしまうと、
反省する気持ちよりも
いつ話しが終わるのかが気になってしまい、
早く解放されたい気持ちが勝ってしまいます。

なので、
叱る時間の目安は5分以内です。

叱るポイントを押さえて
短く叱るようにしましょう。

また、叱るべきポイントだけではなく
褒めるポイントも把握しておきましょう。

例えば、
叱る時に

「〇〇のところは良かったが
△△はダメだった。」

又は良いところはそのままに

「△△のところは改善すべきだった。」

というように
プラスの言葉とマイナスの言葉を
かけ合わせます。

あるいは、

「褒める→叱る→褒める」

という感じで
叱責をプラスの言葉で
包むようにするのも効果的な方法です。

この方法を使うと相手は
叱られたことを素直に受け止められやすくなり、

「前向きに改善していこう」

という気持ちになりやすいでしょう。

みんなの前で叱らない

相手に対しての思いやりとして、
他のスタッフがいる環境の中で叱るのではなく
個別で叱るようにしましょう。

他のスタッフが見ているところで叱ると
相手は恥をかかせられたと感じ、
意欲や自信を失うことになるかもしれません。

2人になるタイミングを見計らって
短く、簡潔に叱ることで

「相手は自分のために叱ってくれている」

と感じ、
あなたの言葉にも耳を傾けるはずです。

同じ目線で叱る

叱る時に、
同じ目線の高さになるのも重要です

「院長たるものは威厳が必要!」

という言葉をよく耳にしますが、
叱る場面で威厳は全く必要ありません。

上から目線や横暴な態度で叱ると、
相手は萎縮してしまい
本当の意味での反省にはなりません。

お互いが座った状態や立ったままの姿勢など、
目線を同じにすることを意識するのが大切です。

必要なことは
威圧的になることはなく、
相手を尊重していることが、
伝わるようにする心遣い
です。

まとめ

いかがでしたか?

今回は

  1. 「怒る」と「叱る」は違う
  2. 叱り方のマナー

という2点のトピックを
ご紹介しました。

後編では
叱り方のマナーを踏まえた上での
効果的な叱り方
について解説していきますので
次回もお楽しみに!