初診時のカウンセリングで伝える言葉。
一連の治療が終わった時に
あなたが患者さんに伝える言葉。

実は患者さんには伝わっていないかも知れません。

あなたは、患者さんに、
「治療が終わってからが大切です。
再発しないように定期検診を受けてくださいね!」
といっていますよね?

でも
伝えたつもりでも、
患者さんには伝わっていないもの
です。
悲しいですが、それが現実です。

なぜ、患者さんには予防の大切さ、
定期検診の必要性が伝わらないのでしょうか?

それには理由があります。

そもそも定期検診に行かなくても問題がない

治療が終了して、痛みもなく、
食事も不自由なくできている状態で、
歯科医院に通う必要がありますか?

歯科医の先生はもちろん、
歯科衛生士や歯科助手などのスタッフも、
定期検診やメインテナンスに通う必要性は
理解していますよね。

ですから、
治療終了後に「歯医者さんに通う」ことは
あるべき姿
だと認識しているでしょう。

しかし、患者さんはそうではありません。

症状もなく、日頃の生活や食事に
なんの支障もない状態で、
何年も通い続けることは、
「奇跡」に近い現象であると
思ってほしいと思います。

定期的に通い続けてくれている、
そんな理想的な患者さんを指標にすることは、
間違っていると言えるでしょう。

患者さんは、
必要があるから歯科医院に通う
のです。
これは、最もベーシックは患者心理ですよね。

治療が終わってから、
2~3回は定期検診に通ったけれど、
些細な用事のために、一度予約をキャンセル。

その後は、結局再予約もせずに、
そのまま歯医者さんに行くことがなくなる…。

定期検診に行かなくなっても、
痛みもなく、食事に困ることもないなら、
患者さんは、
わざわざ時間を作り、通院の手間をかけ、
費用を負担することを選んでくれません。

これが普通なのです。

患者さんの行動が変わらないのは価値を理解していないから

痛みなどの症状もなく、
生活に不具合がないなら、
患者さんは、
継続して歯医者さんに通う理由が
だんだんと薄らいでいきます。

『何となく、歯科医に言われたから通っていた。』
という状態では、
いとも簡単に通院は中断されてしまいます。

今日は…
  • 仕事は忙しいから予約をキャンセルしよう。
  • 友達から食事の誘いが入ったから
      予約をキャンセルしよう。
  • 天気が悪いから行くのが億劫になってきた…
      キャンセルしよう。
  • とこんな感じです。

    予防のために、
    通院する価値が伝わっていない状態に
    起こる現象
    ですよね。

    こんな状態を変えなければ、いつまでたっても
    予防歯科のために通う患者さんの数は、
    横ばいか減少していくこと
    になります。

    別の表現を使うなら、
    定期検診に通ってくれる判断を
    患者さんに丸投げしている
    状態と言えます。

    一部の意識が高い患者さんだけが、
    リピートしている状態です。

    ですから、そうではない患者さんに対しても、
    定期検診に通わなければならない理由を
    常に伝える
    必要があるのです。

    患者さんは定期検診を受けたいのではない

    では、何のために定期検診を受ける必要が
    あるのでしょうか?

    定期検診の結果の伝え方や
    メインテナンスのメニューを工夫したり、
    より患者さんが喜ぶ施術を考えることは重要です。

    しかし、患者さんは
    定期検診やメインテナンスを受けたいのではない

    ということを認識しておく必要があるでしょう。

    どういうことかというと、

    • 定期検診を受けないことで、
      患者さんが被る将来のデメリットは?
    • 定期検診を受けることで、
      患者さんが享受できる将来の幸せとは?
    • 定期検診を受けることで、
      患者さんが優越感や自己満足できる
      感情とはどんなものでしょうか?

    これらを考える必要があります。

    まとめ

    ちょっと漠然としていますので、
    具体的なポイントをまとめます。

    将来のデメリットとは、
    むし歯が再発したり歯周病が進行したり
    してしまうということが挙げられますが、
    これでは少し物足りません。

    この場合、

  • 将来歯を失うことによって、
      入れ歯生活になる
    こと。
  • 好きな食べ物が食べられなくなる
      可能性があること。
  • インプラントになればおよその費用が
      ○○万円ほどかかること。
  • などが挙げられます。

    将来の幸せ、優越感や自己満足できる感情とは、
    歯のお手入れに時間と費用をかけている現実が、
    1段階上のステータスであるということ。

    いつも手入れされたキレイな歯を
    友人に自慢したくなるような優越感。
    なんでも良く噛め、美味しそうに食べることが、
    友人から羨ましく思われることなど。

    これらが、患者さんにとっての価値であり、
    歯医者さんに通い続ける強烈な動機となるのです。