「人間はチームに関わらず生きていくことは
不可能」

と言われています。

仕事、家族などもそれぞれがチームです。

歯科の仕事は
院長を始め受付、助手、衛生士、技工士など
様々な方々で成り立っていて、
医院がひとつのチームのようなものです。

チームで仕事をするからこそ、
人間関係の悩みも多いと思います。

特に、
人間関係が悪いチームは、
スタッフの離職率が高く
人の入れ替わりが激しい傾向があります。

ベストな歯科治療を患者さんに提供するためにも
チーム力は欠かせないと思います。

そこで今回は、
最高のチームの作り方について紹介していきます。

チーム力が歯科医院の顔になる

そもそも、
チーム力とは組織全体の力のことです。

個人それぞれが
自分の持っている力を発揮することで、
組織全体の力が高まります。

しかし、
医院に対して
不満をもっているスタッフ(院長を含め)が
ひとりでもいるとチームの一体感が崩れて、
仕事にも影響がでることがあります。

不満をもっている人は、
医院の雰囲気を悪くし、
医院にとっては妨害者となってしまう
可能性があります。

例えば、
妨害者のスタッフに何か仕事を頼んだ場合には

「忙しいので他の人に頼んで下さい」

といった反攻的な態度をとられたり、
攻撃的な言葉を使われたりします。

また、
愚痴と文句が多い傾向があります。

そういった妨害者が
チームの中にひとりでもいると、
他のスタッフが暗い雰囲気に引っ張られたり、
仕事を辞めたりするスタッフが
出ることがあります。

他にも悪い雰囲気は、
患者さんにも伝わって

「この歯医者は
人の入れ替わりが激しい感じがするから
何か問題があるのかな?」

と悪い印象を与えてしまう恐れがあります。

つまり、
チームの雰囲気がそのまま歯科医院の印象に
なってしまう可能性があるのです。

チームの一体感がなく雰囲気が悪いと、
同時に歯科医院の印象も悪く捉えられてしまいます。

最高のチームをつくるひとつの条件

最高のチーム力をつくるためには、

  • 個人の能力が高い
  • リーダーのカリスマ性

などが必要と考えている方も
いるのではないでしょうか。

思うに、最高のチームには
そういった能力は必要ないと思います。

最高のチームをつくる条件は、
安心な環境づくりがすべてです。

安心な環境を作ることで、
最高のチームになると思いませんか?

安心な環境とは、
スタッフ皆様が
「ここにいて心地よい」と思える環境です。

「自分の代わりは誰でもいる」

と思える環境では、
帰属意識が低くなり
仕事が適当になってしまいがちです。

最高のチーム力を作りたい場合には、
スタッフや院長の能力より
スタッフみんなが安心できる環境を
整えることが大切です。

安心できる環境の作り方

スタッフの待遇を良くしたり、
スタッフルームにコーヒーメーカーを置いて
物質的に充実させるのは、
“快適な環境”であり
“安心できる環境”ではありません。

繰り返しますが、
安心できる環境とは、
スタッフが
「ここにいて心地よい」と思える環境です。

つまり、
認識される、
自分の存在価値を見出してくれる環境です。

そんな安心な環境をつくるには、
次の2つを実践しましょう。

  • 中和行動をとる
  • 帰属意識を根付かせる

それぞれについて、詳しく解説していきます。

中和行動をとる

中和行動とは、
悪い空気を良くする行動のことです。

例えば、
ミーティングでAさんが意見をいった後に
妨害者のBさんが、
その意見を否定するような言葉を言います。

そのままにしておくと、Aさんは

「自分のいった意見は聞いてもらえない」
「発言するのが嫌だ」

と思うようになり、
帰属意識が下がってしまいます。

また、妨害者には
自分以外の意見に反論する特徴があり、
話し合いが一向に進まない傾向があります。

そこで、
妨害者の言葉を中和する人が必要になります。

例えば、先ほどと同じように
Aさんの意見に対して妨害者Bさんが
否定的な意見を述べたとします。

その時に中和する人が

「そうかな?Aさんの意見もとても参考になったよ」

と、Aさんの発言に対して
肯定的な意見を伝えましょう。

そうすることで、
Aさんが悲観的にならずに
「私も意見言っていいんだ」と
思えるようになります。

誰かの発言したことを、
いきなり否定する人がいては
良いチームはなれません。

だからといって、
妨害者のBさんを外してミーティングをするのは
難しいと思います。

妨害者のスタッフを含めて
ミーティングをする時には、
他のスタッフが影響されないように
誰かが中和行動をとる必要があるのです。

帰属意識を根付かせる

帰属意識とは

「自分はここにいていいんだ」
「歯科医院のチームのひとりなんだ」

というように、
自分は組織の一員だと意識することです。

スタッフひとりひとりに
帰属意識を持ってもらうには、
親密な交流が大事です。

例えば、
スタッフの誕生日や好きな食べ物を覚えて
プレゼントするのは、
個人の尊重に繋がります。

自分の誕生日や好きな食べ物を覚えていて、
プレゼントしてくれるのは
誰だって嬉しいですよね。

「ほんの少し話した内容を覚えてくれている」
「認識して気にかけてくれている」

と感じて
「ここで頑張ろう」という活力にもなりやすいです。

また、
ミーティングをする時には
スタッフみんなに発言権を与えるようにしましょう。

新人、ベテラン関係なく、
みんなが発言できるように
ミーティングを進行する人が
まんべんなく意見を
振り当てるようにするのが理想です。

そうすることで、
チームの一員として発言するようになります。

誰かが発言しているときは、
途中で遮ることはせず、
必ず最後まで聞くようにしてください。

途中で話を遮ってしまうと、
次から発言するのが
怖くなってしまう可能性があるためです。

まとめ

最高のチームにするには、
たったひとつ安心できる環境づくりが必要です。

安心な環境をつくることで、
個人の力を発揮し、その人らしく成長していきます。

その結果、歯科医院が活気に溢れ、
働きやすい職場になっていきます。

スタッフみんなが

「自分はここにいて心地よい!」
「医院に必要な人間だ!」

と思うような職場になればチーム力が高まり、
仕事がスムーズにいきやすいでしょう。

給料や設備などを整えるのではなく、
まずは、みんなが安心できる歯科医院を
作ることから始めてみませんか?