前回
心に響く叱り方【前編】として

  • 「怒る」と「叱る」は違う
  • 叱り方のマナー
     ①すぐに叱る

     ②短く叱る

     ③みんなの前で叱らない

     ④同じ目線で叱る

     ⑤プラスの言葉を取り入れる
  • 上記6点のご紹介をいたしました。

    今回から後編のご紹介になります。

    前編をお読みでない場合は、
    ぜひ目を通していただくことをお薦めします。

    それでは、
    次は効果的な叱り方の法則について
    学んでいきましょう。

    かりてきたネコの法則

    叱り方のコツとして有名な
    「かりてきたネコの法則」があります。

    この法則を使うことで
    効果的な叱り方をすることができます。

    ちなみに、この法則の名前は、
    叱る時に必要な項目の頭文字を
    取ってつけられた名前だそうです。

    それでは、
    法則を順番に詳しく解説していきます。

    (か)感情的にならない

    これは叱り方のマナーでも、
    お伝えしたように
    感情的に叱るのは良くありません。

    つい、
    感情的になってしまうのも
    理解できますが、
    感情に任せて叱ると
    相手を混乱させたり、
    萎縮したりと大事なポイントを
    受け止められない状態になります。

    感情的にならずに冷静に、
    自分の言葉が相手に伝わるには
    どんな言葉を投げかけるのが
    良いのかを考えましょう。

    (り)理由を話す

    なぜ叱られているのか、
    理由をはっきり伝えましょう。

    理由があやふやだと、相手は

    「何を、どこを直せばいいのか」
    「具体的にどう改善すればいいのか」

    を見失ってしまいます。

    そうなってしまうと、
    相手は考えることを
    止めてしまう可能性があります。

    相手が反省し改善しやすいように、
    叱る理由を明確にしてから
    話しだすようにしましょう。

    (て)手短に

    相手にとって長々とした説教ほど
    嫌なことはありません。
    簡潔で短く叱って、
    相手のその後の行動を見ましょう。

    (き)キャラクターに触れない

    キャラクターとは、
    性格や人格のことです。
    失敗やミスをしたことと、
    キャラクターは全く関係ありません。

    少なくとも、
    叱るときに触れる必要はないのです。

    もし、
    相手のキャラクターについて触れたいのであれば、
    叱る時とは別の機会に
    あなたからのアドバイスとして
    話すと良いでしょう。

    (た)他人と比較しすぎない

    誰かと比較して
    自分のモチベーションを上げるやり方も
    もちろんあります。

    しかし、その方法は
    自分で比較する相手を選んで
    目標にするので、
    モチベーションの向上に繋がるのです。

    叱るときに他人と比較されると、
    相手は屈辱を感じるだけで
    前向きな姿勢にはなりません。

    また、
    他のスタッフと比較をすると、
    叱られた本人と比較したスタッフの仲が
    悪くなってしまうこともあり得るので、
    注意が必要
    です。

    (ネ)根に持たない

    叱るときに
    昔に失敗したことを持ちだすのは止めましょう。

    昔の失敗は現在のミスとは、
    何の関係もありません。

    それなのに、昔の話をされると
    相手にとって屈辱を感じます。

    また、

    「相手はいつまでもミスを覚えられている」

    と感じ、

    「自分にはそういう印象が定着している」

    と思うようになります。

    その結果として
    仕事のモチベーションが下がってしまうのです。

    (コ) 個別に叱る

    みんなの前で叱るメリットは
    ほとんどありません。

    叱られている本人だけではなく、
    叱責を聞いているスタッフも萎縮してしまい
    のびのびと仕事をすることが
    できなくなります。

    みんなの前で叱るのは、
    医院にとってマイナスなことでしかないのです。

    叱ることは相手と自分の成長

    叱るに対して
    マイナスのイメージを持ちがちですが、
    叱ってくれる相手がいるのも
    ありがたいこと
    です。

    自分では気づかないミスもあって、
    誰かに言われて
    初めて気づくこともありますよね。

    注意してくれたおかげで、
    それがミスだと気づき、
    同じ失敗を繰り返さないようにしようと
    思うはずです。

    また、叱る方も

    「相手にどう言えば伝わるか」
    「相手はどんな反応をするのか」

    を考えるようになります。

    この考えは
    患者さんにも活かせる考え方で、

    「患者さんが理解できる治療説明は
    どんな言い方だろう?」

    と相手のことを考える力になります。

    叱り方さえ間違えなければ
    あなたの思いはきっと相手に伝わるはず
    です。

    叱ることを恐れずに
    スタッフと共に自分も成長していきましょう!