歯科衛生士が退職する際には、
様々な理由で退職しますが、
その中に、院長先生との考え方が合わなかった
という理由で歯科医院を退職する方がいます。
そこで今回は、
歯科医師である院長先生自身が
どのようにスタッフとコミュニケーションを
とればいいのか、
コミュニケーションのポイントについて
詳しく解説していきます。
歯科医師は勘違いされやすい?
歯科医師になるためには、6年間大学に通い、
座学はもちろん、臨床実習も経験して
歯科医師国家試験を受験することができます。
その過程で、インストラクターの先生から
「理不尽だな」と思う指導を
経験した方も多いでしょう。
例えば、口頭試問を受けるために、
自分を指導してくれる歯科医師の診療が終わるまで
待ち続ける、といった様なことなど。
歯科医師になっても、何時間も残業したり、
大学病院に残れば医局の終わらない会議に
出なければならず、
さらに朝から夜まで診療するといったスタイルが
未だに一般的です。
今開業している歯科医師のほとんどが
そのような「理不尽だな」を経験し、
その理不尽に慣れてしまっている
可能性があります。
そのため、つい医院でも、スタッフからすると、
どうしても、歯科医師は理不尽な要求が多い
と思ってしまうのです。
スタッフとの価値観を共有する
「理不尽だな」と思う環境で教育をうけた経験が
あるからこそ気をつけたいことがあります。
それは、自分の価値観が普通である!
と思うのではなく、
スタッフがどんな考えを持って働いているのか、
まずは価値観を共有しましょう。
例えば、歯科衛生士としてどんどん
スキルを高めたいスタッフは、
歯科医師からの指導を受けたいと考えている方が
多いでしょう。
一方で、なんとなく資格があった方がいいから
歯科衛生士になって、
お給料さえもらえればそれでいい
といった考えの歯科衛生士もいます。
まずはそういった歯科衛生士の価値観を
共有しましょう。
各スタッフの価値観は育ってきた環境で違います。
価値観を理解した上で、
歯科医院の理念において
必要最低限の技術を習得し、
患者さんへの対応も理念に沿った行動を
とるべきであることを伝えなければ、
スタッフは院長先生がただ理不尽を
押し付けてくると思ってしまいます。
ですから、まずは
スタッフそれぞれの価値観を共有しましょう。
スタッフとのコミュ二ケーションの3つのポイント
では歯科医師はどのようにスタッフと
コミュニケーションをとればいいのか
3つのポイントをご紹介していきます。
完璧を求めない
コミュニケーションを取る際に
どうしても自分の考えと同じ意見を
求めてしまいがちです。
ですが、全く価値観が合う人間は
同じ環境で育った兄弟でさえも難しいです。
ですから、スタッフに完璧を求めずに、
会話の中で、スタッフはどんな考えを持って
働いているのか、
あくまでも聞くスタンスをとり、
スタッフの価値観を知る機会として
コミュニケーションを取りましょう。
スタッフの立場を理解する
新人スタッフにいきなり家庭環境や
歯科衛生士や歯科助手に応募した
本当の経緯を聞くことはできませんし、
ましてや、面接時では家庭環境について
聞くことは禁止されています。
ですが、毎日の診療の合間の雑談に、
兄弟構成や、ご両親が
どんな仕事をしてきた人なのか、
会話をしていくうちにわかるようになります。
それぞれのスタッフの背景を理解することで
そのスタッフにあった働き方を提案するヒント
になります。
ですから、毎日の何気ない会話で、
スタッフにどんな背景があるのか、
少しずつ知っていきましょう。
問題点と感情を区別する
スタッフと働いていると、
どうしても問題が出てくることがあります。
サボってしまうスタッフも
出てくることがあります。
そんな時は、注意する必要が出てきますが、
そこで怒鳴って注意するのは避けましょう。
注意するときに、問題点は何か、
しっかりと把握し、
感情は完全に区別する訓練が必要です。
感情はときにコミュニケーションの
妨げになります。
しっかりと区別することも
コミュニケーションのためには必要です。
歯科医師は人材マネージメント以外に
考えることがたくさんあり、
コミュニケーションにまで
気を配る余裕なんてない、というのが
現状だと思います。
とはいえ、
コミュニケーションという強みができれば、
スタッフが定着化し、
歯科医院経営も安定してきます。
ぜひ明日から、
コミュニケーションがどうであるか、
毎日の終わりに振り返ってみましょう。