普段はスタッフとして
日々患者さんと接していますが、
いざ自分が患者の立場として他の歯科医院で
治療やメンテナンスを受けたときに、
色々な「気づき」があるのではないでしょうか。
そしてこの「気づき」を自院に生かすことで
患者さんの満足度を上げ、
予防治療に繋げることのきっかけに
なると思います。
他院を受診して見えたこととは?
例えばいざ歯科医院へ入った瞬間、受付スタッフは
にこやかに出迎えてくれたでしょうか。
それとも無愛想だったでしょうか。
実は先日、歯ぐきが痛くなり、
初診患者として他院を受診したとき、
ふと色々なことが気になったのです。
- 初診の患者さんの出迎え方(私は初診で受診)
- 問診票の記入の説明
- 診察室への案内の仕方
- カウンセリングの仕方
- モニターを使った歯科医師の説明
- 治療中の声掛け
- 治療後の説明
- 会計後、次の治療の予約
- 帰り際の声掛け
自分がスタッフとして毎日勤務している中、
他の医院を受診することで
自分の医院のスタッフが
どのように患者さんに接しているか
ということを考えさせられます。
そして上に挙げた項目の中に
「歯科医師の技術はどうだったか」
ということがないことに
注目していただきたいと思います。
もちろん気になっていた箇所の
症状が改善されることや治療法は大切なことです。
しかし私が気になったのは、
それ以外の接遇面や声掛けだったのです。
歯科医師はわかりやすいようにモニターを使って
現在の症状の説明や治療法について
説明を行ってくれました。
歯科医師のこのような対応に対し、
アシスタントについていたスタッフは
患者である私に対して
機械的な声かけや事務的な対応だったのです。
不快感を覚えるほどではありませんでしたが、
ホームページから受けた印象とは
かなり違うように感じ取りました。
「治療さえきちんとしてくれれば文句ない」
と思う患者さんもいるでしょうが、
やはりある程度の声掛けや気遣いは必要でしょう。
というのも、この歯科医院を訪れた3日前、
クリーニングとホワイトニングを受けるために
別のクリニックを受診し、
とても丁寧な対応をしてもらっていたからです。
自費中心ということもあり、
対応スタッフは始終丁寧で
患者さんとのコミュニケーションも
しっかり取れています。
このようなことから
2つのクリニックでかなり温度差を感じ、
「自分の勤める歯科医院では
患者さんに対してどのように対応しているか」
ということを改めて考えるきっかけと
なったのです。
これは自費と保険云々は関係ありません。
どんなに優れた治療技術の提供や
豪華な設備であっても、
「この歯科医院はいいな」と思えるような応対や
「ここに通いたい」と思ってもらえなければ、
患者さんは定着しないのです。
「気づき」を取り入れることで何かが変わるきっかけになる
よく歯科医院はサービス業だと言われますが、
これはあながち間違いではないと思います。
過剰なサービスではなく、患者さんが
「この歯医者さんに来てよかった。」
「ずっとここに通いたい。」
と思われるような対応をすればよいのです。
そのような対応を行うためには、
他院で良いと思った接遇や
自分に足りていない部分に気が付くことです。
そして毎日の仕事に少しずつ
「気づき」を取り入れることで
患者さんが感じ取る医院の印象は
変わるのではないでしょうか。
また自分がサービスを受ける側として、
不快な思いをすることもあるでしょう。
そのことを反面教師とし、
自分の勤め先では絶対にそのような行動を
行わないことも大切です。
今回の記事では
他院を受診することを取り上げましたが、
ホテルのフロントやレストランなど、
サービス業に従事している職業には
色々ありますよね。
このようなところにも
気づきのヒントは隠れています。
(過剰な接遇は真似する必要はありません。)
全ての患者さんが
提供するサービスに満足してもらえるかどうかは
わかりません。
こちらが良かれと思って提供したサービスが、
患者さんによっては合わない場合もあります。
これは患者さんと歯科医院の相性もあるため、
致し方ありません。
しかし全ての患者さんを
予防治療に繋げるつもりで取り組めば、
結果はついてくるのではないでしょうか。
患者目線ではなく患者としての視点
患者目線で考える!
とはいうものの、なかなか純粋な視点では
見れないものです。
でも、実際患者として他の医院にかかれば
見えてくるものがあります。
患者として受付から会計を済ませて
歯科医院を出るまで、
気付きははたくさん隠れています。
もし自分が患者として
他の歯科医院を訪れる機会があれば、
このようなことを意識して
日常の業務に活かしてみて下さい。