人は会話で信頼関係を
築いていくと言われています。

もちろん、会話だけでなく
その人の行動や人柄なども重要ですが、
コミュニケーションの始まりは会話であり、
話し方によって
院長の印象が左右されるほどです。

それほど、
話し方は慎重に考えて使った方が良いと
言われており、
話し方を少し工夫するだけで
スタッフが辞めるのを防いだり、
患者さんが自費治療を決めたりすることに
繋がるかもしれません。

とはいえ、話し方といっても
どういうふうに話せば良いのか
わからない方もいると思います。

そこで今回は、
患者さんやスタッフとの関係が上手くいく
「話し方」について紹介していきます。

話し方がなぜそんなに大切なのか?

患者さんに自費の説明をするときや、
スタッフに指導するときに
”何を言うか”を考えている方が多いでしょう。

人は、説明されたことや指導されたことを
永遠に覚えていることはなく

「あれ?前に何言われたっけ?」

という経験は誰にでもあると思います。

しかし、
言われた内容は忘れたとしても、
どんな気持ちになったのかは、忘れずに
覚えている傾向があります。

例えば、
スタッフは院長に言われた言葉で

「やる気が出た!」
「嬉しかった!」

などが挙げられます。

患者さんの場合には院長からの言葉で

「安心した!」

といった
その時に感じた感情は記憶に残りやすい
傾向があるのです。

逆に

「悲しかった」
「説明がわかりにくかった」

などのマイナスの感情も
残りやすいことになります。

そのため、
スタッフや患者さんに何を言うかよりも、
聞いた人がどう感じるのかを考えることが
大切
です。

指導した内容や、
伝えたことを明確に覚えていなくても、
プラスの感情が残っていれば院長に対して
嫌なイメージを持つことなく、
良好な関係性を維持することができるからです。

相手を嫌な気持ちにさせない「3つの話し方」

話し方には、
次の3つのポイントがあります。

  • 感情に共感する
  • 結論→中身(内容)→結論の順に話す
  • 質問をする

それぞれについて、詳しく解説していきます。

感情に共感する

相手に話しを聞いてもらうには
まず、相手の感情に共感するようにしましょう。

例えば、
歯を失った患者さんの場合には

「入れ歯・ブリッジ・インプラントの
3つの治療法があります。」

といきなり説明するのではなく、

「〇〇さんは虫歯が原因で、
歯を抜く結果になったことに対して、
もっと歯磨きしていれば…
もっと検診に通っていれば…と
後悔していましたよね。
私が歯を失ったとしても、
同じように後悔すると思います。」

というように、

「あなたの気持ちがわかります。」
「大丈夫ですよ。」

と共感し伝えることで
患者さんは、心を開いてくれたり、
あなたに信頼を置いたりしやすいでしょう。

また、説明をしているときには、
患者さんのリアクションを
確認するようにしましょう。

リアクションを確認せずに話し続けると、
患者さんは、置いて行かれているような
気分になる傾向があります。

患者さんが頷いているか

「あ〜、良いですね」
「ふーん」

などのリアクションをとっているかを
話している途中でしっかりと確認しましょう。

リアクションには、
今、どういう感情なのかが表れやすいようです。

不満げな表情や反応だった場合には、
説明のテンポをゆっくりにして、
もう一度説明するといった対処が
できるようになります。

結論→中身(内容)→結論の順で話す

自分の言いたいことを伝えるには、
ダラダラ話すのではなく
簡潔に話すことで
相手に聞いてもらえるようになります。

簡潔に話すためには、話す順番が大切です。

スタッフや患者さんに話すことが
決定している時には、
事前に結論→中身→結論の構成
話すのがオススメです。

例えば、
患者さんにインプラントを勧めたい時には、
次のように話すと
自費治療を選んでくれる確率が
高くなるかもしれません。

「歯を失ったときには3つの治療法がありますが、
〇〇さんにはインプラントがお勧めです。(結論)

それは、
〇〇さんが自身の歯を削るのに抵抗があり、
インプラントは
他の歯に負担をかけずに歯のような
見た目や機能を取り戻すことが
できるからです。(中身:理由)

だから〇〇さんには、
まずインプラント治療を
提案させていただきます。(結論)」

スタッフを指導する場合には、
次のような話し方が良いでしょう。

「患者さんのアポイント時間を間違っていたから、
これから気をつけていこう。(結論)

でも、〇〇さんはいつも笑顔で
ハキハキと患者さんに対応してくれているから、
私はいつも安心していられます。(中身)

ミスは誰にだってあるから、
同じようなミスを次からしないように
一緒に対策を考えようね。(結論)」

というように、
結論を中身で挟むように伝えることで、
相手が理解しやすく、印象に残りやすいでしょう。

他にも、患者さんに治療説明をする時には、
一般的なメリットよりも
患者さんにとってのメリットを伝える
患者さんが自費治療を選びやすい傾向があります。

何か物を買う時には、
買うことで自分にどんなメリットがあるのかを
考えるのと同じように、
治療説明を聞いて自分にとって
メリットがないと感じると
患者さんは提案した治療法を選ばないことが
多いでしょう。

そのため、
情報を集め患者さんにピッタリな
治療法を提案できるように
準備しておくことが大切です。

質問をする

説明や話を聞く側は、
ずっと聞かされていると
疲れてしまう傾向があります。

相手が疲れてしまうと

「治療法はなんでも良いや!」
「早く話が終わらないかな…」

と思う可能性があり、
聞く集中力が下がってしまいます。

そのため、
話している途中で質問をしてみましょう。

そうすることで、
聞く側の集中力が増して
聞く体制を再度整えることができます。

また、相手に話しかけるように

「〜ですよね?」
「〜ですか?」

語尾を疑問系にする
相手のリアクションを確認することもできます。

まとめ

素晴らしい話し方には、共感があります。

人は、自分の考えや思いに共感してくれる人に
好意を持ちやすい傾向があるからです。

そのため、
スタッフや患者さんに話すときには、
聞いた人がどう感じるのかを考えてから
話す癖をつけるようにしましょう。

今回紹介した方法を実践して、
スタッフや患者さんと
良好な信頼関係をつくっていきましょう。