皆さんは

『患者さんへは十分な説明をしているはずなのに
「とにかく保険適用の治療で!」と
 言われてしまう…。』

と嘆いてはいませんか?

どうして患者さんは

「とにかく保険診療」 

を選ぶのでしょうか?

保険を選ぶには理由があります。

それは
保険も自費も治療内容がよくわからないからです。

今回は、

“患者さんはなぜ、保険ばかり選ぶのか、
わかりやすい説明がもたらすメリット“

 について詳しく紹介します。

治療の説明は患者さんにとってはわかりにくい

治療の説明は、
患者さんにとって非常にわかりにくいです。 

わかりやすく説明しているつもりでも、
患者さんにとっては理解できず、
不安に感じていることも多いのです。

どうして治療説明は患者さんにとって、
難しいのでしょうか?

原因は主に専門用語にあります。

歯科医療には様々な専門用語があります。

「カリエス」
「ぺリオ」

などのような専門用語を使って、
説明する歯科医の先生はいないと思いますが、
薬の種類でも「抗菌薬」などの用語を
使うことはあるかと思います。

皆さんにとっては、

「細菌が増殖しているから菌を抑える薬をだす」

と説明しているつもりでも、
患者さんはなぜこの薬を飲む必要があるのか、
わからないまま飲んでいる方もいます。

なかにはわからないので、
飲みきらずに薬を残してしまう場合もあります。

わかりやすく説明することは
治癒率向上につながり、
治療の選択肢を増やすことに
繋がる可能性があります。

わかりやすい説明とは?

では、
わかりやすい説明とはどんな説明でしょうか?

細かく説明することは素晴らしいですが、
長々と説明しても、
かえって患者さんは混乱します。

説明する内容で、
必ずいれなければいけない事柄があります。

それは

・現状
・放置した未来 

です。

まずは、現在の病状を説明しましょう。

わかりやすいのは「う蝕」です。

現在であれば
削って詰めれば治療も終わりますが、
放置すれば、
歯髄炎になり、
さらに放置すれば感染根管治療が必要になります。

放置すれば痛みは強くなること、
そして歯を抜かなくてはいけなくなる可能性まで
説明する必要があります

現状と
治療しなかった場合の未来を説明することで、
患者さんは治療の必要性が
理解しやすくなります。

歯科医の先生の中には、
治療過程を説明する先生が多いです。

「麻酔をして神経をとります。」

という説明も確かに必要です。

ですが、

「なぜ麻酔をするのか」
「なぜ神経をとるのか」

現状と治療しない場合の未来を説明がなければ、
理解が難しくなります。

まずは、
現状と未来の要点を
まとめてきちんと説明しましょう。

わかりやすい説明は自費率アップにつながる

わかりやすい説明は
自費率アップにもつながるかもしれません

治療のメリット・デメリットを
わかりやすく伝えることで、
自費の治療はなぜいいのか理解しやすくなります。

極端な事例ですが、
開口症例の患者さんがいつも
奥歯のブリッジが外れることで来院されました。

そこの歯科医院では、

「そもそも「開口」を矯正治療で治療しないと、
奥歯のブリッジが取れやすい状況は改善しない」

「このままだと奥歯がなくなり、
将来的には前歯もなくなる可能性がある」

といったことを患者さんへ伝えました。

その結果、
患者さんは矯正治療で開口を治し、
欠損部にはインプラントをいれました。

もちろん、
これは極端な事例かもしれません。

しかし、
患者さんになぜその病態が起きるのか
説明することで、
自費治療の選択肢を選ぶ機会を
歯科医は与えることができます。

わかりにくい説明は、
患者さんのチャンスを奪うことにもなります。

患者さんの未来のためにもぜひ、
現状と未来について
わかりやすい説明を心がけましょう。