怒るとすぐに辞めてしまう、
パワハラで訴えられるかもしれない、
でも、怒らないと全然仕事が上達しない、
と悩みを抱えている院長やチーフスタッフは
多いのではないでしょうか。

指導と感情的に怒るのは似て非なるものです。

そこで今回は、
気をつけたい新人スタッフの指導法について
解説していきます。

怒らない指導が主流となっている

パワーハラスメントという言葉を
知らない人がいないというくらい、
パワハラという言葉は社会に浸透しています。

残念ながら、医療業界にも
先輩による不適切な指導が多いとの声も
よく耳にします。

院長や上司の歯科医師が理不尽に説教をしてくる
こともあるかもしれません。

一方で、医療という仕事は性質上、
ミスがあれば患者さんの健康に
危害を加えてしまうリスクと隣り合わせです。

医療ミスをおこしてしまえば、
患者さんの健康に大きな損失を
与えてしまいかねません。

絶対にあってはならないことですから、
医療ミスを防止するための指導は
全スタッフに必要です。

重大なことであるからこそ、
院長先生や指導するスタッフが
大きい声でミスを注意したり、
強い言葉で怒ってしまうこともあるでしょう。

それ自体は、歯科医療という仕事上、
必要であるケースもありますが、
スタッフからはパワーハラスメントと
思われてしまうリスクがあります。

こんな時勢ですので、
パワーハラスメントにならないように、
細心の注意を払いながら
怒らない指導をして
なんとか辞職しないように指導しているのが
医療業界の現状でもあるのではないでしょうか。

怒らない指導は必要ですが、
業務上必要な指導をいかに理解し、
行動に移せるか、ミスをしないか、
が患者さんにとっても、
そして歯科医院経営においても必要です。

新人スタッフが戦力になるための指導法とは?

新人スタッフに適切な指導を行い、
戦力になってもらうことがなによりも重要です。

そのうえで、パワーハラスメントにならずに、
業務上、必要な指導をしていくためには、
以下3つのポイントを抑える必要があります。

最初に絶対にやってはいけないことを説明する

医療ミスにつながることを入職後、
すぐ口頭、および紙面でも渡して伝えましょう。

指導マニュアルに
絶対にやってはいけない行為として、
書いておいて、渡すのがベストです。

歯科医療における医療ミスで多いのが誤飲です。

誤飲のリスクや、誤飲を起こさないために
どうすべきか?といったことを
伝えておきましょう。

最初にやってはいけないことを
伝えておかないと、
どれだけ危険なことかを
理解することができません。

ミスがおきそうだったときには
一緒にフィードバックする

スタッフ全員の前で注意するのではなく、
ミスがおきそうだった直後に先輩、
もしくは歯科医師が速やかに伝えましょう。

時間が経過してから伝えると、
重要性が低く思われる可能性があります。

危険だったと歯科医師やベテランスタッフが
わかっていても、
新人スタッフでは危険度が十分に
認識されていないことが多いです。

診療中だと、
しっかりと指導できない場合が多いので、
診療後に、
「どう危険だったか、
未然に防ぐにはどうすべきだったか」を
一緒にフィードバックしましょう。

このときに大きい声で注意するのではなく、
どれだけ危険だったか?

もし医療ミスが起きていたら
どんな被害がでていたのか、
を繰り返し伝えましょう。

それでも繰り返すスタッフは厳重注意を行う

それでも、
何度も同じミスを繰り返してしまう
スタッフもいるかもしれません。

何度フィードバックしても
ミスをするスタッフには、厳重注意が必要です。

厳重注意は仕事上、必要であり、
法的にも認められています。

ただし、この厳重注意で大きな声で
何度も注意することは
パワーハラスメントになる恐れがあります。

パワーハラスメントにならないために、
スタッフのどんな行為が問題であったか
伝えましょう。

このときにマニュアルを一緒に確認することで、
やってはいけないことを整理することができ、
一緒に紙面でも確認できます。

効率的に仕事をしていくには
怒らない指導だけでは
残念ながら不十分であることもあります。

ですから、指導していくうえで、
最初にやってはいけないことをしっかりと伝え、
ミスをした場合は、
厳重注意が必要になることも伝えておきましょう。

どんな仕事でも、
お客様に被害がでてしまえば、
仕事だけでなく信用も失います。

医療も同じです。

ぜひ、ミスをしがちなスタッフがいれば、
やってはいけないことを
まずは一緒にフィードバックすることから
始めてみましょう。