歯科医院に来院する患者さんの多くは、
治療に対して少なからず不安を抱えています。

そのため、治療に対して十分な理解をしていないと、
治療に対する不安から、トラブルに発展してしまう
ことがあります。

トラブルを防ぐためには、患者さんが理解しやすい
治療説明が重要です。

そこで、今回は患者さんがどういったことに不安を
感じやすいのか、またトラブルを未然に防ぐためには
どういった治療説明が必要なのか、治療説明の
ポイントについても詳しく解説していきます。

患者さんの抱える不安とは?

患者さんが治療に対して、
抱える不安には以下のようなものがあります。

病状への不安

患者さんは、痛みを訴えて来院されますが、
どうしてこのような病状になってしまったのか
わからなくて来院されます。

痛みがどれくらいで落ち着いて、最終的にどれくらい
噛めるようになるのか、見た目は改善するのか?
など様々な症状に悩みを抱えられています。

現状を把握していないと、その後治療して
改善しているのかどうかわからなくなります。

そのため、しっかりと今の病状を理解してもらう
必要があります。

現状を患者さんに適切に把握してもらうことで、
その後の治療の必要性や回数、その後どういった
治療によるリスクがおきるのかを理解しやすくなり、
トラブルを防ぐことができます。

治療費に関する不安

保険診療もですが、特に自費治療の場合は、
患者さんが想定していた回数よりも治療が増えると
治療費に対して不安が大きくなります。

特にインプラントや矯正治療の場合は、
状態によって、治療回数が増えます。

カウンセリングの際には、回数が増えてしまうことが
あることをしっかりと説明しておきましょう。

もちろん、保険診療でも抜歯後や感染根管治療
などの場合は、患者さんの病態次第では回数が
増えてしまうため、事前にしっかりとした
治療説明が必要です。

予後に対する不安

クラウン、ブリッジ、義歯治療は、治療後に
天然歯と同じように噛むことは難しくなります。

しかし、治療すれば以前にように噛める!
と思っている患者さんは多くいます。

予後に関しては、初回にも説明が必要ですが、
特に補綴物セット後には必ず、前と全く同じようには
噛めない可能性があり、特に義歯では複数回、
セット後も治療が必要であることを説明しましょう。

患者さんの期待する予後と実際の予後には
齟齬があり、トラブルの種になりやすいです。

しっかりと予後についても説明しましょう。

患者さんに対する適切な治療説明の重要性

患者さんに治療説明が重要である理由は2点です。

信頼度の構築

治療説明をしっかりと行うことで、
患者さんとの信頼関係が構築できます。

治療への不安が軽減するだけでなく、
説明をしっかりしてもらい、十分に理解した上で
治療を受けることができるからです。

歯科医師の医療技術だけでは
治療はうまくいきません。

患者さんが歯科医師や診療スタッフを
信頼することで、治療への不安はなくなり、
治療後のトラブルも防げます。

治療への協力度

患者さんが治療内容を理解し、納得していれば、
治療への協力度も高まります。

特に歯科医療は患者さんの協力がなければ
治療が成り立ちません。

予定していた治療予約を無断でキャンセルするような
患者さんほど、クレームなどの後々のトラブルを
引き起こしやすくなります。

最初から治療説明を徹底して行い、治療を
キャンセルすれば、病状がもっと悪化してしまう
可能性を説明し、患者さん自身が治療に協力すれば、
治療後の予後がよくなることを
しっかりと説明しましょう。

治療説明のポイント

治療説明の重要性を理解したところで、どのように
説明すれば、患者さんの不安を軽減させることが
でき、信頼を得ることができるのでしょうか?

治療説明のポイントは「患者さん目線で説明する」
ということです。

患者さん目線で説明するには、
・専門用語は使わない
・丁寧に話す
・質問をする
といった点に注意して説明しましょう。

専門用語を使われてしまうと、
どういった状況なのかわかりにくくなります。

どうして痛みがでるのか?
簡単な言葉での説明を心がけましょう。

そして最後に、質問をすることです。

「わからないことはないですか?」と聞くだけで、
患者さんはわからないことをその場で
解消することができます。

このような患者さん目線の治療説明をすることで、
患者さんの治療に対する不安は軽減でき、
そして、その後治療の不信感によって引き起こされる
トラブルを防ぐことができます。

まとめ

治療説明はとのトラブルを回避するためには
避けては通れません。

初診時の治療説明ではもちろん、治療後に
今日行った治療はどういった治療だったのか、
その後の治療はあとどれくらいかかるのか、
しっかりと説明し、患者さんの信頼を得て、
トラブルをぜひ回避してくださいね。

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