患者さんに自費治療を進めた時に
「高すぎて無理だよ」と言われて、
「そうですか…じゃあ〇〇さんは
保険治療で進めますか?」
と返答した経験はありませんか?
金額は、患者さんが自費治療を
躊躇する理由の中で最も多い理由です。
金額のことを言われてしまうと
何を言っても無駄な気がする…と
思ってしまいますよね。
そこで今回は、
「ちょっと高いですね…」
と金額について言われた時の
伝え方について紹介していきます。
患者さんが自費治療を高いと思う理由「5つの理由」
そもそも患者さんが自費治療を選ばないのは、
次の5つの理由が関係しています。
- 時期
- 金額
- 効果
- 優位性
- 持続性
これは、
「5大反論=5大ネガティブ」とも言われています。
この5つの反論について、簡単に解説していきます。
反論その1「時期」
例えば、
- 少し前だったら
ボーナスが入ってたから自費治療できた - 今月はちょっと使いすぎてて
歯にかけるお金がない
などの、時期を理由に
自費治療を断る方も少なくないでしょう。
反論その2「金額」
提示された金額が、
患者さんにとって高いと感じると
自費治療を選択しない傾向があります。
例えば、
「50万円の椅子は高いと感じますか?」
と聞いた場合には、
多くの方が高いと感じると思います。
では、「50万円の家はどうですか?」
きっと、安いと思った方が
多いのではないでしょうか。
同じ金額でも物によっては
高く感じたり安く感じたりしますよね。
患者さんにとって、
自費治療の50万円は高いと感じてしまうと
自費治療を選ぶ方は少なくなります。
反論その3「効果」
患者さんが提示された治療法を見て
- 自分には効果がない
- 必要ない
と感じると自費治療を選ぶ可能性は低いでしょう。
反論その4「優位性」
例えば、
- 今度旅行に行くから今は出費を減らしたい
- 新しい時計が欲しいから
歯科治療にお金をかけるのはやめよう
と他の何かと比べたときに
歯科治療の優先度が低い場合には、
自費治療は選ばれにくいです。
反論その5「持続性」
お金をかけたことや物は、
できるだけ長く使いたいですよね。
- 提示された治療は長く持たない
- すぐにダメになりそうだから
費用をかける必要はない
と持続性の無さを患者さんが感じると、
提案は通りにくいでしょう。
患者さんの反論を自費治療に繋げる伝え方
患者さんが”5つの理由”の一つでも
当てはまった場合には
自費治療を選ばない可能性があります。
特に、患者さんが自費治療を躊躇するのに
よく使われるのが、金額になります。
ここでは患者さんに「ちょっと高いな…」と
反論された時の上手な伝え方について
紹介していきます。
①丁寧に説明をする
例えば、
インプラント治療にかかる約40万円が
高いと言われたとします。
その時には、説明が不十分だったことを伝えてから、
次のような内容を伝えると良いでしょう。
- インプラントはチタンという
体に優しい金属を使っている - 他の歯を削らずに噛む機能や見た目を回復できる
- インプラントの他にも
手術に使われる材料費がある - 高度な技術力がある技工士が
被せ物を作製し美しい見た目になる
上記のような説明をして、
逆に40万円の価格は高くないと
患者さんに伝えることができれば、
患者さんは自費治療を選びやすいでしょう。
②もっと医療費がかかることを伝える
例えば、
定期検診の費用が自費なことに
不満を持っている方には
次のような伝え方をしましょう。
「〇〇さんは検診の費用が、
高いと感じるのですね。
確かに安くはないかもしれません。
ところで、歯周病が進行した場合には、
増えた歯周病菌が血管を通って
全身に回ることをご存知でしょうか?
体内に入った歯周病菌の影響で、
他の病気を引き起こしてしまう
可能性があります。
そうなると、歯科以外でも治療費が
かかるようになってしまいますよね。
予防が一番の安上がりと言われていて
予防歯科はまさにその通りだと思っています。
また予防歯科は、病気から歯を守る処置で、
保険治療ができない仕組みになっています。」
などというように、
患者さんには、
病気になった時にもっと医療費がかかるイメージを
持ってもらえると、
自費治療に納得してもらいやすいかと思います。
③安かろう悪かろう
日本人は、口で「高いな…」と言いながら
安いものは嫌いな傾向があるようです。
“安かろう悪かろう”
という言葉があるように、特に日本人は、
”安いものにはそれなりの理由がある”
と考えている人が多いからと言われています。
そのため、
自費治療が高いと言われた時には、
粗悪な物ではなく
しっかりと手順や工程を踏んだ治療法であり、
被せ物であることを伝えると、
自分に使うものは、安心安全な物が良いと
思ってくれる可能性があります。
まとめ
患者さんが、金額を理由に自費治療を
躊躇してしまう方が多いと思います。
しかし、
金額以上のメリットがあることを
しっかりと伝えられれば
患者さんは納得して
自費治療を選ぶのではないでしょうか?
ただ、しつこい説明は、
相手が不安に感じやすくなります。
しつこくない範囲で、
相手に自費治療を勧める理由や想いを
伝えてみましょう。
きっと、患者さんに伝わるはずです。