インプラントや矯正などの利益率の高い治療で、
時間枠も取っていたのに前日になって
突然のキャンセル、といった
経験をした院長先生は少なくありません。

これは、突然のキャンセルによって、
他の予約を取りたかった患者さんにも
迷惑がかかり、歯科医院の売上にも
大きく影響します。

そこで今回はキャンセルポリシーとは何か?

歯科医院におけるキャンセルポリシーの重要性、
そして具体的な取り組みについて
ご紹介していきます。

ぜひ、キャンセルについて
お悩みの歯科医師の先生は参考にしてください。

キャンセルポリシーとは?

キャンセルポリシーとは、あるサービスを予約、
申し込みをしたにも関わらず、
キャンセルする場合、
どういった手続きが必要か、
費用はどれくらいかかってくるのかを
規定したものです。

わかりやすい例はホテルです。

ホテルは1週間前までの予約は
キャンセル無料のことが多いですが、
前日は50%、当日は100%の負担してもらう
といったものが多いでしょう。

これがキャンセルポリシーです。

歯科医院に置き替えれば、
患者さんがキャンセルした場合に、
歯科医院側がどのような対応をとるのか、
具体的に規定しておくものです。

多くの歯科医院は、
無断キャンセルした患者さんに関する
キャンセルポリシーの規定がないため、
患者さんとのトラブルに発展する
可能性があります。

歯科医院におけるキャンセルポリシーの重要性

歯科医院において、
キャンセルポリシーは重要です。

なぜ、キャンセルポリシーが重要なのか、
主な理由は3つです。

患者数の確保

歯科医院の多くは予約制です。

突然の無断キャンセルが起きると、
1日に診察できる患者さんを下回ってしまうため、
歯科医院の売上が下がります。

1週間前にでもキャンセルがわかっていれば、
急なアポイント予約を入れることも可能なため、
キャンセルポリシーがあることで、
1日の患者さんの人数を維持することができます。

クレーム対応が減少する

実は逆に感じている歯科医師の先生も
多いかも知れませんが、
キャンセルポリシーをきちんと
明示しておくことで、
患者さんのクレーム対応が減ることが多いです。

無断キャンセル、
遅刻の常習患者さんというのは一定数おり、
そして、自分が無断でキャンセルしているのに、
次の予約で診察時間に診療が始まらないと
クレームを言ってくる割合が高いです。

その場合、受付の対応に収まらず、
その都度院長先生まで
対応せざるを得ないようでは
診療に影響が出ます。

ですから、待合室や歯科医院の玄関に、
キャンセルポリシーをしっかりと
明示しておくことが必要になります。

そうすれば受付も無断キャンセル対応に
明確な基準を持って対応ができます。

明示されているからこそ、
患者さん側もクレームが言いにくい
環境になるのです。

無断キャンセルをする患者さんへの警告になる

患者数が増えることは
売上にとってプラスになりますが、
マイナスをもたらすのが
無断キャンセル常習患者さんです。

無断キャンセルを平気で行う患者さんは、
歯科医院経営においては、
マイナス要素にしかなりません。

残念ながら、
歯科医師法の観点から、
患者さんを断る言動は問題があります。

しかし、キャンセルポリシーが明示されており、
患者さんも確実に認知して、
何度もスタッフからもキャンセルポリシーを
伝えられているのであれば、
患者さんのモラルに対しての警告になり、
こういった患者さんを減らすことができます。

キャンセルポリシーの具体的な取り組みを解説

では具体的キャンセルポリシーの
取り組み方法を解説していきましょう。

まずは歯科医院で
キャンセルポリシーを作成します。

保険だけの歯科医院、
自費治療メインの歯科医院にもよりますが、
・最低でもキャンセル連絡は◯日前までに入れる
・無断キャンセルの理由を聞く
(例外的に感染症への感染、
事故などは無断キャンセルの例外に
することを文言に入れる)
・無断キャンセルが◯回以上続いた場合は、
予約でも急患枠として設定し、
待ち時間が長時間になる
・自費治療であれば、
治療費用の◯割以上請求すること

といったことを記載し、
ワードでもいいので作成します。

そして待合室に掲示しておきましょう。

ホームページや、初診時にお渡しする
リーフレットの中にキャンセルポリシーを
盛り込んでおくことも重要です。

歯科医院、そして他の患者さんにとっても
無断キャンセルはマイナスにしかなりません。

ぜひキャンセルポリシーの
簡単な文章だけでも作成して、
待合室に掲示することから始めましょう。