効率よく集患率を上げるには、
他院との差別化を図るのが近道です。

診療時間や休憩時間を見直して、
自院のオリジナリティを出してみましょう。

効果的な見直しのステップや
考え方のポイントを解説します。

無理のない集患を目指す

今やコンビニエンスストアよりも歯科医院が
多い時代、新規の患者さんを囲い込もうと、
各医院工夫を凝らしています。

広告にお金をかける、SNSを活用するなど
アピールの方法はさまざまですが、高額な費用や
手間がかかってしまうのは考え物です。

かといって、診療時間を伸ばす・休診日をなくして
患者さんを受け入れるのも限界があります。

「無理なく、来院数を増やしたい。」
そんな時におすすめなのが、
診療時間と休憩時間の見直しです。

データを元に見直しを行い、
他院との差別化を図りましょう。

診療時間の見直し

一般的な個人医院の診療時間は、
朝9時~夜18時前後です。

休憩時間を多めにする、スタッフを交代制に
するなどして、長めに診療している医院も
あるでしょう。

診療時間は長ければよいというものではなく、
地域の患者さんのニーズに合わせた時間帯に
することで効率的な集患につながります。

【必要なデータ】

・周辺の歯科医院の診療時間
・受付スタッフへの聞き取り
(どの時間帯を希望する患者さんが多いか)
・自院の予約枠の埋まり具合
(過去1年分くらいのデータがあると良い)

まずは、最寄り駅が同じ周辺歯科医院の
診療時間を調べましょう。

余裕がある場合には、隣駅や医院から半径2㎞
などリサーチの範囲を広げるのも有効です。

周辺の医院と1~2時間診療時間を
ずらしてみると、仕事終わりでも行ける病院を
探していた人やパートの前に通いたいと感じている
人など、自然と新たな患者さんが呼び込めます。

また、予約枠の埋まり具合も診療時間見直しの
カギとなるデータです。

ショッピングセンター内や駅構内などの
特殊な立地を除き、街の一角にある医院は
“その街に住む人の傾向”
を理解した経営が求められます。

高齢の方が多い地域では、夜間よりも朝早い
診療開始が好まれますし、駅に近い立地では
仕事帰りなど夜の診療にニーズが集中します。

過去~直近の予約の埋まり具合をチェックし、
地域のニーズがどの時間帯にあるのかを
洗い出してみましょう。

休憩時間の見直し

休憩時間の取り方は、2種類あります。

①昼休みとして一旦医院を閉め、全員で休憩を取る
②交代で休憩をとり、診療はストップしない

②はある程度スタッフの人数がいるからこそ
成り立つ方法で、個人医院の多くは
① の形を取っています。

① は、病院自体を閉めるため焦らずゆっくりと
休息がとれるのがメリットですが、その時間帯に
受診を希望している人の機会ロスが起きている
ことが考えられます。

【必要なデータ】

・周辺の歯科医院の休憩時間
・自院の予約枠の埋まり具合
(過去1年分くらいのデータがあると良い)
・受付スタッフへの聞き取り
(どの時間帯を希望する患者さんが多いか)

「診療時間の見直し」と同様に、
周辺医院の休憩時間を調べましょう。

そのうえで、自院の予約枠の埋まり具合や
受付スタッフへの聞き取りなどから、どの時間帯に
休憩をとるのが良いか検討してください。

見直しは無理なく&同時にやるのがおすすめ

周囲の医院が休憩をとる12~15時に診療しよう!
とするのであれば、スタートを遅らせて10時台に
しなければスタッフがお腹を空かせてしまいます。

夜の21時まで診療時間を伸ばすなら、
休憩時間は15時頃が良いかもしれません。

このように、診療時間と休憩時間は
お互いに密接な関係にあります。

安定した医院運営を目指すのであれば、
無理のある見直しはおすすめできません。

経営者自身の意思はもちろん、働いてくれている
スタッフの意見も聞きながら、無理のない範囲で
他院との差別化を図り集患のチャンスを
つかみましょう。

さいごに

医療法に基づき、医院運営にあたって何かしらの
変更があった場合、保健所への
「変更手続き」が必要です。

診療時間や休憩時間といった“時間”の変更は、
事前の申告は不要で「事後申告」となります。

変更する場合には申告漏れのないよう、
注意してください。