自分の医院を“かかりつけ”に
してもらうためには、
「患者さんを大事にしている」という
アピールをしっかりと
相手の心に響かせることが大切です。

心理学を応用した、
診療のスタイル・声のかけ方など
今日から取り入れられる
テクニックを紹介します。

「大事にされている」と感じてもらうことが大事

毎日がルーティン化して、
治療も流れ作業のように
なっていませんか?

カルテと口腔内だけを見て、
診療を行っていませんか?

心理学の基本に
「辺報性の原理」
という法則があります。

これは
“相手の意識に対してこちらの意識も変わる”
というもので、
具体的には
好意には好意、
悪意には悪意、
譲歩には譲歩
で返したくなるという心理
を表しています。

人間関係やビジネスシーンで
よく使われる
心理テクニックの1つです。

この返報性の原理を、
病院と患者さんの関係に
反映させていきます。

病院側の人間が
患者さんのことを大切に考え、
誠意のある対応をしていれば、
患者さんも
「自分が大事にされている」と感じ、
よほどのことがない限り
他院に流れることはないと思いませんか?

口コミでも良い評価がもらえるでしょう。

しかし、
心の底から患者さん一人一人に
寄り添っていると、
疲れてしまいますし
無理は続きません。

ポイントは
「効率の良いアピール」です。

効率よく
「大事に思っている」という
アプローチを行い、
患者さんからの
“心証”を最大限に
良くしていきましょう。

今すぐ徹底するべき“2度顔みせ診療”

例え定期検診や
スケーリングの受診であっても、
衛生士や助手だけで
完結させることは避けましょう。

どのような治療であっても、
院長が2度しっかりと顔を見せる、
声をかけることを徹底します。

例えば、
治療の前の

  • 患部の確認
  • 今日の治療の説明
  •  質問への回答

治療の後の

  • 治療後の現状説明
  • 次の治療について
  •  次回までの注意点
  •  質問への回答

これらのようなことを徹底しましょう。

患者さんの心理として、
衛生士や他スタッフが良いから
という理由で
歯科医院を選ぶことは
あまりないと思います。

もちろん、
スタッフの感じが悪いことで
他院へ移る理由になることは
あるでしょう。

しかし、
患者さんが最も重要視しているのは
実際に治療を行う“医師”
である患者さんが多いと思います。

その医師と
1度も顔を合わせずに終了してしまうことは、
「大事にされていない」
と感じるポイントとなってしまいます。

目を見て名前まで言えると好印象

実際に患者さんと話しをする時は、
3つのポイントを頭に入れておきましょう。

目を見て挨拶

最初の挨拶
「○○さん、おはようございます。
調子はいかがですか?」

最後の挨拶
「お大事になさってください。
また次回お待ちしております。」

名前を呼びかける

「○○さんは、
他に気になる点などありますか?」

「普段、○○さんは
歯ブラシ以外になにかケアをしていますか?」

気持ちに寄り添う、気持ちを代弁する

「痛みが出ている状態は、
お辛いと思います。」

「ついつい、強く磨きたくなってしまいますよね。
私もそうです。」

「毎食後、できなくてもいいですよ。
忙しいと中々難しいですもんね。」

最初と最後の挨拶は、
しっかりと相手の目を見て
声をかけることを徹底しましょう。

カルテの確認や記載に気を取られて、
視線を落としたまま
挨拶をしてしまう人は少なくありません。

挨拶は印象を左右する基本事項です。

挨拶や会話の中で
名前を呼ぶことで、
相手からの好感を得やすくなります。

これを心理学用語で
ネームレター効果と呼びます。

カルテを確認し、
名前を言うことを
心がけてみるとよいでしょう。

また、できる限り
相手に寄り添った話をすると好印象です。

相手の全てを肯定し、
ご機嫌取りをする訳ではありません。

気持ちを代弁して、
それに寄り添った言葉をかけてあげます。

その上で、
治療や指導をすることで、
相手の心にも響きやすくなるでしょう。

まとめ

「ここの院長さんは、
私のことを大切に思ってくれている。」
と患者さんに感じてもらえることは、
再診・リコール率のアップ
に直結します。

口コミが広がることで新患が増え、
医院経営の強い味方になることでしょう。

特別な設備投資などが無くても、
どんな治療であっても、
院長が自ら患者さんと向き合って
話しをする時間を設けることが大切です。

予約幅を見直し、
「2度顔見せ診療」
ができるよう調整してみましょう。