「49%」

この数字がどのような意味を持っているか
想像が出来ますか?

この数字は
2016年に歯科医師会が発表した
日本で定期検診を受けている人の割合の数字です。

この数字を見て

「結構、検診を受ける人いるな」
「半分しかいないのか」

以上2つの意見に別れると思います。

この調査の結果を踏まえて、
定期検診に行かない理由は
人それぞれあると思いますが
治療が終わってからメンテナンスに
移行した途端に来院しなくなったり、
定期検診に来ていたのに途中で来院が
途切れてしまう方がいますよね。

そんな患者さんの検診に行かない理由の
本質的部分
いわゆる「本音」について
考えてみたいと思います。

  • リコール率が伸びない
  • 患者さんがメインテナンスに来ない

というお悩みの方は是非、一読して下さいね。

メインテナンスに来ない「2つの理由」

患者さんがメンテナンスに来ない、
又は定期検診に通っていたのに
来院が途絶えてしまう理由は何でしょうか?

  • 通うのがめんどうになった
  • アポイントを忘れていた

など様々な理由があるとは思いますが、
今回は
患者さんが自ら選んで通うことを止めた理由
ご紹介します。

経験がない

自分が経験していないことに対して
共感するのは難しいですよね。
何故なら、それは
「自分に起こったできごと」ではないからです。

例えば、
歯を失ったことがない患者さんに

「歯を失うと大変になりますよ。」

と伝えても
歯が無い経験がないため
何が大変なのか、わかりません。

それと同じように

「定期的に検診に通って
歯を失うリスクを減らしましょう。」

と言われても、
歯を失った経験がないから

「リスクもないのでは?」

と考えてしまいがちです。

歯を失った経験は、
歯が無いために大変な思いをした人や
後悔した本人だけがわかることで、
そんな経験をしたことがない人にとっては
理解しづらい「できごと」になります。

通う意味を感じなくなる

何事にも意味は必要です。

なぜなら、
人は意味をつけてから
行動に移すものだからです。

例えば、
特定の美容室に通う意味について
考えてみましょう。

  • ○○さんに髪を切ってもらう。
  • あの美容室は
    髪を洗う時に炭酸シャワーを使っていて、
    とても気持ちが良い。

といった、
その場所にわざわざ通うための
明確な意味
があります。
逆にそういった明確な意味がない場合には、
行動に移さないことがほとんどです。

歯科も同じで、
患者さんがメンテナンスに通う意味を
感じなければ、
どんどん歯科医院から足が遠のいていきます。

その原因の一つに、

「メンテナンスが毎回同じ内容で
同じ指導法だから」

ということがあります。

かといって、
メンテナンスの内容が変わらないのは
良いことですよね。
内容が変わらないのは
患者さんの口腔内が安定していることに
なるからです。

その事実を術者は患者さんに
はっきりと伝えていますか?

伝えていないと患者さんは、
毎回のメンテナンスの内容が同じで、
ブラッシング指導の内容も
変わらない期間が続くと・・・

「定期検診は毎回変わらない内容だし、
定期的に通わなくても
自分で磨いていれば大丈夫そう。」

「検診がずっと同じ内容なのに
定期的に通う意味あるのかな?」

と自己完結してしまったり、
疑問を感じたりします。

一度芽生えた疑問をそのままにしておくと
いずれ不信感へと繋がって
患者さんは来院しなくなります。

上記の2つがメンテナンスに行かない
患者さんの「本音」です。

まとめ

最初にお話ししたように
来院しない理由は様々です。

患者さんは多くの理由の中から
適切な理由をつけます。
その理由のほとんどは、表面的なものです。

もちろん、事実のものもありますが、
スタッフは患者さんの「本音」を
読みとらないと、患者さんは
来院しないままになってしまいます。

ではどのような対策があるのか?
次回のブログでこの2つの「本音」に対する
解決策を考えてみたいと思います。

次回をお楽しみに!

参考資料

「歯科医療に関する一般生活者意識調査」
http://www.jda.or.jp/pdf/DentalMedicalAwarenessSurvey_h28.pdf