自院をかかりつけ医にしてもらうためには、
患者さんとの信頼関係を
上手に築いていくことが大切です。

患者さんへの接し方や対応する上での心構えを
今一度見直してみませんか?

患者さんへの接し方を院内で統一しよう

患者さんへの接し方を見直すことは、
来院者に「良い病院」だと
思ってもらう効果はもちろん、
スタッフの働きやすさにもつながります。

接客態度の指針を示すことで
医院経営をしていく上でのブレをなくし、
皆で良い方向に向かっていく
雰囲気作りにも役立つでしょう。

考えるべき3つのポイント
「接遇マナー」
「傾聴・共感」
「トラブル時の応対」について、
それぞれ詳しく解説します。

接遇マナー

「接遇」とは接客をワンランクアップさせた言葉で
おもてなしや心遣いを含めた接し方のことです。

近年では「医療接遇」という言葉も出てきており、
患者さんの困りごとや不安な気持ちに
寄り添いながら対応することを意味します。

医療現場で求められる接遇マナーの5原則は、
以下の通りです。

挨拶

挨拶は、スタッフ側から朗らかな声でする
ことを心がけます。
一旦手を止めて相手の目を見て声をかけましょう。

言葉遣い

適切な敬語表現を使うだけでなく、
声のボリュームやトーンにも配慮します。
専門用語は避け、
分かりやすい言葉選びも必要です。

身だしなみ

安全性や機能性への配慮はもちろん、
リスク管理や医療安全の観点からも
身だしなみを整えることは大切です。
具体例:頭髪、爪、アクセサリー、制服の着方

表情

マスクをしていても、表情は大切です。
無意識に眉間にしわを寄せたり
することの無いよう、穏やかな表情を心がけます。

姿勢・態度

話を聞く時は、身体を相手の方に向けて
背筋を伸ばします。
カルテに目を落としてばかりはNG。

傾聴・共感

「傾聴(けいちょう)」とは、
相手の話したいことに対して
深く丁寧に耳を傾け寄り添いながら
話を聴くことを言います。

また「共感」は、
相手の話を否定せず同じ気持ちになって
理解するよう努めることです。

いずれもコミュニケーション法の1つであり、
特に医療現場では身に付けておくべきスキル
だと言われています。

人は、傾聴・共感してくれる相手に対して
“自分のことを理解してくれる=安心できる”
と感じます。

不安や困りごとを抱える患者さんに
安心してもらうためには、
最後まで丁寧に話を聴くことが大切です。

その上で、一緒にこれからの治療方針を
考えていきましょう。

トラブル時の応対

どんなに気をつけていても、
トラブルは起きてしまうもの。

トラブルが起こった時に大切なのは、
ファーストアクション(初動)で
いかに適切な対応するかです。

“うろたえる、焦ってパニックになる、
自分だけでなんとかしようとする”
これらは、トラブルをより大きく
重大なものにしてしまうリスクがあります。

予見できるトラブルに対しては、
予め院内で対応フローとして、
まとめてマニュアル化しておくのがおすすめです。

人によって対応にバラつきが
出ないようにする効果もあります。

以下例を参考にしてみてください。

トラブル内容 1

「待ち時間が長い」「あと何分だ」とお怒りの声

対応

第一声は「お待たせして大変申し訳ありません。」
その上で、丁重に理由を説明。
ご納得いただけない場合には、
「院長に確認してまいりますので
お待ちいただけますか?」と言う。
喧嘩口調にならず、申し訳なさそうに。

トラブル内容 2

会計時、治療費が高すぎるとご指摘された

対応

第一声は
「申し訳ありません。今一度確認いたしますので、
お待ちいただけますでしょうか?」と言って
院長に相談。

他にも、
“患者さんの服に水がかかってしまった”
“予約をダブルブッキングしてしまった”
“SC時に強い痛みを感じさせてしまった”
など、スタッフと一緒に
対応方法を考えてみるのもよいでしょう。

まとめ

ミーティングや朝礼などを通して、
患者さんへの接し方について
改めて考えてみてはいかがでしょうか?

スタッフと患者さん、
双方が笑顔になれる環境を築きましょう。