前編に引き続き今回は
MTMを成功させる秘訣について
お話していきます。

前回の記事でご案内した「評価の意味」に続いて、
今回はMTMの流れで重要な役割を持っている
衛生士にフォーカスして見ていきましょう。

衛生士を担当制にする

近年は衛生士を担当制にする
歯科医院も増えてきていますね。
それは担当制にすることで
多くのメリットがあるからです。

例えば

  • 患者さんに顔と名前を覚えてもらう
  • 親近感や安心感を覚える
  • モチベーションが上がる
  • 衛生士の責任感がでる

といった、メリットが上げられます。
それぞれを深掘りして見ていきましょう。

・患者さんに顔と名前を覚えてもらう

患者さんが自分の顔と名前を覚えているのは
覚えている=認識している
ことになります。

そして、認識している=関心がある
ことにもなり、あなたを信頼しているよ。
というサインでもあるのです。

興味がない人、どうでもいい人の名前を
わざわざ覚えたりしませんよね。

患者さんが衛生士の名前を呼んだときには
信頼関係ができていると思っていいでしょう。

患者さんと信頼関係を築ければ
途中で来院しないような関係性では
なくなるので、スムーズに治療を
進めることができます。

・患者さんに安心感を与えモチベーションが上がる

治療のたびに衛生士が変わる
話す内容や指導方法がズレるという
問題がでてきます。
前に指導してくれた衛生士と
ブラッシング指導が全く違うなどの
「ズレ」のことです。

これは毎回、衛生士記録を付けていても
起こりうる問題です。
こうなってしまうと、患者さんは
どっちのケア方法がいいのか混乱してしまい
モチベーションを下げてしまう原因に
なってしまいます。

しかし担当制では、同じ衛生士が診るので、
内容にズレが生じることもなく
患者さんも安心して指導が受けられるのです。

・衛生士の責任感がでる

歯科医師から衛生士を紹介することで
衛生士は信頼して任せてもらえていると感じ
責任感を持つようになります。
これは歯科医師と衛生士のコミュニケーションを
とる一つの手段にもなりますね。

またプロとしての自覚を持つきっかけにもなり
モチベーションアップも期待できます。

TBI・ホームケア指導を繰り返す

TBI・ホームケア指導は繰返し行ないましょう。

患者さんは自己流の歯磨き方法を持っています。
特に年齢が上がるほど自己流の歯磨き方法が
習慣になっている方が多く、
変えることが難しくなります。

そのため歯磨き指導を行った次の来院時には
前回伝えた内容を実施しているかの確認も含めて
TBI・ホームケア指導をしましょう。

指導を行ってから期間が空くと
指導する前の歯磨き方法に
戻っていることがよくあります。
そう、習慣になっていないため
忘れてしまうのです。

患者さんが覚えた指導内容を忘れないためにも
教えたブラッシング方法を頻繁に確認しながら
TBIとホームケア指導を繰り返しましょう。

まとめ

MTMを成功させるためには
ほんの少しの気遣いや、医院の思いが患者さんに
伝わったのかがポイントになると思います。

それが患者さんに受け入れられると
患者さんは自然に他院と差別化して
あなたの医院に通い続けるでしょう。

MTMの流れに沿って治療を行うことで
患者さんは

  • 自分のリスクが何なのか
  • リスクを進行させない(遅らせる)予防方法

を知ることができ
衛生士は技術のスキルアップにも
繋がります。

そして、メインテナンスに移行するときには
患者さんのモチベーションが高いため
定期的に通ってくれます。

最後になりますが
予防歯科を成功に導くために
欠かせないMTMという流れは
医院のスタッフが一丸となって
取り組むことが必要です。

スタッフ全員がMTMの流れを
理解し、同じ方向性に向かって取り組む熱意は
患者さんに伝わるはずです。

ぜひ、この機会にもう一度
医院でのMTMの流れを再確認し
スタッフと一緒に考えてみて下さい。