あなたのクリニックでは、初診の患者さんに
どんなアンケートをお願いしていますか?
そのアンケートは本当に予防歯科に患者さんを
引き込むことができるでしょうか?

初診患者さんへのアンケートを
うまく利用することが
予防歯科を成功させる大きな要因になることは
いうまでもありません。

予防歯科の考え方を患者さんに広めるために、
予防歯科について患者さんに伝える前に
必要なことがあります。
それはなんだと思いますか?

そうですね!
「患者さん自身が歯科医院や歯科治療について
 今現在どのような考え方や気持ちを持っているか」
を知るということです。

初診時アンケートで患者さんの本音を聞きだそう!

以前のブログでご紹介したように
「初診カウンセリング」が歯科医院内に浸透してくれば、
カウンセリングで患者さんの本音を
聴き出すことができるでしょう。

でも、あなたのクリニックでは明日から
初診カウンセリングをスタートできますか?
そういわれると、「う~ん」と考え込んでしまう方
もいらっしゃるかも知れません。

人手不足や歯科医院のオペレーションの問題で
すぐに初診カウンセリングを導入することが
できない歯科医院もあると思います。

ではどのように患者の現状把握をすればいいのか…
そんなときに役立ててほしいのが、
問診票と一緒に初診時に患者さんに
記入してもらうアンケートです。

もちろん今までの問診票でも、主訴や現病歴、
その他気になる症状や注意すべき既往歴、服用薬など
については一通り聞かれていることと思います。

しかし、本気で患者さんに
予防歯科を浸透させたいのであれば、
一歩踏み込んだ質問が必要です。

それがなければ、
患者さんにとって的外れな説明をしてしまったり、
患者さんがそのとき求めているものとは
別のことを伝えることになってしまいかねません。

予防歯科そのものが素晴らしい考え方でも、
その伝え方やタイミングのせいで
こちらの本意でない形として伝わってしまっては
残念ですよね。

そんな時に患者アンケートは
あなたの強い味方になってくれます。
患者さんご自身が歯科医院や歯科治療について
どのような考え方や気持ちを持っているかを
よく理解することで
患者さんにあった説明の方法や提案を
することができます。

患者アンケートの有効活用が
患者さんに対する「一歩踏み込んだ質問」への
近道になるのです!

初診時アンケートのメリット

患者さんの考え方や価値観は、
仮に初診カウンセリングが導入できていなくても、
ユニットでの問診で直接聞くことができれば、
それに越したことはないかもしれません。

しかし診療が混み合っているときには
そこまで問診に時間を割けないことも出てくるでしょう。

また、問診を担当するスタッフによって
どこまでの情報が聴き出せるかに
バラつきが現れることも考えられます。

アンケートとして
初診時に問診票と同じタイミングで
患者さんに手渡し、記入をしてもらうようにすれば、
こちらが聞きたい必要最低限の患者の情報を、
全ての患者さんにモレなく尋ねることができます。

一度フォーマットを作ってさえしまえば、
あとは手間がかからないという利点もあります。
アンケートに書かれていることで気になったことを、
後ほど改めて詳しく患者さんに聴くこともできます。

初診時アンケートではどんなことを聞けばいいの?

患者さんの歯科医院に対する気持ちや
価値観を確かめるために、
初診時アンケートではどのようなことを
聞けばいいでしょうか。

考えられる質問項目の例をあげてみたいと思います。

  • 治療方法が複数ある場合に優先したいことの優先順位
    (金額/健康、安全面/審美性)
  • 治療の範囲
    (悪いところだけ治療してほしい/全体治療希望 など)
  • 治療終了後のメインテナンスは希望するか
    (する/しない/話を聞いてみて決める)
  • 今までの歯科治療のかかり方
  • 過去に受けた歯科治療でよかったこと・不満だったこと
  • 当院に来院したきっかけ
  • 歯科治療に求めること(選択式でもOK)
  • ホームケアの方法や時間、使用している用具 などなど、

少し考えただけでも患者さんに聞きたいことは
たくさん出てきます。

ただ、これらの全てを無理に
アンケートに盛りこむ必要はありません。

日々の診療の中で
既にユニットで聞けているものは省いたり、
反対によく聞きそびれてしまうことは
盛り込んだり・・・

あなたの歯科医院での実情に合わせた
質問項目を考えてみるとよいでしょう。

回答方法は全てを自由記述式にすると、
ボリュームが多くなり患者さんが負担に感じて
適当に答えてしまうことも予想されます。

可能な限り考えられる選択肢を用意して、
できるだけ患者さんが面倒に感じず
しっかり答えてもらえるように工夫をしてみましょう。

全ての患者さんに予防歯科を根付かせるためには、
とても長い時間がかかります。

その道のりの中で、
すぐに予防歯科の紹介ができないかも知れません。
しかし、患者さんの現状を把握することは
予防歯科紹介の第一歩になるのではないかと思います。

また、多くの患者さんのアンケートの答えの中から、
予防歯科を広めるためのヒントが
見つかることもあるかも知れません。

問診票に添える初診時の患者アンケート、
あなたのクリニックでも
是非取り入れてみてはいかがでしょうか。

ヘルスケアチーム 歯科TC Nより