
歯科医院の規模が大きくなってくると、院長先生
としては次の段階として分院展開を考えます。
しかし、分院展開をしていいのか、
頭を抱える院長先生も多いです。
そこで今回は分院展開のメリットデメリット
について改めて確認し、どういった判断基準を
もつべきかについて詳しく解説していきます。
分院展開するメリット
分院展開には以下のようなメリットがあります。
診療圏が拡大し売上増加
分院展開することで、診療圏が拡大します。
そのため、今まで通えなかった患者さんも
分院に通ってもらうことができます。
分院を展開することで、本院だけでは診察することが
できなかった患者さんをより多く診察でき、
売り上げを直接的に増加させることができます。
歯科医院のブランド力向上
分院展開することで、認知度や信頼性が高まるため、
ブランド力が向上します。
医科でもグループ病院の場合、名前が全国的に
知られているので、グループというブランドだけで
新規患者さんを獲得しやすくなります。
経営リスクの分散
分院展開することで、本院の売り上げが下がって
しまっても、分院の売り上げによって、
トータルでカバーすることができます。
そのため分院展開することで、経営リスクを
分散できるというメリットがあります。
コスト削減
分院展開すると、医薬品や消耗品を
一括で購入できるため、コストを削減できます。
インプラントなどは、大手歯科医院では一括で購入
することで、個人の歯科医院では提供できない価格で
インプラントを提供しているところもあります。
また、教育コストも本院、分院の新入社員研修を
共同で行うことができます。
こういったコスト削減も分院展開のメリットとして
挙げられます。
医院の専門性向上
本院と分院で自費・メインテナンス専門歯科医院と
保険診療歯科医院、インプラント専門と保険診療
といったような、本院と分院でそれぞれの
歯科医院で分野を分けることができます。
そのため、歯科医院の専門性が向上するため、
より効率的な歯科医療を提供することができます。
特にメインテナンス特化の分院展開している
歯科医院は多く、歯科衛生士もメインテナンス業務に
専念でき、患者さんも急患で待たされる心配もない
ので、効率的に患者さんを診察することができます。
分院展開によるデメリット
分院展開にはメリットもありますが、
同様にデメリットもあります。
経営リスクの増加
分院展開するには、新しい歯科医院を作る必要が
あるため、分院が起動にのるまでは、
本院の売り上げで補填する必要があります。
分院が収益を安定させるまで、
経営リスクが増加します。
人材確保と育成の課題
分院を開業するには、分院長や新たな歯科衛生士を
採用し、育成する必要があります。
人材が安定し、育つまでは、本院のスタッフが
サポートするため、本院体制が手薄になってしまう
デメリットがあります。
さらに分院長が退職してしまうと、歯科医院を
運営することができなくなり、
分院を閉院する可能性もあります。
マネジメントの複雑化
本院だけでなく、分院のマネジメントも必要に
なるため、マネジメントが複雑になります。
本院と分院両方のマネジメントに関わる
マネージャーを採用する必要がでてきます。
マネージャーが育つまでは、
院長先生もマネジメント業務に関わる必要があり、
院長先生の負担が増えます。
こういったデメリットがあるため、
分院展開する決断は慎重にする必要があります。
分院展開について院長先生が判断する基準
分院展開には、メリットとデメリットがあります。
本院が拡大し、さらなる売り上げ拡大のためには
分院展開が必要になります。
では、分院展開するかどうかの判断基準を
解説していきます。
経営状況の安定性
分院展開の必須条件としてあげられるのが、
本院の経営が安定していることです。
融資のことを考えると本院が黒字経営であること、
かつ、分院開業にかかる費用をある程度まかなえる
内部留保があることは重要になります。
分院の開業を計画していても
その時期が遅れる可能性もあります。
また、分院の経営が軌道にのるには相応の期間が
かかることも踏まえた資金計画が必要になります。
人材の確保
分院展開をするかどうかの基準として、
もう一つ挙げられる必須条件が、
分院長になるに相応しい歯科医師の確保です。
本院を一緒に運営していくことで、分院長として
技術的な能力だけでなく、マネジメント、
経営能力も判断することができます。
また、分院長候補となる方がみつかった場合は、
その歯科医師の背景も把握しておきましょう。
すぐに退職してしまうリスクがあると、分院を
閉院しなくてはいけない可能性が高くなります。
ですので、本院を運営しているときに
分院長に相応しい歯科医師を見つけておくことが
分院展開における必須基準です。
マネジメント体制の整備
分院展開に伴い、スタッフの雇用やマネジメントの
負担は確実に増加します。
そのため、マネジメント体制を本院のときから
十分に整備しておきましょう。
本院のときからマネージャーを育成し、
マネジメントを任せておける体制にしておくことで、
分院展開したときのマネジメントがスムーズに行え、
院長先生の負担も軽減できます。
まとめ
これらの基準を満たし、十分な準備と計画が
できている場合に、分院展開を検討する価値がある
と言えるでしょう。
ぜひ、分院展開を検討している院長先生は
参考にしてください。