治療を開始する前には、
「治療計画:
どのような流れで治療を進めていくか」
の説明が欠かせませんよね。

患者さんが
計画を十分に理解できていないままの状態は、
トラブルや患者離れの
原因となってしまうことも・・・

今回は「治療期間の説明」にスポットをあてて、
話し方のポイントや患者さん目線での感じ方などを
解説していきます。

治療期間に対する患者さんのリアルな声

歯科治療の期間について、
患者さんからはネガティブな意見が
比較的多く聞かれます。

・歯の治療は、無駄に何回も通うことになるから
行きたくない。
・前は1回で虫歯の治療が終わったのに、
今回は何度も通わされ
結局1ヶ月以上通うことになった。
・大事な用事がありその日までに治したかったが
無理だと言われ、詰め物?の状態で
過ごすことになって大変だった。
・1度に1つの歯しか治療してくれず、
回数稼ぎをしているように思える。

特に根幹治療などはそれだけで
複数回の通院が必要になることが多く、
技工物の納期を考えると
数日以内にすべてを完結させるのは困難ですよね。

歯科は段階的な治療が必要であることは
歯科関係者にとっては
よく知られていることですが、
患者さん目線では納得できないこともあります。

事前にしっかりと治療計画を
患者さんに理解してもらうことで
防げる意見もあることから、
いかに説明が重要であるかが分かるでしょう。

治療を始める前に確認するべき5つのポイント

治療期間に関する説明で
重要となるポイントは“5つ”あります。

① 治療を終えるまでに通院する回数の目安
② 複数回かけて根幹治療を行う理由
③ 技工物の納品に時間がかかること
④ 土台とかぶせ物を分けて作る理由
⑤ 1度に複数の歯を治療しない理由

これらを治療内容に応じて丁寧に説明し、
患者さんが理解・納得したことを確認してから
治療をスタートさせましょう。

大切なのは、歯科は
“手順を追った段階的な処置が必要な診療科目”
だと理解してもらうことです。

外科的で手間のかかる処置が多く、
患者さんへの負担を考えると
長時間の治療も難しいのが現実です。

治療のほとんどで複数回の通院が必要であり、
無駄に多く通わせている訳ではなく
“必要なこと”であると伝えましょう。

いつまでかかるか分からない治療を続けることは、
精神的に不安が大きく痛みが治まったことで
通院をやめてしまう患者さんもいます。

「治療完了までにかかる通院の回数」、
「順調に治療が進んでいった場合にかかる期間」
これらを予め伝えることで、
患者さんは見通しを持って前向きに通院でき、
治療途中で患者さんが来なくなってしまう
リスク対策にも繋がります。

ちょっとした配慮で他院と差をつけよう

きちんと説明していても、
「聞いてない」「思っていたのと違う」等で
トラブルが起こるケースが多々聞かれます。

トラブル防止や患者さんにより正しく
歯科治療を理解してもらうためには、
会計時に治療計画の案内を渡すのがおすすめです。

・治療内容
・目安となる治療回数
・簡易的な治療計画
・治療後におすすめの処置

数分で作成できるよう、
治療内容ごとにパソコンで
フォームを作っておくと便利です。

「今日の治療はここまでなので、
次回は○○をやります。」等、
声かけをしてあげるとより
患者さんの安心に繋がるでしょう。