来院される患者様は、なぜ、
あなたの医院に足を運んでいるのでしょうか?
「定期的に歯をキレイにしたいから」
「虫歯がないかチェックをして、
クリーニングをしたいから」
等々予防目的の方がいらっしゃるかと思います。
しかし、
「歯が痛いから治してほしい」
「歯石が気になるから取ってほしい」と
目の前の困り事だけに意識がいっていて、
気になることが解消されると
医院から足が遠のいてしまう方も、
少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、
初診時に患者さん自身が自覚をしている
顕在ニーズだけではなく
自分では気づいていない
潜在ニーズを引き出して、
リコールにつなげるポイントをお伝えします。
カウンセリング・問診表の活用
みなさんは、初診時、
どのような内容を患者さんに聴いていますか?
カウンセリングをしっかりとしていない
という医院さんでも、
患者さんに問診表を
書いていただいているかと思います。
そこにはリコールにつなげるための
ヒントが隠されています。
情報を引き出す
カルテを作る際に必要になる
最低限の項目だけでなく、
- 主訴は何か?
- 主訴以外で気になることは?
- なぜ、数多くある歯科医院の中で、
この医院にきたのか? - いつぶりの歯医者か?
- かかりつけ医はあるか?
- 前の歯医者に行かなくなった理由は何か?
- 等々、患者さんについて
把握するための情報を引き出すことが
リコールにつなげるための第一歩となります。
前の歯医者に行かなくなった理由は何か?等
聴きにくいと感じる質問も
あるかもしれませんが
「予約がとりにくかった」
「治療の説明をしてくれず、
いきなり銀歯にされた」
等々の理由が分かれば、
患者さんの足が遠のかないように
対策ができるのでさらっと聴いてみましょう。
顕在ニーズだけでなく、
潜在ニーズにもアプローチ
相手について知ることで、
どのような対応が適切なのかが見えてきます。
例えば、
「歯が痛い、
歯科にかかるのは初めてだが治療をしてほしい」
というような内容が主訴の小児の場合。
最低限の情報だけで、いきなり
「はい、では、治療します。」
という流れになると
初めての歯医者さんで
治療が上手くいくでしょうか?
また、
今あるむし歯を治せたとして、
今後むし歯が再発するなどの
リスクはどうでしょうか?
「むし歯が治ったから、
もう歯医者にいかなくていいや」
となってしまう可能性も大いにあります。
今回のケースの顕在ニーズは
「痛い歯を治してほしい」
です。
では、
潜在ニーズは何かというと
「子供をむし歯にしたくない」です。
むし歯が治ったら確かに満足するでしょう。
しかし、
今後むし歯にならない状態を
維持することができたら?
「歯医者さんに通ってよかった」
とより強く感じるはずです。
では、カウンセリングや問診票を活かして、
情報が引き出せているととどうなるか。
「初めての歯医者さんなんですね。
では、まず一人でチェアに座れるか、
そして治療に使う器具を
安全に使用して進めることができるかが
ポイントになります。」
と、初めてであることを考慮している
姿勢を示しつつ、
治療をするためには
いくつか条件があることを伝えます。
それから、
今日やることの流れを
話しておくことも大切です。
例えば、
「まずは、歯医者さんに慣れるために
今日は歯磨きからはじめてみましょう。
大丈夫そうであれば、
治療の練習も一緒にやってみますね。
」等ですね。
主訴を把握した上で、段階を踏んで
一人一人に合わせて進めてくれる
と感じられると保護者の方も安心して
通うことができます。
更にプラスして、状況をみて、
「今あるむし歯を治療することも大切ですが、
今後むし歯にならないようにしたいですよね。
治療だけでなく、定期健診で
子供のうちから歯医者さんに行く習慣を
つけるのがオススメです。」
「歯磨き指導をしたり、
フッ素塗布をしたり、
むし歯にならない環境を
一緒に作っていきましょう」
と予防の大切さも伝えましょう。
多くの方は
「じゃあ、お願いします」と
定期健診にも来てくださるのではないでしょうか。
まとめ
初診時はリコールにつなげやすい
タイミングの1つです。
- カルテや問診票を活用して情報を引き出す
- 顕在ニーズだけでなく、
潜在ニーズにもアプローチする
この2点を意識して行動するだけで、
患者さんの満足度や
リコールにプラスの影響を
もたらすことができると思います。
ぜひ、実践してみて下さい。