
患者さんの予防意識が高まることは、
お口の健康という患者さんのメリットに加え、
定期的で意欲的な受診につながるという
医院側にとっても大きな利点があります。
患者さんの予防への取り組みをアシストしながら、
コンスタントな受診サイクルを築くための
具体的なアプローチについて紹介します。
予防歯科はセルフケアも重要
予防歯科の実現には、
プロフェッショナルケアとセルフケアという、
2つの基盤を整えることが重要です。
患者さんに予防歯科に対する主体的な意識を
持ってもらうことで、セルフケアの質向上、
さらには定期的な受診習慣の確立が期待できます。
しかし、単に「お口の健康を守るために
セルフケアをしっかりと取り組んでください」
と伝えただけでは、日々の歯磨きや洗口液の使用
程度に留まってしまうのが現状。
これでは、なかなか意識の向上も見込めません。
ポイントは、“具体的なケア方法”と
“そのケアが持つ意味”を理解してもらうことです。
患者さん自身の「自分の歯を守る」という
主体的な気持ちを引き出せるよう、
上手にアシストしていきましょう。
セルフケアのルーティンリストを取り入れてみよう
「次の予約をどうされますか」や
「次は定期検診で〇か月後です」等の声掛けでは、
予約を取らずに帰ってしまうパターンも多く、
なかなか継続的な受診につながりません。
そこで取り入れたいのが、
「個別のルーティンリスト」です。
患者さんが取り組むべき具体的なセルフケアの
内容と次回の受診予定を時系列で示すことで、
自然と定期的な来院サイクルが生まれます。
ルーティンリスト例
○○様
|
月 |
内容 |
目標 |
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5月 |
定期検診(本日) 歯ブラシを新調 |
歯周ポケットの検査、機械を使った歯垢・歯石除去、歯磨きの癖を確認、ホームケアの方法を検討 |
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6月~7月 |
ホームケア |
・朝晩の歯磨き(右上の奥歯は意識的に丁寧に) ・夜はデンタルフロスを使用 ・昼は無理のない範囲で(テレワーク時や休日など家にいる時は磨くとGood) ・歯磨き後に時間があれば洗口液(○○様には、アルコールを含まない製品がおすすめ) |
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8月 |
定期検診 歯ブラシの交換 |
セルフケア状況の確認、染め出しによる歯磨きチェック、機械を使った歯垢・歯石除去 |
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9月~10月 |
ホームケア |
※8月の定期健診の結果を踏まえて検討 |
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11月 |
定期検診 |
このようなリストを作成し、
患者さんにお渡ししましょう。
作成時のポイントは「個別の特別感」です。
単にセルフケアの内容を羅列するのではなく、
歯磨きで意識したい箇所やおすすめの製品の
選び方などを()で補足します。
これにより、誰にでも当てはまるリストから
“自分のためだけに作られたリスト”に変わり、
患者さんは嬉しい気持ちになるものです。
医院との信頼関係にもつながるでしょう。
診察の中でスムーズに作成できるよう、予め
テンプレートを作成しておくことがおすすめです。
ルーティンリストの項目案
ルーティンリストに記載する項目は、
患者さんのお悩み・口腔内の状況・生活習慣
などに合わせて個別にカスタマイズしましょう。
自分のためのリストと感じてもらえることが、
実行意欲の向上に大きく影響するカギになります。
【項目案】
・歯ブラシ(選び方、交換の目安)
・磨き方(磨き残しの箇所、力の入れ具合)
・義歯のケア(洗浄方法)
・舌ブラシ(使い方、タイミング、回数)
・市販品の選び方(歯磨き粉、洗口液、フロス、
糸ようじなど)
・生活習慣(ガムの習慣化、飲料について、
咀嚼回数を意識)
項目はある程度テンプレとして作っておき、
個別の癖や状態に合わせた具体的な指示を
付け足して完成させていくイメージです。
妊娠中・生え変わり時期・矯正など一人ひとりの
ライフイベントに合わせたアドバイスを
記載するのもよいでしょう。
まとめ
ルーティンリストは、患者さんの意識や
行動を大きく変える力のあるツールです。
個別性のあるケア方法の指導は、患者さんの
満足度を高め、継続的な来院や医院への
信頼にもつながっていきます。






