「相手に説明する時に人柄が顔を出す」

そう言われるくらい、
説明は重要なことです。

「相手によって
あなたへの印象が好意的になるのか、
そうではなくなるのかは説明にかかっている」

といっても過言ではありません。

そこで今回は患者さんが、
あなたへの信頼をアップさせる説明の仕方
について解説していきます。

  • 患者さんに説明するのが苦手
  • 患者さんからの信頼をアップさせたい

といったお悩みを持っている方は、
是非一読してみて下さいね。

片面提示と両面提示

どんな事にも
メリット・デメリットが必ずあります。

治療説明をする時に、

  • メリットだけを伝えることを
    片面提示
  • メリット・デメリットの両方を伝えることを
    両面提示

と言います。

例えば、
ノンクラスプデンチャーの
説明をする時の場合、

「この入れ歯は、見た目が良くて、
弾力があるため割れにくいです。」

だけだと、片面提示になります。

「この入れ歯は、変形しやすく、
2~3年での作り直しをお勧めしていますが、
歯に馴染みやすく、
見た目が良いのが特徴です。」

になると、両面提示になります。

片面提示と両面提示のどちらが効果的?

患者さんが
歯科に対しての知識を
あまり持っていないような時には
片面提示
が効果的ですが、
その反面、
後でデメリットを知ってしまった時に
クレームに繋がる場合もあります。

先ほどのノンクラスプデンチャーの
例で言うと、
片面提示だけでは、患者さんは

「見た目は良かったが、
こんなに早く作り直しになるなんて!」と
言うことが起こるかも知れません。

さらに、
変形しやすく、
2~3年で作り直した方が良いデメリットを
故意で黙っていたと疑われてしまいかねません。

また、人によっては
メリットばかりを強調されると、

「何か裏があるのでは・・・?」

と、逆に不安になってしまうこともあります。

そのため、一般的には
両面提示をすることをお勧めします。

両面提示の場合は、
患者さんから信頼や納得もしてもらえて、
長期的な効果が高くなります。

なぜなら、
デメリットも説明してくれるからこそ、
信頼できると思ってもらえる可能性が
高くなる
からです。

また初めに、

「この入れ歯は変形しやすいのですが・・・」

という一言があれば、
患者さんもその入れ歯を
より注意深く扱ってくれて、
壊れた時も

「説明でも言っていたし、仕方がない。」

と思ってくれるはずです。

この場合に注意すべきなのは伝え方です。

基本的には、
悪い面を先に伝える方が良いでしょう。

例えば、

「こういうデメリットがありますが、
このような大きなメリットがあります。」

といった伝え方をする方がより効果的です。

片面提示と両面提示の使い分け方

患者さんによって、
どちらの方法で説明するのかの
使い分けをしましょう。

そのためには、
患者さんの見極めが重要になります。

片面提示は

  • 深く考えない人
  • 賛同することがわかっている人

といった患者さんに有効です。

特に、
患者さんとあなたの信頼関係が
構築できている場合には、かなり効果的
です。

片面提示が有効な人に、
両面提示をしてしまうと、

  • 意欲が無くなってしまう
  • 本当に良いのか迷う
  • デメリットを比較するのが面倒

といった問題がでてきてしまって、
信頼どころか歯科医院に通うのを
止めてしまう可能性も否定できません。

両面提示は

  • 治療法に迷っている人
  • 時間をかけて吟味したい人

といった患者さんに有効な方法です。

こういった患者さんは、
デメリットがあることをきちんと伝えることが
重要
になってきます。

デメリットを伝えてくれた信頼感や
自分で検討しきったという
満足感を強く持つことができます。

逆に、
片面提示しかしない場合だと、

  • デメリットもあるはずだと疑う事
  • 情報を全て出さないことへの不信感
  • 操られている感覚

といったようなことを感じてしまい、
あなたとの
信頼関係を崩しかねません。

まとめ

片面提示、両面提示を使いこなすには
患者さんの見極めがカギになります。

患者さんがどういった性格で、
どんな人なのかを
衛生士と共有すると、
説明がやりやすくなりますよ。

この方法を上手に使って、
患者さんからの信頼を手に入れていきましょう!