
「自費率は患者さんの治療価値の認識で決まる」
と言われる程、
治療の価値を患者さんに伝えることは
重要なのですが、
あまりうまく伝えることができない歯科医院も
多いのではないでしょうか。
とはいえ、
「治療の価値を伝えるのは意味があるの?」
と思う方もいると思います。
そこで今回は、
“治療価値を伝える意味と
治療価値を高くする方法について“
紹介していきます。
具体的には、
患者さんが治療の価値を知ることで
- 自費率が上がる
- 患者さんが治療に対して積極的になる
- キャンセルが減る
といったメリットが考えられます。
自費率が上がらないと悩んでいる方は
是非、参考にして下さいね。
患者さんはなぜ自費診療を選ばないのか?
そもそも、
なぜ、患者さんは自費治療ではなく、
保険治療で良いと思うのでしょうか?
その理由は次の3つです。
①経済的理由
②再治療すれば良いという考え方
③保険治療と自費治療の違いが理解できていない
といったことが考えられます
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①経済的理由
患者さんは金銭面が原因で、
保険治療を選ぶ場合があります。
自費治療が良いとわかっていても、
経済的理由から選ぶことができないのです。
②再治療すれば良いという考え方
患者さんによっては、
何度も治療ができると思っている方もいます。
例えば、
保険の被せ物を選ぶ理由として、
「また虫歯になるかもしれないから」と
思っている方も少なくありません。
虫歯の治療をしたにも関わらず、
また虫歯になるし、
同じような補綴治療ができる
と間違った知識を持っているのです。
③保険治療と自費治療の違いが理解できていない
患者さんが
保険治療と自費治療の違いを、
金額だけだと感じていると、
自費治療を選ぶことはありません。
保険治療と自費治療には、
それぞれメリット・デメリットがあることや
どんな違いがあるのかを患者さんが
理解できるように説明することが大切です。
上記の3つの中でも
金銭面以外の理由は、
患者さんの歯に対する治療価値を
高くすることで解決することができます。
歯は治療価値が低くみられがち
患者さんの視点だと
歯の治療価値は低く見られます。
つまり、
「治療の価値=歯の重要性」となってきます。
患者さんが
「歯はそんなに大切な物ではない」
という認識なら治療の価値は低くなり、
保険治療になる確率が高くなります。
一方で、
患者さんが「歯は大切な物」
という認識なら患者さんにとって
治療の価値は高くなるので、
自費治療になる可能性も多くなるのです。
説明の言い回しを変えてみよう
実際に患者さんが
「この治療には価値がある!」と認識するには、
歯科医師やスタッフの説明の仕方が
ポイントになります。
例えば、
歯髄を残して虫歯治療ができた場合には、
- 治療した歯が再度、
虫歯になった時には歯髄が残せない場合がある - 歯髄が無くなると、
歯の寿命が短くなる可能性があること - 歯髄を残すのは、
今回でラストチャンスになる確率が高いこと
といった内容を説明して、
自分の歯にリスクがあることを自覚させること
が大切です。
歯がギリギリで残せて治療できていることや
次は歯を失うかもしれないことを
自覚することで、
「やばい」と思うようになるので、
自費の補綴を選ぶ可能性が高くなります。
他にも義歯治療の場合では、
義歯の特徴説明だけになっていませんか?
義歯治療で大切なのは、
快適に義歯を使用して長期間、歯を残すことです。
そのため、
患者さんには次のように伝えることが重要です。
- 歯に掛けるクラスプには、
強度がある材料で作るため折れにくいこと - 自費治療で作製した義歯は、
歯肉にもピッタリと密着するので、
歯茎にも噛む力がかかって、
残っている歯にかかる負担が軽減されること
といったことを伝えることで、
今ある歯の重要性に気づいて、
治療の価値を認識しやすくなります。
まとめ
治療の価値は患者さんが決めることです。
歯科医療従事者は、
歯の重要性や歯の価値を患者さんに教えたり、
気づいてもらったりすることも
治療の1つだと思います。
また、
患者さん自身が治療の価値に気づくことで、
価値がある治療をしてくれる術者にも
価値を感じるようになります。
自分の歯を守ってくれようとしている、
歯を残そうとしていることが説明で伝わることで、
お互いの信頼関係を築くきっかけにもなるのです。
ぜひ、今回のブログ記事を読んで
患者さんに治療価値を高めていただくための
話法を検討してみてはいかがでしょうか。
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- カウンセリング, 患者コミュニケーション