歯ブラシ圧が強く、
歯茎が摩耗してしまっている人に
「力を入れすぎないように注意してくださいね。」
という声かけだけでは不十分です。
口腔状態をより良い状態で保てるよう、
的確なアドバイス・声かけを行い、
患者さんの満足度をアップさせましょう。
現状を「目視」で確認してもらう
声かけをする際には、
実際に自分の歯茎(歯肉)の状態を
患者さん自身に確認してもらうことが大切です。
ただ「力が強いようなので」と
伝えられるよりも、
「歯茎が摩耗してすり減ってしまっている」
とミラーを使って見てもらいます。
模型や正常な歯茎の写真等と見比べるなどして、
自分の口腔内がどのような状態になっているかを
具体的に認識することで、
その後のアドバイスに対して
真剣に耳を傾けてくれるでしょう。
歯ブラシ圧が強いことでの
「デメリット」を説明する
歯ブラシを毎日することは、
口腔内の健康を維持するために欠かせません。
しかし、ブラッシング時の力が強すぎてしまうと、
歯茎に大きなダメージを与えてしまいます。
具体的には以下のことが言われています
- 歯茎が摩耗し、擦り減ってしまう
- 一度擦り減った歯茎は自然に再生しない
- 歯茎が擦り減った歯は、
土台を失い強度が弱くなる - 歯茎が擦り減ることで露呈した部分は
知覚過敏が起こりやすい
特に「一度擦り減った歯茎が再生しないこと」
を知らない患者さんは多いです。
失われた歯周組織は
再生治療を行わない限り
基本的には自然と改善することはありませんが、
他の皮膚のように治ると
勘違いしている人もいます。
これらの内容をポスターにして
院内掲示として貼り出すのもおすすめです。
歯を綺麗に磨くポイントは
「フロスor歯間ブラシ」
歯を綺麗に磨きたい・口腔内を綺麗にしたい
という気持ちから、
力を入れて念入りにブラッシングをしてしまう
患者さんは少なくありません。
そんな時に伝えるべきは
「歯ブラシ」と「フロス」の併用です。
歯ブラシでいくら力を入れて磨いても、
歯間や歯と歯茎の間の汚れを
くまなく落とすことはできないため、
フロスや歯間ブラシとの併用がカギとなります。
医師によっては、
「フロスがメインで、
歯ブラシは仕上げ磨きのようなイメージで」
と伝えているところもあるようです。
フロスや歯間ブラシを使っても
100%にならないのは、
俗に歯周ポケットと呼ばれる
歯と歯茎の隙間が原因です。
この部分を自宅でのケアで洗いきることは難しく、
歯茎の摩耗に繋がるリスクが高いため、
定期的な歯科医院での
清掃(スケーリングやPMTC)を行い
汚れを溜めないことが
大切であると伝えましょう。
まとめ
患者さんの心に響かせるためには、
- 現状確認
- デメリット
- ロスor歯間ブラシ
この3つのポイントを
分かりやすく説明することです。
力を入れることでのデメリットを伝えた上で、
力を入れなくても汚れを落とす
具体的な方法を指導してあげましょう。
説明が苦手・患者さんと話すのが
得意ではないという方は、
院内掲示や
ラミネート加工した説明用のポップを
用意するのも効果的です。
是非参考にしてみてください。