患者さんに自費の説明をしても、
なかなか自費治療を選んでくれない
と悩んでいませんか?
一般的な治療のメリット、デメリットを
しっかりと伝えたり、
患者さんが理解しやすい説明をするだけでは、
自費に結びつく確率は低くなるでしょう。
患者さんに自費治療を選んで欲しい場合には、
マッチングリスクを
意識する必要があります。
そこで今回は、
マッチングリスクについて紹介していきます。
マッチングリスクとは?
マッチングリスクとは、
不安が生じて
患者さんが商品の購入や勧められた治療法を
踏みとどまる心理状態のことです。
つまり、
「自分に合わなかったらどうしよう…」
と不安を抱いている心理のことです。
特に、初めて購入するものや
高額なものに対しては、
マッチングリスクが高くなる
傾向があります。
不安があることは、
一見悪いことのように思いますが、
興味があり自費治療をしたいけど
不安があって、
一歩踏み出せない状態です。
そのため、
説明の仕方によっては患者さんが
自費治療を選ぶように
誘導することができます。
マッチングリスクが強い人に
やってはいけないこと
患者さんによっては、
心配性な方もいると思います。
「失敗したくない」
「後悔したくない」などの
思いが強い人を、
マッチングリスクが強い
と表現することがあります。
マッチングリスクが強い相手には、
攻めの言葉があまり向いていません。
例えば、
インプラント治療を迷っている方に対して
インプラントの魅力を伝え、
他院と比べて治療費が安いといった
お得感を出すアピールは
逆効果になる可能性があります。
なぜなら、
マッチングリスクの強い人は、
インプラントの良さは理解できていて、
金額も問題ない。
しかし、
一歩を踏み出せていない状態だからです。
その状態で、
インプラントの魅力やお得感を
出してしまうと
相手はしつこい、
儲けたいだけなのでは?と感じて
あなたへの信用を無くしてしまう
きっかけになることもあります。
マッチングリスクの対策
マッチングリスクの強い患者さんは、
自分がしようとしている治療が
自分にピッタリと合っているかを
知りたいのです。
そのため、
マッチングリスクが強い方には
次のような対策が効果的です。
- 不安を聞き、対処の説明をする
- アフターサポートの保証
- ウインザー効果を使う
それぞれについて、紹介していきます。
不安を聞き、対処の説明をする
まずは、
患者さんが何に不安を感じているのか
を聞くことが大切です。
ここで、不安の内容も聞かずに
自費治療の魅力をさらに伝えてしまうと、
相手は
「寄り添ってくれないな」
と感じてしまう恐れがあります。
自費治療を迷っているときには、
何が不安なのかを
こちらが聞いて
明確にしてあげることで
患者さんも考えを整理することにも繋がります。
例えば、
被せ物を保険の金属にするか
セラミックで悩んでいる場合。
「セラミックにする上で、
不安なことはありますか?」
と聞きます。
患者さんが
「すぐに壊れないか不安で…」
と言ったときには、
「そうですよね、
お金を出してもすぐにダメになってしまったら
と不安に思ってしまいますよね。
でも、最近のセラミックは、
強度もあり壊れにくくなっています。
それに噛み合わせをしっかりと調整するので
すぐに割れる心配がほとんどないですよ。」
というように、
相手の不安を聞いてからすぐに
「大丈夫ですよ!」
と伝えるのではなく、
不安に共感してから対処の説明を
するようにしましょう。
不安に共感することで相手は、
「話を聞いてくれている、寄り添ってくれている」
と感じて、
その後のあなたの説明を
しっかりと聞いて考える傾向があります。
アフターサポートを充実させる
患者さんのマッチングリスクの中でも、
自分で購入したものが無駄になる
という不安を取り除くのが、
アフターサポートというシステムです。
アフターサポートが充実していると、
自費治療を選ぶハードルが下がります。
また、
治療後のリスクを減らして、
高額な治療をして失敗したくないという
患者さんの心理に働きかけます。
さらに、
人は自分が選んで保有しているものに
価値を見出す心理があり、
手放したくないと考える傾向があります。
そのため、
実際には良い状態を維持しようと
定期検診に通うようになり、
リピーターになる可能性があります。
ウインザー効果を使う
ウインザー効果とは、
関係のない第三者からの情報を
信頼する心理のことです。
例えば、
同じ部位にセラミックをした患者さんの
口腔内写真を見せる。
治療してから数年経った状態の写真を見せる。
というように、
実際に治療を受けた患者さんの
写真を見せることは
不安を取り除いて、
安心させるのに効果的です。
まとめ
患者さんに
良い治療を提供したい思いが強く、
自費治療の魅力を多く伝えてしまう院長先生も
いらっしゃると思います。
しかし、
患者さんのマッチングリスクを意識しないで
説明だけをしても
自費治療には繋がりにくいです。
まずは、患者さんが
どんなことにマッチングリスクを感じているのかを
理解することから始めましょう。
今回紹介した方法は、
明日からすぐにできるので
ぜひ一度実践してみてください。