歯科医から患者さんに伝える言葉、
本当に伝わっているのでしょうか?
歯科衛生士やスタッフが話す言葉、
患者さんに伝わっているのでしょうか?
患者さんの健康のために伝える言葉が、
もしかしたら伝わっていないとしたら、
それは悲しいことですね。
でも、肝心なことを忘れていると
伝わっていないかも知れません。
今回は、「伝わる」についてお話しします。
「伝える」と『伝わる』
「伝える」とは、あなたが話した内容のことです。
患者さんに「〇〇なので△△にしてください。」
これが「伝える」ですね。
例えばこんなシーンです。
院長 :Aさん、患者さんに○○のこと
説明してくれましたか?
Aさん:はい院長、○○のことを
説明しておきました。
一方、「伝わる」ですが、これは、患者さんに
納得、同意、共感を与えてその後の行動に
少なからず影響を与えることです。
こんなシーンです。
院長 :Aさん、患者さんに○○のこと
説明してくれましたか?
Aさん:はい院長、○○のことを説明したところ、
○○を試してみたいとおっしゃりました。
出来れば後者の結果が欲しいところですね。
簡単に言うと、「伝える」の視点は
医療従事者サイド。
ですから、「伝えました」になります。
「伝わる」の視点は患者さんです。
患者さんがどう判断・決断、行動してくれたか?
ですから、
「○○してくださいました」になります。
では、伝わるコツってあるのでしょうか?
伝わるコツは言葉だけではない
じつは、何を話すか?よりも
大切なのは、どのように話すか?
なのです。
ちょっと具体的に示してみましょう。
A 患者さんとアイコンタクトしながら会話する
B 下を向いたまま会話する
さて、どちらが患者さんに影響を与えられる
でしょうか?
答えは明白です。
Aのアイコンタクトしながら会話です。
これは、極端な例ですが、実際の医療現場でも
大なり小なりこのようなことは起きているのです。
大事なことは、
患者さんの感情をポジティブな方向に動かす
ことです。
残念ながら、話す内容だけでは患者さんの行動を
変えることは困難なのです。
非言語情報に気を配ることが「伝わる」極意
ちょっと聞きなれない言葉かも知れませんが、
「メラビアンの法則」ってご存知ですか?
メラビアンの法則とは、1971年にアメリカの
心理学者アルバート・メラビアンが提唱した、
話し手が相手に与える影響を、研究と実験に
基づいて数値化したもの。
具体的には、話し手が聞き手に与える影響は
「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから
構成され、それぞれの情報の影響力は
以下の割合であるというもの。
言語情報 … 7%
聴覚情報 …38%
視覚情報 …55%
これは、有名な法則なのでご存知のかたも多いと
思います。
聴覚情報と視覚情報は言語ではないので
「非言語情報」と呼んでいます。
何を話すか?の言語情報だけでは、患者さんに
影響を与えられないというエビデンスになるのでは
ないでしょうか?
まさしく、「伝わる」には、
非言語情報に気を配る必要があるのです。
参考までに非言語情報の解説
非言語情報について簡単におさらいしておきます。
非言語情報には
「視覚情報」と「聴覚情報」があります。
視覚情報には、
- 服装
- 身だしなみ
- 姿勢
- 表情
- 身のこなし、動き
などがあります。
特に気を配りたいのは、身だしなみ、
そして表情になるでしょう。
接遇やコミュニケーション研修では、必ず最初に
学ぶ項目なのではないでしょうか?
次に、「聴覚情報」です。
- 声の大きさ、はり
- トーン
- 話す速さ
- 強弱
などがあります。
歯科医院では、1対1での対面であることから
大きな声は必要ありません、
聞き取りやすい速さ、そして声のトーンが
重要になるでしょう。
まとめ
非言語情報については、
接遇・コミュニケーションの基礎的なことなので、
そんなことは誰でも知っていると思います。
でも、実践はできていないのかもしれません。
何はともあれ、話す内容よりも前提条件として
重要なのが非言語コミュニケーションなのです。
今一度、非言語コミュニケーションがうまく
できているのか?
医院全体で再チェックするのもいいのでは
ないでしょうか?
リコール率が上がること請け合いですよ。
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